‐ 本ブログは 韓国ドラマ『六龍が飛ぶ』のあらすじを
解説を交えながら 「完全ネタバレ」形式で描いています
あらすじだけ読みたい方は
印の解説部分を無視してお読みください -
六龍が飛ぶ 5話 ![]()
(戦ではなく… 侵略でも征服でもなく… 新しい国を… 作る?
これは… 前代未聞の考えだ…!)
李芳遠(イ・バンウォン)が“新しい国”という考えに驚愕している同じ時
白允(ペク・ユン)の死が 洪仁訪(ホン・インバン)のもとに報告されていた
これにより 都堂(トダン)はまたしても紛糾し
真っ先に疑われたのは吉太味(キル・テミ)である
白允(ペク・ユン)の護衛武士イ・マンジョは太味(テミ)に続く剣豪
これ程の護衛武士を倒せる者は 吉太味(キル・テミ)しかいないと…!
※都堂(トダン):高麗(コリョ)後期の最高政府機関
これを静観する洪仁訪(ホン・インバン)は 道傳(ドジョン)の言葉を思い出す
白允(ペク・ユン)を殺すことにより
慶復興(キョン・ボクフン)と李仁謙(イ・インギョム)は 互いを疑い始めると
たった1つの疑念が膨らみ やがて大きな争い事に発展していくと…!
もはや成す術が無い仁謙(インギョム)は 洪仁訪(ホン・インバン)に相談する
仁訪(インバン)は 解決策を出す見返りに白允(ペク・ユン)の地位を得る
花事団(ファサダン)の大房(テバン) 草英(チョヨン)は
白允(ペク・ユン)を殺したのは吉太味(キル・テミ)ではないだろうと推測する
もちろん仁訪(インバン)でもなく 実のところ把握しかねているという
批国(ピグク)寺の適龍(チョンリョン)も分からないようなので許して欲しいと
松岳(ソンアク)の二大知財商人が分からぬなら 諦めるしか無いと
仁謙(インギョム)は 引き下がるしかなかった
※知財商人:情報を売買する商人
その批国(ピグク)寺に 洪仁訪(ホン・インバン)の姿があった
仁謙(インギョム)と同様に 情報を得ようと訪れたようだが
適龍(チョンリョン)もまた同じことを言う
花事団(ファサダン)の草英(チョヨン)も分からないようなので許して欲しいと
ただ… 適龍(チョンリョン)は 今回の事件の犯人は
政(まつりごと)とは無関係の者の仕業ではないかと推測した
それを受け 仁訪(インバン)はある者の顔が浮かんだ
島流しから解き放たれ 既に数か月経っている
『鄭道傳(チョン・ドジョン)の行方を調べてくれ!』
一方 李芳遠(イ・バンウォン)は衝撃を受けていた
国を正すとか国を乗っ取るという話ではなく 国を作るという発想に驚いていた
今こそあの者に会いたいと願う あの鄭道傳(チョン・ドジョン)に…!
洞窟の入り口に貼り紙した男の行方も知りたかった
貼り紙には 白允(ペク・ユン)殺害は道傳(ドジョン)の指示のように書かれている
あの男に会えば 鄭道傳(チョン・ドジョン)に辿り着くような気がした
吉太味(キル・テミ)が 白允(ペク・ユン)の検死に来ていた
芳遠(ドジョン)は 成均館(ソンギュングァン)の儒生に交じり静観する
儒生が聞いた物音は 刃がぶつかる音が3度
これにより太味(テミ)は 善味(ソンミ)の仕業ではないと確信した
兄弟の善味(ソンミ)なら瞬殺で仕留める筈だと
他に思い浮かぶのは李芳雨(イ・バンウ)
剣の名手とされる芳遠(バンウォン)の兄だ
すると儒生の中から殺母蛇(カチドッサ)の仕業では?という声がする
もうひとりの儒生がバカな話を…と否定するが 今はどんな情報でも仕入れたい
殺母蛇(カチドッサ)とは 倭寇との戦に突如現れ敵を斬りまくって姿を消すのだと
講唱師(カンチャンサ)が騒いでいるだけだという
※講唱師(カンチャンサ):専門的な噺家 芸能人
芳遠(バンウォン)は 英珪(ヨンギュ)を連れ講唱師(カンチャンサ)がいる場所へ!
