型試合。

初戦敗退です…。

 

Bクラス(緑帯、茶帯)10人。

子供ばかりですし、勝てば次(準決勝)に行ける、

何とか1回くらいは勝てると思ったんですが、

甘かったですね。

平安5 いや緊張しました。

緒戦が通らず、次の敗者復活戦で1人拾われる、

ここで(安三にしようか)

と迷うも、水曜日クラスで時々やっている平安2にしました。

力み過ぎたみたいです。

後でY先生に言われました。

「急がずにやるべき。好きな型と点を取れる型は違うものだ」

あえなく午前中で出番が終わったので着替えて、

午後はP先生や、他道場のWさんを応援することに。

 

Wさんは年齢も入門年度もほぼ一緒なので、

私が勝手に「同期」呼ばわり(笑)しています。

向こうは数カ月早い私を一応<先輩>と言って下さるんですが、

「先輩なんて言ったら二段蹴りよ?

 …できませんけどっ!」

はるか昔、いつも支えになったのは同期でした。

だから無理やり?でもそう呼びたい。自分の道場にはいないし。

 

私より真面目で、仕事の合間にも型の練習をしているだけあり、

先日特別稽古で見た時、ぐっと上達していたので驚きました。

今回も緑帯のCクラスで1度落ちたものの、

敗者復活戦を突破、偉い。

そして勝ち上がって準優勝! おめでとうございます。

 

今年の試みとして、「観空」トーナメントが始まり、

誰でも出たい人は挑戦していいのです。

わが道場からは少年部指導のP先生、

でも対する相手が優勝候補のEさん、分が悪かった。

2人ずつやって、3人の審判の票を多く得た方が勝ち上がる。

緑帯のWさんも挑戦しました。

「自分のは、なんちゃって観空ですよ」

と言いつつ、練習の跡が感じられます。

が、途中でグラッとなぜかバランスを崩したのです。

(???)

この時、20年来の腰痛が響いた、そうです。

 

「昨日も整体マッサージを受けたんですが。

運動すると次の日痛みます。きっと明日も。

騙し騙し、ですね」

 

………。

 

恥ずかしくなりました。

ケガまみれ、今日も先輩方に「ケガは」と聞かれるほど。

夏の膝痛で精神的に参ってしまっていたけど、

それにしたって、私は委縮し過ぎていました。

Wさんの腰痛の方がずっと重症なのに、

しっかり頑張って上達しているし、意欲もある。

 

痛いから。

若くないから。

そればっかりで、ここの所私は、

<無理だ><無理だ>と自分を縛り過ぎていました。

 

「佐良さんはもっと長い型をやったらいいかも、

平安だと一瞬で終わってしまうでしょう。

観空トーナメントに出れば良かったのに」

とY先生。

「いやいや無理です」

(……でも、出てみたかったです)

 

確かに無理。けど、今となっては出れば良かった。

私の方がよっぽど<なんちゃって観空>だろう。

優勝のH君、準優勝のEさんを見れば、歴然と差はある。

ちなみにどちらも10代。若! 

けど、そんなこと、問題じゃない。

ダメ元でも、<戦ってみよう>という気持ちだけで充分だった。

負けるのなんかわかってる。

 

開始前に師範がご挨拶で述べられました。

ーーー勝ち負けではありません。

試合ではどんな不測の事が起きるかもしれない、

どんな状況でも、負けるかもしれないと思っても、

力の限り出し切る事が大事です。

そして、挑戦する勇気。ーーー

 

時間的にも体力的にも気持ち的にも、いっぱいいっぱいで、

余裕がなかったんですけど、やっぱり「挑戦する勇気」

だけでも、持てば良かったな。

いい機会だから。

体が、始めた当初よりも動かなくなっている、

けれど体だけじゃなくて、気持ちまで縮こまっていますね…。

Wさんを見ていると、自分自身がよくわかる。

 

我々の所に、M先生が来て下さいました。

道場は違いますが、いつも福の神のようにニコニコして、

親切かつ上手に色々な事を教えて下さるんです。

「こうすれば、もっと良くなる」

という体の基本的な使い方を、熱く伝えようとされる。

 

そういった<熱さ>に、温められる。

動画やテキストでは絶対に伝わらない。

 

「後ろ足を我慢してでも張ってその力をグンと…、

あ、イテテ、イテテ」

M先生は膝がお悪いんです。

前にも稽古中に肉離れレで苦悶されていました。

 

博識で強い先生でも、弱い下手な佐良でも、

皆、痛みを持っている。

私一人だけ大層に囚われ過ぎ。

(でも確かにいちいち痛いんですけどね…( ;∀;)

 

そして、勝ち上がる子供達(ほとんど子供の大会でした)、

皆、素直に教わったことを出せるし、

力みはないのに、のびのびと力を伝えられる。

頭も体も柔軟だからです。

あと、今時の子供達は鏡ではなく、

動画で自撮りして、動きを直しているみたいです。

たいてい熱心な親御さんがいて、

一緒にコーチしているし。

 

欲を言えば、

試合は複数の審判の先生が細かな採点表をつけ、

それを集計しながら勝敗を決めるんですが、

(観空トーナメントだけ、3-0みたいに多数決)

その採点表こそ、最大の宝なんですよね。

当人に後で下さらないかなぁ。

 

最初は(悲しい)(悔しい)(つまんない、もう帰りたい)

だったのですが、

<同期>や先生方とお話ししているうちに、落ち着き、

(さて、稽古方法を考えなくては)

と。

閉会式で師範が言われました。

ーーーある雑誌の取材を受けた。<日の丸を背負った人達>

私は過去4回、世界大会に出た。日の丸を背負ったわけだが、

若かった昔は(日の丸じゃなくて、自分自身のためにやるんだ)

と反発心があった。ーーー

いかにも向こう気の強そうな、若い頃の師範らしいです。(失礼)

仲間、家族に支えられ、戦う。

日の丸と言うけど、そういう事だと。

 

いっぱい、いっぱい、

自分のダメな所を痛感した一方で、

せめて必死でやっていく弱者に、

温かく厳しい人達はそっぽを向いたりしない、って嬉しかった。

 

だから辛くても、やめたいと思わない。

 

いや、本当は試合前思っていたんですよ。

仮にも伝統派(型を多くやる)出身者で、

いい大人が、子供に緒戦でボロ負けするようでは、

組手だって上達はしないし、これだけ稽古していて意味がない。

ただでさえ加齢で動けないし、覚えが悪い。

きっぱり、<やめよう>って。

ってコレ、負けるわけないって過信していたからですが。

 

強くもうまくもなれず、いたずらに無意味な稽古ばっかりして、

バカじゃないの私。

やめて、昔の知人がやっている所でのんびり楽しく練習しようかな、とか。

でも、普通にまた稽古に行く事しか頭に浮かばない。

やめたくないんでしょ、私。

 

ただ、やり方は本当に変えないとね。

 

帰りの電車で何だか泣きたかったんですが、

ふと窓に貼られている小さな広告が、目線の位置に。

言葉は違いますが、

   <模試の結果より、そこからどう考えるかだ>

という意味の、文字だけのもの。

普段なら(いい事言うね)位の感想ですが、

しばらく見入ってしまいました。