
【勝手に星付け@映画】
2つの名前を持つ少年 ★★★★★
ー走れ!走って逃げろ!ー
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ユダヤ人強制居住区から脱走した8歳の少年スルリックが、ドイツの迫害から逃れるため、たった一人で逃亡の旅に出た少年の実話です。
生きるために名前をユレクに変え、信仰を偽り、飢えと寒さに耐え、彼は孤独で危険な旅を続ける。
架空の身の上話をでっち上げ、はじめは優しくされても、ユダヤ人だとバレれば追い出される旅。
あまりの過酷さにほんと観ていて胸が苦しくなりました。これがもし甥っ子だったら…、姪っ子だったら…そんな想像をしては涙に暮れました😭
だってまだ8歳ですよ。ドイツ兵に銃口をむけられ、蔑まれ、殴られる。ドイツ兵だけではない。ポーランド人だって同じような人もいる。
でもユレクは諦めないんですよねー。絶望もしない。きっと生きのびるんだ!という強い想いがある。
つぶらな瞳が哀しみに歪むたび、おばちゃんまでオイオイと泣いてしまいました😭😭😭
血が違う、色が違う、言葉が違う、国が違う、信仰が違う。
そんな些末なことで、8歳の少年が銃口をむけられるなんて許されるわけがない。
ラスト、すべてのピースがはまったときは、もう切なくて切なくて切なくて切なくて切なくて切なくて切なくて。
とても、残酷で過酷で腹が立つ映画です。
しかし語弊があるかも知れませんが、同時に私はとても優しい映画に感じました。
ゆく先々で、ユダヤ人だと分かっていながらもかばってくれる人々。あたたかいスープと、寝床をくれる人々。
彼はたった一人で生き抜いたんじゃない。たくさんのあたたかい手があったからこそ、生きのびれた。
だからこそ、彼はきっと優し視点で自伝を書いたのだろうと思う。
つらくて目をそむけたくなるようなシーンもありますが、一見の価値はあるかと。
私は、過酷な現実の中にも、たくさんの愛と希望を観た映画でした。