そこで歌っているのは あの物乞いの住処にいたカップンだ
そのカップンの歌声に見惚れている若者がいる
山から下りてきた無恤(ムヒュル)だ
やがてカップンの歌が終わり 講唱師(カンチャンサ)が躍り出る
観客は他の演目には興味が無く 何度でも殺母蛇(カチドッサ)の話をねだる
倭寇を滅多斬りにする殺母蛇(カチドッサ)の話は痛快で面白い
話の中の殺母蛇(カチドッサ)は 黒い上着に白い襟姿
芳遠(バンウォン)が暗闇の中で見た男も同じ姿だった
講演が終わると 講唱師(カンチャンサ)は化粧を落としに裏庭へ
カップンは儲けの箱を抱えて酒場の方へ
するとそこへ街のゴロツキが現れ ショバ代を払えと凄んで来る!
悲鳴を上げながらすべてを奪われてしまうカップン
無恤(ムヒュル)はすぐにも助けたかったが 師匠から戦いは禁じられている…
迷っていると 突然カップンが『武士様!』と駆け寄って来た
武士様…と言われても 無恤(ムヒュル)が持っているのは木刀だ
行きがかり上 木刀で戦う羽目に…!
初めて人を相手に戦った無恤(ムヒュル)は力の加減が分からない
しかし面白いようにゴロツキ共は吹っ飛び 剣術も腕力も物凄い威力を発揮した
我がことながら驚いていると ゴロツキの親玉が現れた!
腰に下げた身分証の札には “梅花(メファ)”と書かれている
『子弟衛(チャジェウィ)梅花(メファ)武士出身のオ・チョル様だ!!!』
そう凄まれても 無恤(ムヒュル)には何のことやらさっぱりだ
真剣を振りかざすオ・チョルに無我夢中で応戦すると… なぜか倒してしまった
残るゴロツキ共も恐怖の表情で退散していく
無恤(ムヒュル)は 初めて倒したオ・チョルの身分証を持って師匠のもとへ…!
オ・チョルの名を聞いたホン師範は 唖然として無恤(ムヒュル)を見る
…が 気を取り直し 修行中の身で戦ったことに激怒する!
『東方双龍24手のうち お前は12手を学んだだけなんだぞ!
まだ半人前のくせに戦うとは不届きな!』
同じ時
講唱師(カンチャンサ)に聞き込みをする 芳遠(バンウォン)と英珪(ヨンギュ)
ただ見聞きしたことを演目にしているだけだという講唱師(カンチャンサ)
2人が去り化粧を落とすと…
講唱師(カンチャンサ)の正体は あのタンセだった…!
一方 洪仁訪(ホン・インバン)は 禹学朱(ウ・ハクチュ)のもとを訪れていた
仁訪(インバン)は 亡き白允(ペク・ユン)が管理していた土地の徴租権を
学朱(ハクチュ)の一派に受け継いでもらいたいと持ち掛ける
※徴租権:租税を回収する権利
『徴租権は白允(ペク・ユン)様のお子様たちのものだ!』
『お子様たちの権利はそのままに… 税を増やせばいいだけのことです
5割なら6割に 6割なら7割に 増えた分をいただくのです』
徴税の上限が8割なのにどうやって?と聞き返すと
仁訪(インバン)は涼しげな顔で『では9割に』と答えた
『9割だと?! それでは民が生きられぬ!』
『偉大なる民がこれまで滅びたことがありますか?ないでしょう?
これまでに多くの王と国が滅びたが 民が滅びたとは聞いたことが無い
イソ郡の民に9割の租税を! それでもイソ郡の民は生きていくでしょうから』
『あ…あなたはなぜこんな提案を?』
あまりに無慈悲な提案に 学朱(ハクチュ)が訪ねると
松岳(ソンアク)の二大党派 その首長である白允(ペク・ユン)を失い
今後の混乱は避けられぬという仁訪(インバン)
そして今後の展望を神妙に話し始める
白允(ペク・ユン)殺害の疑いで 吉太味(キル・テミ)を弾劾している場合ではない
恭愍(コンミン)王が崩御して以降 慶復興(キョン・ボクフン) 白允(ペク・ユン)
そして李仁謙(イ・インギョム)の3人が国を支えて来た
最近では 慶復興(キョン・ボクフン)に代わり吉太味(キル・テミ)が…
『しかし白允(ペク・ユン)様の死で 力の均衡が崩れ始めています
お力添え下さればこの私が門派の首長に成り代わり 力の均衡を維持します!』
勢力の均衡が崩れれば 自分たちの地位も安泰ではない
禹学朱(ウ・ハクチュ)らは 仁訪(インバン)への協力を約束する
イソ郡とはタンセの生まれ故郷 今も妹のプニが暮らしている村だ
