ピアノ……
ピアノが弾きたい…
ピアノ……
ピアノは何処じゃ〜〜〜!!!!!
…と、もはや夢の中でもピアノを探すほど、私はピアノに飢えていた。
メルボルン旅行、ついに最終日の朝になってしまった。
昨日、図書館を後にしたあと急な発熱に危機感を覚え悩んだ挙句、夕方にはホテルに帰ってそのまま熟睡してしまった。
なんという痛恨のミス!!!
ストリートピアノが沢山あって、ストリートライブも国からちゃんと認められていて
なんて音楽活動のしやすい最高な街なんだ!と思って
一回その街を見てみたい!あわよくばライブをしてみたい!と思って胃腸炎後のズタボロな状態で日本から海を渡ってきたのに…
私はついに、運に見放されたのか…??
実際にストリートピアノがある(とされている)場所をお手製の地図にして持ってきてたんだけど、中心地にあるはずの場所7箇所のうち6箇所が全滅…
さすがに心折れかけていたけど、とりあえず一縷の望みをかけて今から残りの1箇所に行ってみようと決めた。
諦めたら試合終了!!(byスラムダンク)
それでもし、そこのピアノもなかったら、人伝てに教えてもらったセントキルダというローカルな町のいい感じのピアノバーに行ってみよう。
噂によるとその手のバーは、客寄せの為にピアノ弾きを歓迎してくれる場合が多いとのこと。そこならピアノを弾かせてくれるかもしれない!
幸いにも熱も下がり、今日は昨日よりいくらか暖かいので急いで支度してホテルを出発した
まずは、シティの最後のひとつのピアノがあるとされている裁判所前に到着。
ん、裁判所前!?こんなところに本当にあるのか!?
ビシッとスーツを着た人たちや、地元の TV局らしいクルーもおり、完全に場違いな私はちょっと好奇な目で見られていた。
が、怯んでる場合じゃない!
ちょっと怖そうな警備員らしきおじさんに地図を見せ、ここにピアノはあるのか?と尋ねてみた。
おじさん👨🏻✈️「Oh,yes yes!」
私👱♀️「えっ!まさかあるの!?本当に!?」
おじさん👨🏻✈️「あぁ確かにあったよ以前はね。でもあのピアノは今年の6月までの限定で置いてたんだよ」
私👱♀️「…」
その情報、更新せんかい
悲しきかな、さすが外人。いや、おじさんは何も悪くないんやけどさ。。
話によると、どうやら中心地にあるはずのピアノはほとんど期間限定で6月まで置いていたものらしい。
そうか…。そうかい。
ならもうここには用はないさ。私が向かうべきはセントキルダだ。
まだ時間はある。
待ってろセントキルダ!!!
というわけで。
すっかり乗り方にも慣れたトラムに飛び乗り25分程ガタゴト揺られていると、街並みはどんどん田舎になり、車窓の外にはおもむろにビーチが現れた。
なんだろ、この安心感、懐かしい感じ。
あ、そっか。この景色、海の近くの実家と似てるからだ。
やっぱり海っていいな。
さっきまで、結構凹んでいた心が急に現れた穏やかな海のおかげですっと軽くなった。
そうだ、元気を出そう。
きっと少しぐらい、いい事があるに決まってる。
そうこうしてるうちに、トラムは目を疑うほどとんでもない鮮やかな建物の前に停車。
大勢の乗客が一斉に降りたのでつられて降りてみると、、
ググってみるとここは世界一映えると有名な遊園地(ルナパークという名)のようで
確かに中高生ぐらいのboys&girlsやfamilyたちが吸い込まれるように口の中に入っていくではないか!!
ちょっと寄り道したい気もしたが、残されたわずかな時間を無駄にはできないためとりあえずピアノバーに向かう!(中めっちゃ気になるけど)
せっかく知らない町に来たんだし、そのお店はここからでも歩いて行けない距離ではないので散策がてら歩いて行く事にした。
セントキルダは、都会のシティとは打って変わってスローな時間が流れるのんびりした町だ。
さっきのビーチにしても、観光地!って感じではなく、地元の人たちに愛される気取らない感じだったし今度はぜひ、ベストシーズンにゆっくり訪れてみたいなぁ。
というか、、私もしかして道を間違えたかしら?
