こんにちは、Sarahです。

大手住宅メーカー勤務の
インテリアコーディネーターです。

住空間を通して
人を幸せにする職業
インテリアコーディネーターです。

インテリアに興味があり
自宅をお洒落にしたいと思う方に
インテリアのプロとして
ちょっとしたコツをご紹介していきます。

インテリアはセオリーを理解する
時にはプロレベルの成果を得ることができます。
難しく考えないで、まずは私がご紹介する
理論に沿って実践してみてください。

〜「ヒュッゲ(Hygge)」
                               を考える〜

NHK総合木曜日午後10時30分から放送している
「世界はほしいモノにあふれている」
という番組があります。
MCがJUJUさんと三浦春馬さん。

4月18日の放送は
「心地良い暮らし」
北欧照明を探す旅〜デンマーク〜でした。

ルイス・ポールセン本社入り口に展示されていた
アーティチョークのオブジェ

番組の中でも何度も出てきた言葉が、
デンマーク語の「Hygge(ヒュッゲ)」
「心地良い時間、空間」と訳され、数年前から
書店に1つのコーナーを持つくらい普及してきた
言葉です。

番組の中でも紹介されていましたが、
デンマークでは空間に心地良さをもたらす最も
大切なものこそが、照明器具の存在です。

私もインテリアで一番大切なものは、
自然光、人工光を含めた光の存在だと
考えています。

中央がポール・ヘニングセンがデザインした
PHアーティチョーク
奥にあるのが日本人デザイナー内山章一デザインの
エニグマ
コペンハーゲンにあるルイス・ポールセンの
ショールームにて撮影

「北欧照明を探す旅〜デンマーク〜」

以下、番組の中で印象に残った言葉です。

夕暮れが長いので、
すぐに暗くなるわけではない。
日の光がある中で、
段々とゆっくり暗くなっていく。
その時間帯、最初に窓際の明かりをつける。
突然暗くなることがないよう
自然に馴染んでいくように。
大切なのは明かりを灯す場所
人のまわりを囲むように明かりを置いて
部屋の親密度を高めることが大切。


とは言え、日本では今でも隅々まで明るさを求める
全般照明計画が多いのも事実です。
さらに近年では、明るさだけでなく、
省エネなどの機能性もより重視されるように
なりました。
デザイン性のあるものに対しても、LEDランプに
交換可能かどうかも、器具選びの大きなポイントに
なりました。

さて、ヒュッゲの国、デンマークの
コペンハーゲンで私が食事をしたレストランは、
店内のあまりの暗さに違和感を感じました。
違和感というより、ヒュッゲとは真反対な
居心地の悪さでした。

天井だけでなく、壁面にも照明は一切なく、
テーブルの上に小さなキャンドルだけが
置かれている状態では、メニューを読むことが
できません。
料理が運ばれてきても、まだ目が慣れず、最後まで
何を食べているのかわからない状態でした。

一緒に行った息子は、自宅が明るすぎるから
より暗く感じるのでは?とあっさり。
彼は特に不自由を感じることなく、すぐに目が
慣れて食事ができたそうです。
自宅リビングの5灯あるスポットライトのうち
2灯はなくてもいいと感じているそうです。

番組に感化され、次の日、夕暮れの時間を長く
楽しむことにしました。

リビングの照明を日が沈みきるまで
つけないことにトライしてみることに…
少し、やせ我慢です。

目が慣れてくると、日が落ちた後も、
ずいぶん長い時間を、窓際近くのフロアライト
のみで過ごすことができました。
家に一人でいる時、息子はいつもこの状態で
過ごしているそうです。


『心地良い空間』をヒュッゲ呼びます。
ただ、心地良いと感じるポイントは人それぞれ
ではないでしょうか。

年齢も関係してきます。
焦点を合わせることだけでなく、
暗闇に慣れるまでにも時間がかかります。
息子たちに比べ、私はあまりにも暗い空間には
心地良さを感じることができなくなりました。
メガネをかけても読めなかったメニューを
出すレストランにヒュッゲを感じることは
できません。

繰り返しになりますが、インテリアで一番
大切なものは光の存在です。
影は光の存在を饒舌に語り、示してくれます。
そのバランス比率によって心地良さは、
変わると思います。
夜、隅々まで明るく照らす照明計画が
間違ってるわけではありません。

日本の住宅は明るすぎるという意見もありますが、
心地良さは人に押し付けられるものではない。
と私は思います。

ヒュッゲ(Hygge)と言う言葉を一時的な流行りに
留めるのではなく、考え方を理解し、自分なりに
消化することでインテリアに活かしていこうと
思います。