そこに倭寇が現れるとの情報を得て 芳遠(バンウォン)と英珪(ヨンギュ)が向かう
プニは 村人たちから“大将軍様”と呼ばれ慕われていた
この3年間というもの 別の荒れた土地を耕し秘密裏に穀物を育てて来た
今日は 役人たちに搾取されない自分たちだけの穀物を総出で収穫する日だった
こんな真夜中に集まったのも 役人たちに見つからないためだ
その様子を物陰から見守るタンセ
成長した頼もしい妹の姿を愛おし気に見つめている
プニは 収穫の様子を見つめながら木彫りの人形を握りしめる
あの日… 鄭道傳(チョン・ドジョン)がプニを訪ねて来た
「私を憶えているか? お前の“父”だぞ」
「…あの時の… 大逆罪人?」
プニは 村で起こった恐ろしい出来事を話す
兄はどこかへ行ってしまい ヨニも行方知れずだと
母親のことを調べていた兄が 母は死んだと言ったが…
「もうどうでもいい人たちです みんな私から去った人たちなので」
村人たちの為 窮状を訴えようと字を学んだというプニ
しかし道傳(ドジョン)は 無駄なことだと一蹴した
この土地を教えてくれたのは道傳(ドジョン)だった
誰にも知られなければ自分たちの土地になると
自分たちだけの穀物を得て生き延びられると言ったのだ
「また道を失ったら訪ねてくるがいい」
その時に渡されたのが木彫りの人形だった
何年もかかったがやっと道が見えてきたと 安堵するプニだった
イソ郡では
現れてもいない倭寇のせいで租税が9割にされていた
村人たちは黙って従うしかなく 無言でそれを受け入れた
しかしあまりにも冷静な村人たちの様子に ゴロツキ共は夜も監視していた…!
収穫が終わったその瞬間! 一斉に襲いかかるゴロツキたち!
穀物を守ろうとして 次々に殺される村人たち…!
『みんな逃げて!穀物はまた育てればいい! 逃げて生き延びるの!!!』
プニの叫びも虚しく 村人たちは半狂乱で立ち向かい倒されていく
生き残った老人と女子供を連れ 何とか逃げ出すプニ
しかしその行く手に倭寇が…!
一方 山中で剣術の稽古をしていた無恤(ムヒュル)が 倭寇を目撃する
何やらうごめくいくつもの麻袋を背負っている
同じ時
イソ郡に向かう途中の芳遠(バンウォン)は 馬が盗まれていることに気づく
盗まれた馬は 山中の廃屋に繋がれていた
すぐにも取り返そうとするが 廃屋の中から誰かが出て来る
『あれは… 倭寇では?!!!』
見たところ 何者かが倭寇と交渉しているようだ
ここで闇取引をしているのか?
するとその廃屋の裏口に 怪しい人影が見える
無恤(ムヒュル)だ
聞くと 倭寇が怪し気に動く袋を運び入れたのだという
おそらく村人を拉致し 人買いに売り渡すのだろう
廃屋の中に8人 外には7人 刀を持っている奴が5人
全部で20人を この3人で倒すには無理がある
せめて5人なら…という英珪(ヨンギュ)
そこで芳遠(バンウォン)は ある作戦を思いつく
無恤(ムヒュル)に自分の剣を持たせ 3人で倭寇の目の前に!
そして自分たちを“松岳(ソンアク)の商団”だと名乗った
闇商人が 商売の邪魔をするな!と怒鳴る
倭寇は流暢な高麗語で 取引先が2つになっても構わないという
『開京(ケギョン)の相場から利益無しで交渉しよう 1人1石で!』
『有り得ない! 1人2斗が相場だろ!』
※1石(10斗):約米1俵
こいつらは悪どいと騒ぎ立てる芳遠(バンウォン)
高麗(コリョ)の情勢を知らない筈の倭寇が 怒った表情で闇商人に迫る!
これで闇商人の5人が消えた
芳遠(バンウォン)は即座に取引をと持ちかけ 山の下に穀物があると話す
英珪(ヨンギュ)が 運び手として倭寇を5人連れ山ノ下へ
これで残る倭寇は10人
作戦では 英珪(ヨンギュ)が5人を始末したらすぐ戻り
車輪が外れたと言ってもう5人を連れ出す!
あとの5人を 芳遠(バンウォン)と無恤(ムヒュル)で片付けるという手筈だ
“商品”が見たいと言い 廃屋の中に入っていく芳遠(バンウォン)
なぜ無恤(ムヒュル)に自分の剣を持たせたのか
自分は商人になりすまし 無恤(ムヒュル)を護衛武士に仕立てたからだ
廃屋から運び出した袋の中から プニが顔を出す!
袋から半身を乗り出し 突然芳遠(バンウォン)に襲いかかり噛みつく!