さっきからずっと住宅街で、到底目的地のお店があるような繁華街が出てくる気配はないんだけど…
と思ってたら急に道が拓けて、いきなりヤシの木がそびえ立つハワイのような繁華街が現れたではないか!
目的のお店が開くまで、近くのカフェでまたHot teaを頂く(コーヒー飲めよ)
そして15時頃にようやく目的のお店を見つけ入店!
逸る気持ちを抑え店内に入ると、どうやらここの店主であろう恰幅のいいマダムが開店の準備をしていた。(なんかちょっと癖ありそう)
しかし怯まず話しかける!
私👱♀️「もうお店は空いてますか?」
マダム👩🏽🦱「(私を一瞥して)yes」
私👱♀️「じゃあ、えっとコーヒーか紅茶はあります?」
マダム👩🏽🦱「うちはバーなんだからそういうのは置いてないよ。ミルクが飲みたきゃ隣の店に行きな!!(と私には聞こえた)」
私👱♀️ 「❗️❗️」
なんだか顔の怖さもあいまって怒られたような気がしたが(確かに最もだけど)、ここまできてすごすごと引っ込む訳にはいかないので再チャレンジ!
私👱♀️「わ、わかりました、ごめんなさい!ちなみに私ミュージシャンなんですけど、ここでピアノ弾かせてもらえたりしますか!?」
マダム👩🏽🦱「うちはオープンマイクはやってないよ。それに今日は16時〜と18時〜ライブが入ってるから無理だよ!」
👱♀️「…」
オワタ…
今度こそ本当に終わったのだ…
結局ピアノを弾けずに私はこのまま…
そんな絶望的な気持ちで店を後にしようとしたとき、このやりとりを見ていたバイトらしき外人の男の子が声をかけてきた。
バイト🧑🏼「君、ピアノが弾きたいの?」
私👱♀️「そうやねん…、メルボルンにはストリートピアノがいっぱいあるって噂を聞いてやってきたんやけど、誰に聞いても見つけられなくて…泣」
そうすると、彼から思わぬ情報が。
今まで探した6箇所のひとつに、ストリートピアノが設置されているというのだ。(一週間ほど前に見たと言うから間違いないとの事)
いやいやそこはもう、すでに誰かに聞いて無いって言ってたし……
…いやちょっと待てよ、
もし、その時聞いたやつが最近メルボルンに移住してきたやつなら?
このバイト君もアテにならないかもしれないがもう一度確かめに行く価値はあるかも…!!
どうせ今夜もう帰国するんだ。
私は一応その場所をメモして、彼に礼を言いセントキルダを後にした。
シティにつき、そろそろ日が暮れ始めたころ。
もう、これでピアノをみつけられなくてもきっと笑い話にできるだろうと自分に言い聞かせながらメモを辿り、ついにその建物の前に到着。
建物の外周にやはりピアノの姿は見えない。(やっぱりね…)
が!その時!!
どこかからピアノの音色が聞こえてきた!!!
まさか、、!!?
建物の反対側にまわると……
弾けた…!!!
弾けたよーーー!!!!泣
残念ながらこの時には充電切れで動画は撮れなかったけど、この演奏後にひとりの外人女性がAmazing!!!と声をかけにきてくれて、
その後も演奏を聴いていた人だかりの何人かの外人と拙い英語で話しハグをし、またメルボルンにライブをしに来るからと約束して別れた。
それから慌ててホテルに戻り、荷物をパッキングして空港へ✈️
いやはや…。。
なんだか夢見たいな4泊6日だった。
この旅を通して学んだ事はほんと数え切れないほどある。
大好きなお酒もコーヒーもほぼ飲めず、グルメも全然堪能できなかったけど、ひとつだけはっきり言える事は
目的を果たすためには決して諦めないこと
そして心が折れそうな時は、ZARDの「負けないで」を心の中で歌うこと(これまじで励まされた)
メルボルンはこれから、長い冬を越え、春を迎える。
きっと次こそ健康な体でベストシーズンにやり残したことをしに私はまた戻ってくるだろう。
人生はなかなか思い通りににはいかないけど、それこそが人生の醍醐味だと思えた束の間のメルボルンinオーストラリア🇦🇺
これからオーストラリアに向かう人はどうぞ、目一杯あのステキな街を楽しんで!!!
Have a good trip!!
※おまけ※
今回のメルボルンでハマったお菓子