ホスピス③金木犀さん | 疲れたひとマッサージへようこそ

疲れたひとマッサージへようこそ

大阪の八尾市で、リフレandボディオイルマッサージ のお店「サプナピ」をやっています。

サプナピの たえ です

私がホスピスへ行っていた時のことを、以前ブログに書いたものの、抜粋です。



疲れたひとマッサージへようこそ




今年の春 ホスピスにボランティアへ伺った日のお話しです。

この日観g氏さんにリフレをやってあげて欲しいとお願いされたのは

女性の患者さんばかりでした。


患者さんの一人、金木犀さんのお部屋に伺うと

ベットに仰向けになっておられ、か細い体に か細い息を
スースーたてて眠っていました。

「金木犀さん、こんにちは~
リフレの足のマッサージのものです~」



・・・・・・・・。




金木犀さんは、私の声にも全然おきません。
こんな時 私はいつもチュウチョしてしまいます。

夕べは痛みが出て眠れなかったんだろうか?  
気分が良くなくて寝てしまったんだろうか?
薬が変わったから眠いんだろうか?

とにかく今は起こしてもらいたくないのかな。


それともリフレを楽しみにしていて、起こしてほしいのかな




沢山のことを考えてしまうんです。

が、結局いつも「痛みで眠れなかったんじゃないかな」と強く
思ってしまい  起こさないでいることが多いです。









それで、金木犀さんも起こさずにお部屋を出ようとしていると
金木犀さんの娘さんが買い物から帰ってこられました。

娘さんは、2週間前から病院に泊まってお母さんの看病をされていたんです。
私は娘さんに「金木犀さんは眠っておられるので
よかったら娘さん リフレを受けてみませんか、
少し体が楽になりますよ」

と、リフレを勧めてみると、娘さんの顔が ぱーっと明るくなって
「ええ~  いいんですかぁ  私もいいんですか」

私「もちろんです、看病でお疲れでしょう 今はお母様は眠っておられるので
安心して受けてもらえますよ」





と、金木犀さんを起こさないようにと
壁にクレパスタッチで海の絵が描かれている レストルームに
椅子を並べて ハンドリフレをすることになりました。





娘さんの手をとって、ゆっくり  ゆっくり 反射区を刺激していくと
最初は黙って受けていた娘さんが  ぽつり ぽつりと
しゃべりだしたので、私は 手を動かすだけで 黙って聞いていました。

娘さんは、福岡に住んでいて 数年前からお母さんの病気が
気になっていたけれど、遠くてなかなかこれなかった
やっと 看病に来れたと思ったら もう長くないことを知って
家に帰る気になれない。

だけど、家も気になるし、 病院での寝泊りは本当にしんどいし
・・・・・・・。   でもお母さんが大好きだし・・・・・。

と話されているうちに  娘さんは ぼろぼろと涙を流し始め
4~5分泣いてしまった。




その間 私はただただ娘さんの手を揉み続けていると
しばらくして 娘さんは からっとした笑顔になって

「なんか  話をしたらすっとした
お姉ちゃんの手 あったかいから おばちゃん涙出たわ
びっくりさせたな ごめんね~」
と笑顔で言って  すくっと立ち上がり
さっき買い物で買ってきた 野菜ジュースを 私にくれた。


「お姉ちゃん 飲んで~  すっとした
もう少し頑張るわ
ありがとう、 また揉んでな~」  と笑顔で金木犀さんが眠っている
お部屋へ帰って行かれました。







私は 娘さんのお話しを聞きながら 本当は泣きそうになっていました。

だから ただ手を揉んでいることしか出来なかった私に

てが温かいって、 すっとしたと言ってくださったことが

少し複雑な思いになりました。

私は大したことはしてあげられません、   だけど少しほっとしてもらえて

ほっとしました。

金木犀さんの娘さんが  悔のない看病ができますように・・・。

あんまり頑張らず、 がんばれますように。