この道場に来て思う事。

「私は、初心者ですってばー!」

 

だって皆さん、必ず、絶対、「前に何かやっていましたか?」

と尋ねて来るんだもん。

 

運動経験のことをお尋ねだとはわかるんだけど、

正直30年ほど前の部活経験を挙げる気にもなれない。

「平安(へいあん)」型さえ、ほとんど忘れているくらいですから。

まして、大学時代特記するような実績もないんですし。

極真と伝統派じゃまるで違うし。

なので初心者です、と答える。

自分としては、話はそこで終わりだ。以後一から教わりたいだけ。

でも結局色々聞かれ、答えているうちに、

「伝統派出身のオバサン入門者」になっている。

 

確かに動き、特に基本練習はどうしても以前の癖が出るけれども、

組手となれば、ただの初心者だと思うけれどなぁ。

ミットの持ち方がまずわからない。

当て方もわからない。表面で変な方向にすべっているし。

下段なんて蹴ったこともなければ、防御全般やったこともない。

スパーも最初は、琵琶湖に放流された金魚のような気分だった。

約束組手が一番難しい。師範の思想が色濃いだけに、やたら動きも細かい。

全てにおいて「間合い」がつかめていない。

だって極真初心者だから。

 

アタシ初心者なんだからね、って甘えるつもりはないけど、

別に大昔の流派の代表選手でも何でもないんです…。

あまりに経験者として見られると、凄く違和感がある。

 

ただ言える事は、見るだけなら相当の試合数を見て来た。

仕事だから余計に緒戦からしっかり見て来た。好きだから熱意を持って見て来た。

運動は一切しなかったけれど、見ることで一種の稽古になっていた部分はある。

変な初心者が入っちゃってすみません、と時々思う。