いつも手の届く場所に置いているものの中に、松澤善好著「英語耳」という本があります。
英語学習者の方にはおなじみの本だと思いますが、私は2004年の初版時にかなりハマりました。
しばらく開いていなかったのですが、久々に読んでみることにしました。
初版時に読んだ時は
「知らない音は知っている音に置き換わる→だから日本語の耳で聞くとカタカナ英語になる」
「英語には特有のメロディがある→デタラメでもそれらしい抑揚をつけると英語に聞こえる」
など、ホゥと思うことばかりでしたが、私が一番ビビッと来たのは
「聞けるようになるには、素振りのように毎日発音を反復練習する」という体育会系のアドバイスでした。
元来、頭よりも体が先に動くタイプなので、何も考えずに同じことを繰り返すだけなら続きそうな気がしました。
この時、すでにジャズチャンツは知っていたので、どの音が欠落するか、どの音同士が結合するのかは理解できていました。
本に付いているCDを聞いても、あまりにジャズチャンツと同じ音、同じイントネーションなのでうれしくなり、ジャズチャンツ好きの中学生の生徒たちにも本を買ってもらいました。
ジャズチャンツでは3~4語のフレーズをかたまりで練習しますが、この本のCDでは
例えば、「check it out.」を発音する時、「チェック・イット・アウト」からどのように「チェキラ」に変化していくのか、順を追って発音されているので、生徒たちも巻き込んで一緒に楽しく聞いていました。
そして一通りの練習を終えた時、つまり読み終わった時には、「英語のリズムとイントネーションが自然に身に付く」というジャズチャンツの絶大な効果を理解できたことが一番の収穫だった、と思いました。
そして、その後は日本人の先生に付いてジャズチャンツのトレーニングを本格的に始めました。
その時に言われた「ジャズチャンツが出来るようになるのが目的ではない。自身の英語を向上させることが本当の目的。」という言葉は今もずっと頭の中にあります。
しばらくして、トレーニングの効果はあらゆる場面で表れました。
ひとつは、自分の教室でのレッスンが楽になりました。
例えば、リーディング教材についているCDを使わなくても、自分で正しく読めるようになりました。
また、自分で読むと生徒のレベルに合わせて日本人の耳にわかりやすいように長い文章でも区切って読めるので、生徒もCDよりも私の読み方で聞いた方が意味をつかめると言うようになりました。
当時通っていた英会話レッスンでも、アメリカ人の先生の英語を日本語に置き換えなくても理解できるようになりました。
毎朝聞いているラジオの英会話もテキスト無しでもシャドウイング、ロールプレイが出来るようになりました。
難しいと思っていたラジオビジネス英語も楽しく聞けるようになりました。
これだけでも、自分ではジャズチャンツのトレーニングの効果に十分満足していました。
ここから本題です。
今回また読み返して、やはり面白かったのですが、何よりも驚いたのが、
最終章の「TOEIC受験のすすめ」という項目に
「発音の練習をして英文を読むスピードが上がってきたらTOEICを受けましょう。
リーディングの得点が上がるだけでなく、リスニングで満点が取れます。」という文がありました。
きっと最初に読んだ時には、「そんなことは自分には絶対に起きないだろう」とまるで他人事のように感じて忘れてしまっていたのだと思います。
しかし、特にTOEIC対策をしたわけでもないのに、2年前に受けた4回目のTOEICで、なんと本当の本当にリスニング満点が取れました。
試験中、自信がなかったのは一問だけで、とにかく解いていくのが楽しくて仕方なかったことを覚えています。
でもきっとまぐれ?
いや、まぐれでもうれしい。
これでもう、私は本当にジャズチャンツに出会えて良かったと心の底から思うようになりました。
長くなりましたが、これが私が皆さんにジャズチャンツをお勧めする理由のひとつです。