『お…お前何してるんだ! 俺たちはお前を助けてこの倭寇たちを!!!』
無恤(ムヒュル)の叫びですべてが台無しになった
自分が今 何を口走ってしまったのか… 倭寇たちの表情を見れば明らかだ
『立て… 静かに立ち上がるんだ』
通訳と名乗った以外の倭寇も なぜか高麗語が話せるようだ
ここで初めて 倭寇を装った高麗人だと気づく
芳遠(バンウォン)は 金の首飾りを外し倭寇の足元に放り
この首飾りの千倍を手にしてみないか?と持ちかける
闇商人たちは “千倍”と聞き色めき立つ!
『千倍を手にするのはこの中のただ1人! みんな自分の右側を見ろ!
そいつを殺してさらに右! 最後に残った1人が千倍を手にするぞ!!!』
半信半疑の顔つきだが 明らかに動揺していた
この首飾りを皆で山分けしてもたかが知れている
『さあ全員を殺して俺を桃花殿(トファジョン)に連れて行く者は?
李氏の跡継ぎを桃花殿(トファジョン)に連れて行けば英雄だぞ!』
※桃花殿(トファジョン):高麗最高の権力者 李仁謙(イ・インギョム)の屋敷
どんな底辺の人間も 桃花殿(トファジョン)を知らぬ者はいない
こんな好機は人生に何度も無いと誘惑され さらに動揺していく闇商人たち
その中の1人が 『俺たちは獣じゃない!バカにするな!』と斬りかかる!
腕から血を流した芳遠(バンウォン)は 呆れたように高笑いする
『なら何だ!人を売り買いするなど人間じゃない!獣でもなければ何だ!!!
もうこうなったら仕方ない… 俺は李仁謙(イ・インギョム)閣下の長子だぞ!
この者は 三韓一の武士吉太味(キル・テミ)様だ!!!』
(え? 俺?!)
急に指差された無恤(ムヒュル)は状況が分からず戸惑う
ここで剣を抜けばいいことは 袋の中のプニにも分かる
しかし無恤(ムヒュル)は気づかない
事の成り行きを全く理解出来ていなかった
『みんな騙されるな!洪倫(ホン・リュン)を倒した剣士があんな若造か?』
『剣士様!早く剣を抜いてください!!!』
たまりかねたプニが泣き叫び ゴロツキが剣を突きつける!
事を理解したのではなく 剣を突きつけられているプニが火を付けたのだ
カップンを助けた時と同じく 狂ったように剣を振り回す無恤(ムヒュル)!
その剣術の見事さは 芳遠(バンウォン)さえ目を見張るほどだった
5人を2人で…という計画はとん挫したが
無恤(ムヒュル)は たった1人で10人に斬りかかる!
その腰に“梅花(メファ)”の身分証を見た闇商人は震え上がり逃げ出した!
あの洪倫(ホン・リュン)も梅花(メファ)武士の1人 知らぬ者はいないと!
それを聞いた無恤(ムヒュル)は 初めて師匠が嘘つきだと気づいた
オ・チョルなど取るに足らぬ小者だと言ったのに…
無恤(ムヒュル)は 自分が梅花(メファ)の剣豪を倒したことを知る…!
『あの野郎…!!!』
激怒して走り去る無恤(ムヒュル)
芳遠(バンウォン)は 呆気に取られたままだ
同じ時 山の下でようやく5人を倒した英珪(ヨンギュ)は
これをまた繰り返すのか…とため息をつきながら戻った
凄惨な夜が明け プニは生き残った村人たちと村に戻り死者を弔った
同行した芳遠(バンウォン)と英珪(ヨンギュ)は 悲惨な村の事態を知る
官衙(かんが)に行くというプニに 行ったら殺されると説得するが意志は固い
※官衙(かんが):役所や官庁のこと
いくら洪仁訪(ホン・インバン)たちが悪党でも 国法に背いたのだ
届け出も無く土地を耕し収穫したなら罪を問われる 国法に背けば罪人だと
プニは 当たり前の論理で諭そうとする芳遠(バンウォン)の頬を打つ!
『私たちの土地は1年で400俵の収穫があった
国法では40石を国に もう40石を郷吏(ヒャンリ)に渡せばいい
でもそんな年は1度も無かった! 年に240俵!320俵!360俵!
献上が国法通りだったことなんか1度も無い!!!』
初めて聞く村の現状に言葉も無い芳遠(バンウォン)
『残った40俵で200人の村人が1年を過ごす
想像出来る?! 1日に2匙しか口に入らない!!!
それでも生きねばならず… 土地を耕したから罪だと?!!!』
芳遠(バンウォン)が想像するような 涙の訴えがプニの目的ではなかった
プニは 官衙(かんが)の穀物倉庫に火を付けたのだ…!
鄭道傳(チョン・ドジョン)からもらった木彫りの人形を握りしめるプニ
(おじさん… 道を失いました
会いたいです… 会いに行きます すぐに…!)

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