私がその人と出会ったのは中学1年生。
私は男子が苦手でなかなか喋れないままだった。『ある事』 いや 『ある事件』といってもおかしくないかもしれない。
それから私は少しずつ喋れるようになっていった。
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私が言う『ある事件』とは、文化祭の事だ。
私は実行委員会に入っていて
舞台の進行役を任されていた。
進行役と言ってもアナウンスは放送部の役目なのでしないはずだ。
役目はひな壇の片付けとかだ。
もう一人の男子は‥私の憧れていた同じクラスの人
仲井智也だ。
因みに私は稲川彩華。
進行役はリハーサルと本番しか出番が無いため普段は色々な仕事を手伝っていた。
そんな中、男子が苦手な私は、重い荷物を1人で持っていた。
男子にとっては軽いだろうが、吹奏楽部の私は力が余りなく
凄く重く感じた。
その物を持って階段を降りていると 危なそうに降りている私にみかねてか、仲井君がパッと荷物を変わってくれた。
「ありがとう‥」
「稲川は力ねぇんだからペンキのとこにいっとけ」
「わかった」
少しぶっきらぼうだけど仲井君の優しさが嬉しかった。