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I Love Jazz Chants

日本人英語講師が「ジャズチャンツ英語教授法」の魅力についてお話します。

久々の更新です。
さて、何を書こうかと思いながら、最近よく出会うフレーズについて書くことにします。
出会うと言っても、日常で英語を使うことは全く無いので、ここでお話するのは、学校やラジオ英語のテキスト、模試の問題などで聞いたり見たりしているフレーズです。
それは…
There is a 〇〇.
Is there 〇〇?
という、あります。ありますか。の表現です。

一番最近では、TOEICのPart 2(リスニングセクション、呼びかけに対して適切な応答を選ぶ)問題で
Excuse me.  Is there a clinic in this neighborhood?
(A)     It’s around the corner from the post office.
(B)     Yes, I’ll clean it for you.
(C)     This neighborhood is very quiet.
というのがありました。
正解は(A)です。
Yes. で答えないのが憎いところですが、これには練習して慣れるしかないです。

この問いかけと同じく「道を聞く」場面のフレーズは、Small TalkのUnit 12 Asking For and Giving Informationの “Walk Two Blocks and Turn Right” に出てきます。


Is there a bank near here?
    Yes, there is.
    Walk two blocks and turn right.

 

この後、a bank のところが a phone, a newspaper stand, a coffee shop に変わって同じ繰り返しになります。
今の時代、a phone を街の中で探す人はいないのが辛いところですが、まぁそんな時代もあったと振り返りながら練習します。
 Is there a ~~~~?
で道を尋ねていると知るだけで、ある日別の時に、例えば先ほどのようにTOEICのテストでこのフレーズを聞いたとしても、すぐに状況が呑み込めます。
このことは、次に言われるであろう言葉=正解を予測するのにとても役に立ちます。
もちろん、テストのためだけの英語学習ではなく、呼びかけに対して答えるための表現を知っていることは、コミュニケーションの場面でも活かされます。

このSmall Talk のフレーズは大人には面白いですが、子どもにはあまり使う機会がないかも知れません。
そこで、もうひとつ LET’S CHANT LET’S SING 2 から紹介するのが
“There’s a Lamp on the Big Blue Table” です。

There’s a lamp on the big blue table.
     Where?
Next to the big blue chair. **

There’s a cat on the big blue sofa.
    Where?
Next to the big blue chair. **

There’s a bird behind the sofa.
    Where?
Next to the big blue chair. **

There’s a dog in front of the sofa.
    Where?
Next to the big blue chair. **


このチャンツは、There is a 〇〇. だけでなく、場所を聞いたり表したりする疑問詞、前置詞なども学べます。
小学生クラスでする時は、ボードにtable, chair, sofa を描いておいて、チャンティングしながら lamp, cat, bird, dog を描き加えていきます。
これは、何も小道具を使わず、ボードとマーカーだけあればできて、レッスンだけでなく参観日にも出来るアクティビティです。

位置関係を聞いて頭の中で整理するのは日本語でも難しいですが、保護者の方は「描かれた絵を見ると何を言っているのかが理解できてよかった」と言われていました。
意外だったのが、chair と Where? のライミングが楽しくて盛り上がるという点でした。
全部言えなくてもWhere?を言うだけで参加した感が味わえる作品でもあります。
何度もチャンティングして記憶に残そうという狙いにもピッタリです。

 

改めてここで見ると絵が雑で驚きますが、こんな感じです。

 



また、私がこの作品を好きな理由のひとつに、生徒たちが中学生になった時に「冠詞の使い方」を理解するのに役立つということがあります。
「テーブルの上にランプがひとつあります。」この場合の冠詞は「初めて話に出てきたので a 」
「そしてそのランプは明るいです。」  この場合は「一度出てきたものを指すので the 」とする。
だから、There’s the lamp on the big blue table.  とは言えない。
これだけの説明ですぐに理解してもらえないこともありますが、一度親しんだものなので、「難しい」と感じることなく、理解しようという姿勢になってもらえることは確かです。

これを書いているうちにも、皆さんと一緒にチャンティングしたくてたまらなくなっています。