本当に合格?

 

学科試験をやって、

「条件付き昇段合格」

になってから1週間。

何の指示もないのが不気味です。

 

「昇段おめでとうございます。

要確認、という条件つきですが、

我々指導員は、どうご協力すればいいのですか」

とマッスル先生。

「まだまだ合格とは呼べないです、

どんなドンデン返しがあるかわかりませんから」

と私。

「たぶん、何か約束組手を撮影して送るんだと思いますが、

よく分かりません。

もしかしたら、お手数をお掛けするかもしれませんが…」

「了解しました」

 

かつては十人組手などをやっていたそうですが、

近年は稽古体系も一新し、

昇段審査も毎回のように、

色々やり方が変わっている。

師範曰く、どんどん厳しくなっている驚きそうで、

今は動画撮影したもので精査できますし。

でも結局、組手七割なんだな。昔も今も。

それも勝てばいい、押せばいいって事ではなく。

 

「先生、審査成績が出ているんですけど、

あんまり良くなかったんです。

もう一度審査を受けた方がいいですかね」

線路際の道をたどりながら言うと、

「うーん。

これはF先生がおっしゃった事ですけど。

 

『昇段した時ではなく、次の二段を受ける時になって

初段の実力がついていればいい』

 

そういうものじゃないですか」

「……」

私は恐らく、二段など受ける事はできません。

けど、そういうお話ではない、

というのは分かります。

 

師範はうまい人を見ても下手に思えるお方ですが、

私などは本当に、絶句するほど下手で、

センスがなさ過ぎて、

どこをどう直せと言えない程、らしいです。

今回の成績だって、かなり好意的だと思います。

サボっている若者なら逆にいいけど、

大真面目にやっているのをご存じなだけに、

お困りだろうなぁ。

天才がいるんですから、

こういう破壊的下手の天才だっているわけです。

数年やって全然ダメ。

ならば、ずっと落とし続けるしかないのに、

(だって組手の実戦7割ですから。

型や基本を最低限こなしても足りませんよね)

何で「審査を受けろ」と言われ、

何で合格させるのだろう?

 

もし、はっきり「不合格」ならば、

何度かトライして、落ち続けるなら、

「やっぱり下手の天才だわ」

で諦めもつくんですが。

 

この先、致命的な「格好の稽古相手不足」

でダラダラ稽古していたって…、

初段相応の実力がつくとは思えない。

 

苛立ち

やっぱり、どこか苛立っているのかもしれません。

 

午前稽古では、いつものY総帥がお休みなので、

代わってM先輩がご指導されました。

珍しく小学生の子も参加していたので、

柔軟な子供がマスターしやすそうな、

裏回し蹴りを教えて下さったのですが。

 

柔軟じゃない私は、

覚えても使いこなせないので、乗り気ではありません。

ポロッと言ってしまいました。

「これ、使えるんですか?」

「某有名選手はこれでKOしていたよ」

冷静におっしゃるM先輩。

かなり生意気な発言ですよね、自分でもそう思いました。

 

いや~、組手になったら、

出るわ出るわ、裏回し蹴り。

すみませんすみません汗汗

足ビンタが、いきなり目の前に来たら嫌ですね。

生意気言ってすみません。

とにかくブロックしながら、

先輩の裏回し蹴り側の脇に中段回し蹴りを返そうと、

頑張っていたんですが、

痛めている所へ下段をもらったりで、しんどい。

 

「やっぱり前から痛めていた?」

 

でも、あんまり「どこをケガしている」

等、練習中に聞かれるのは好きじゃないんです。

本当に酷かったら最初に自分から言うし、

多少のけがはもう、肘から足首まであり過ぎて日常。

でも、痛い反応をすると色々聞かれてしまう。

力加減さえしてくれたら、もう放っておいて欲しい、

と思うのも身勝手なのかもしれません。