以前、わたしは「おくりびと」のような仕事
「湯灌師」(ゆかん)をしていたのですが
その湯灌というお仕事について
またテレビ局からお問い合わせがありました。
今でも衝撃的に覚えている湯灌を
書いてみますね。。。
ある日 いつものように湯灌の会社へバイクで出勤すると
係長が 「たえさ~ん 今日はわけありやから、慎重にやってほしいねん」
と言うので
今回の内容ファイルを見ると
「自殺」の文字が・・・
ありゃ、
そうです・・・か・・・ ・・・。
係長 「行ける?
新人さんには任せられへんから お願い~」
私はちらっと係長を見て「了解しましたぁ・・・ 」としか言いようもなく。
補足しておくと、自殺だろうが 病死だろうが 別に区別をつけるわけではありません。
ただ こういう場合、 集まってこられる身内のかたがたの反応や
対処の仕方にいつも以上に 気を配らねばいけないので難しいのです。
さて、湯灌をすべく故人様のお宅に到着し、
準備を整え さあ始めましょう
という時に
どなたの 立ち合いもありません。
多くの場合、湯灌は儀式のひとつでもあるので
家族さまなどが立ち会われ、 湯灌を見ていたり
お棺の中に入れてあげたいものを用意していただいたりするのですが
今回は 私と相棒だけでたんたんと進められ
空気はどんよりしていました。
そして すべてのおしたくが終わり
式場へ故人様を運ぼうと家の外へ出たら
「お腹すいたわ~どっかへ食べにいこうよぉ♪」
という声がして 振り向くと何処からか親戚の方だろうか?が現れ
故人様を見送るでもなく
さっさと お食事に行こうとされるのをみて
葬儀社の担当さんが 思わず!!
「ちょっとだけ待ってあげてもらえませんか!
きれいになられた 故人様を 見送ってください!」
と、少~しだけ声をあらげ
言ったのです。
ちょっと、びっくりしたご親族は
ふてぶてとした表情でしたが 見送ることにしてくれたようです。
私と相棒は気を取り直し、 故人様を運ぼうとしたとき
ふっと 道路向こうを見ると
まっすぐ向こうに、きれいな夕日が見え
お向かいのお家から
夕食らしき 匂いが ぷぅんとしてきて
部屋にオレンジ色に電気がついていました。
道を挟んでこちらがわと、 向こうがわでは
同じ時間なのに、同じ時をすごしていないかのようです。
私は我に返り、たんたんと故人様を寝台車に乗せ
式場に搬送しました。
この一件は、
死ぬ一瞬前のことは
それまでの生き方で決まるのかもしれないと
考えさせられる出来事のひとつとなりました。
私は、 死ぬ直前には 「いい人生やったなぁ・・・」
と思いながら、死にたいといつも想っています。
それは、自分のまわりの人が亡くなったときに考えたり
ホスピスで 出会った方々を見ておもったり
湯灌で 感じたり。。。