オノマトペの楽しさ | I Love Jazz Chants

I Love Jazz Chants

日本人英語講師が「ジャズチャンツ英語教授法」の魅力についてお話します。

テキスト   Jazz Chants Fairy Tales

作品         The Three Billy Goats Gruff

 

 

私がジャズチャンツを好きな理由のひとつは、「劇作りが出来ること」です。

「英語で演じること」の効果は広く知られていますが、私が実際に体験したことは、まず役になりきることで自分の言葉として英語が使える、感情を込めて覚えた英語表現は記憶に残る、相手との言葉のやり取りは言語習得に役立つ、などがあります。

 

小学生クラスでは、毎年ひとつのジャズチャンツ劇を仕上げて、発表会やチャリティーイベントで発表してきました。

テキスト「Jazz Chants Fairy Tales」には、古くから西洋に伝わる7つの物語がジャズチャンツになって収録されています。

 

 

どのお話も、全てがチャンツになっている訳ではなく、ナレーションと台詞は話し言葉、コーラス部分がチャンツになっています。

もちろん、ナレーションと台詞は日常生活ですぐに使えるので、ぜひ覚えておきたいものばかりです。

劇作りの効果が感じられるのは、この部分からですが、それとは別にコーラスの部分が場面を盛り上げて、とても楽しいのです。

 

特に「The Three Billy Goats Gruff」のコーラスは英語の持つ音の楽しさが詰まっています。

これは日本語でも「3匹の山羊とがらがらどん」で良く知られているお話で、

教室でもとても人気があります。

ただ、全編を演じることは、達成感は得られますが、時に負担になったりもします。

そこで、ひとつの場面のチャンツを取り上げるだけでも英語の楽しさは味わうというのはどうでしょうか。

まず今日は、この作品の中のオノマトペ(擬音語)の部分だけを紹介します。

 

3匹の山羊が登場するシーンでは、足音がオノマトペになっていて、効果音の役割を果たしています。

演じている小学生だけでなく、見ている幼児も楽しむことが出来ます。

 

子ヤギのLittle Billyが登場するシーンのコーラスは

Pitter patter

Pit pat

Pitter patter

Pit pat

Pitter pitter patter patter

Pitter pat pat

 

それぞれの子音と母音がくっついたり、tの音が欠けたりするので、発音するときは

「ピタパタピッパ、ピタパタピッパ、ピティピティパタパタ、ピタパッパ」となります。

速いテンポで、小さなつま先で歩く感じです。

 

中ヤギのWillが登場するシーンでは

Rat-a-tat-tat, Root-a-toot-toot.

Rat-a-ta-rat-a-tat.  Root-a-toot.

「ラタタッタ、ルタトゥットゥ、ラタタラタタ、ルタトゥットゥ」

しなやかで軽いステップのイメージです。

 

大ヤギのBillyの登場するシーンは

Clump, clump, clump.

Bumpety, bump, bump.

Here comes bill.

Bumpety, bump, bump.

「クランプ、クランプ、クランプ、バペティバンバン、ヒアカムズビル、パペティバンバン」

となります。

遅いテンポで、大きな足音を立てて歩いてくる感じです。

 

ずいぶん前の動画ですが、一部アップします。

 







 

 

 

私がオノマトペに興味を持ったのは、小学生がこのコーラス部分のチャンティング練習をしているのを聞いた幼児が、チャンツに合わせてステップを踏んだり、足音を立てたりしているのを見た時です。

音を聞いてイメージ出来るのが、まさにオノマトペの効果なのだと実感しました。

 

初めてこの作品を取り上げた時は、この部分にしか興味がわかなかったのですが、何度も取り上げるうちに、本当におもしろい部分を見つけました。

それはまた次の機会にお話します。