義母がリハビリ先へ転院する前に、

私は一度、ショートステイにいる義父に会っている。

 

義母が退院するまでのそこそこの期間、1か所でずっと、ができなかった。

途中で、もう一つの施設へ移動して、また戻る。

 

普段は家から歩いて10分ほどの場所だが、

移動先は歩いたら、、30分くらい?

家族の付き添いが必要。

 

平日の移動だったので、私が連れて行くことにした。

そして義父の兄弟が車出してくれた。

 

ありがないのは、義父は私のことは忘れることがほとんど、

義母や息子(私の夫)、自分の兄弟のことは大抵はわかる。

 

はっきりわからないときでも「自分にとってごく近い存在」とはわかる。

 

なので、おじさんがきてくれたのはたすかった。

 

私が先に現地につき、義父がスタッフの方と一緒にやってくる。

ちょっとぼーっとした感じではあるが、

 

私が「義父さん!おはよー!」と元気よく声かけたら

義父はゆっくりだが、にこーっとした。

私のことはわかっていないだろうが、穏やかな感じだ。

 

おじさんが来るまで待たせてもらった。

義父は目の前にうつる光景を言葉にしたり、文字を読む傾向がある。

私より目が良い。漢字も読める。

 

義父「お、、ひなさま、、イベ、、ント、、午後、、1時、、なんだねえ、」

私「ああ、そうなんだねえ、おひなさまだねえ」

義父「(窓の外を見て、近くの園児が散歩してる)ああ、かわいいねえ、、こどもたちがたくさんいるよ」

私「うん、かわいいねえ」

 

ほのぼの。

 

おじさんがやってきた。

おじさん「お!お兄ちゃん!」

義父「おお、おまえかー(にこにこ)、最近良く会うなあ!」

注)久々の再会である

 

明らかに義父の反応が変わる。

 

おじさん「よし、車持ってきたら、出かけるよ!」

義父「そうか、もう出かける時間だね。行こう」

 

素直に応じる。

 

そして車で次の施設へ移動。

初めての場所なのか、ちょっと不安そうな感じが出てきた。

 

諸々手続きして、施設内を私たちも案内してもらい、

皆が普段集まる食堂で、

さて、私たちは行こうかな、、とは思うのだが、

義父はちらちらこちらを見て、「いつ行くの?そろそろ?」と何度も。

自分も一緒に行くものだと思っている。

 

おじさん「兄ちゃん、俺たち車見てくるから、行ってくるよ。そこで待ってて」

 

そこで側にいたスタッフさんがささっと義父に、

「飲み物いかがですか?」と声をかけ、

こちらに目配せ。私たちはそっとお辞儀をしてその場を去った。