‐ 本ブログは 韓国ドラマ『六龍が飛ぶ』のあらすじを
解説を交えながら 「完全ネタバレ」形式で描いています
あらすじだけ読みたい方は 虫めがね印の解説部分を無視してお読みください -

 

ナイフ 六龍が飛ぶ 4話 ナイフ

『本当に… 本当にお前が?』
『師兄の服の紐を落とさせたのは師匠でしょ?』
『ほほう… まだ師匠と?』
『ええ 善であれ悪であれ いろいろと教わりましたので
あの夜… 師匠は悪事を働き私は正義を行った』
『あれを正義と言うなら実に恐ろしい世の中だ』
『悪人の師匠に言われる筋合いではないでしょう
私が至らないことは承知しています まだ“正義”を学んでいる途中です
何しろ私はまだ若いですからね』

師匠の洪仁訪(ホン・インバン)を相手に 微塵も引く気は無い
もはや 浮かれ気分で開京(ケギョン)に来た時の芳遠(バンウォン)ではなかった
悪を倒すまでは善人ではいられないと 強い信念を持つ芳遠(バンウォン)
“力無き善人”の有様を 嫌というほど見てしまったのだ

一方タンセは “ヨンヒャン”という魯国(ノグク)公主付きの侍女について
思いつく限りの伝手を頼り調べ回っていた
公主は ヨンヒャンと護衛武士と いつも一緒にいたという
その護衛武士とは吉善味(キル・ソンミ) 吉太味(キル・テミ)とは双子であり
今でも 静鶴(チョンハク)山の観音寺に立ち寄ることがあると

観音寺に向かうタンセ
それを尾行する秘密組織の一団があった
自分たちが使っている花押を知る者
たとえ子供であっても なぜ花押を知っているのか突き止めねばならないと

寺の者によると 1か月前にも老人が吉善味(キル・ソンミ)を訪ねて来たと
今も渓谷に小屋を建て待っているのだと聞き 早速渓谷に向かうが…
そこで尾行する一団に捕まってしまうタンセ
その男はあのペク・グンス!
芳遠(バンウォン)のお供として開京(ケギョン)に来たあの裏切り者だ

花押をなぜ知ったのか…
母親を連れ去った者が同じ模様の入れ墨をしていたと 正直に話すタンセ
それを聞くなら仲間だろうと 母親の行方を聞くが
母親の名がヨンヒャンだと聞いた途端 タンセを殺そうとする!

タンセの窮地を救ったのは 吉善味(キル・ソンミ)だった
その者が善味(ソンミ)だと知った一団は 戦わずして撤退していく
こんな子供がこんな場所で なぜ殺されようとしていたのか…
事情を聞いた善味(ソンミ)は 二度と母親の話をしてはいけないと諭す

善味(ソンミ)によれば ヨンヒャンという侍女は高麗(コリョ)の大罪人であると
ヨンヒャンのせいで魯国(ノグク)公主は死んだのだという
これ以上詮索すれば 母親だけでなく一族皆殺しになると…!

そんな事とは知らず さっきの一団に全部話してしまったと焦るタンセ
(何てことだ… ヨンヒャンよ この子を一体どうしたら?)

そこへ 同じく善味(ソンミ)を捜しているという老人が現れる
太味(テミ)の時と同様 突然に襲いかかる老人!

老人は自らを張三奉(チャン・サムボン)と名乗り やはり人相書きを見せる
この人相書きの弟子が 高麗(コリョ)で戦い命を落としたと
決して復讐のためではなく 自分の弟子を倒す人物とは誰なのか知りたいと

善味(ソンミ)には その人物に心当たりがあった
そして何より この老師が本物ならば…と考え
その者の名を教える代わりに タンセを守ってほしいと願い出る

『一体その人物とは誰なのだ!』
『チョク・サグァン』
『チョク… サグァン?』

タンセと2人きりになり 老師は武術を教えると言い出す
高麗(コリョ)に長居は出来ないし 自ら強くなれば身を守れると
しかしタンセは ろくに話も聞かずいなくなる

同じ時

無恤(ムヒュル)という力持ちの少年が山中を駆け回っている
祖母は この乱世を生き抜くため孫に武術を習えと命じ
ホン師範のもとへ連れて行く

一方タンセは 久々に我が家へ帰り プニと再会していた

母親のことは自分の勘違いで もう亡くなっていたと話すタンセ
プニは泣いたが それでも納得してくれた

そこへ 幼馴染のヨニがやって来た
タンセのために甲斐甲斐しく世話をするヨニ
明らかに思いを寄せているようだとプニが言っても
タンセはそれどころではなかった
母親が罪人だということ
真実を話せば一族の命が危ないということ
ただただ自分の無力さを嘆き 今は淡い初恋の思いなど感じる余裕も無い

するとプニが 今年の七夕祭りの織姫はヨニだと言い
牽牛役には誰を選ぶのかとからかってくる
織姫に選ばれた少女が 牽牛役の少年に衣装を縫うのが慣わしだった
照れ隠しに無関心を装うタンセと 恥じらうヨニ

タンセは ヨニと楽しく遊ぶ日々の中で もう母親のことは忘れようと決意する

一方都堂(トダン)では
楊広道に倭寇があらわれた件で 誰が援軍を出すかについて紛糾していた
誰が行くべきかと言及は出来るが 我こそはという者は1人としていない
戦続きで既に国庫は底をついている

戦勝の褒美として渡す土地すら残っていなかった

※都堂(トダン):高麗(コリョ)後期の最高政府機関

この事態を解決出来なければ 李仁謙(イ・インギョム)らの面目が立たない
すると洪仁訪(ホン・インバン)が “商売”しては?と提案する

一体この国は誰の国か… 士大夫(サデブ)らの口を借りれば“民の国”である
民の国なのに 何故国だけが責任を取らなければならないのか
国庫が尽きたならば 当然のごとく民の土地を利用すべきだと

※士大夫(サデブ):科挙官僚・地主・文人の三者を兼ね備えた者

つまり仁訪(インバン)によれば…
倭寇に侵略された民の土地を 奪い返した宰枢(チェヂュ)に与えるとすれば
あんなに私兵を出し渋っていた者たちが 我も我もと参戦するというのだ
これこそが 戦場で民の土地を使って商売するということだと!

※宰枢(チェヂュ):都堂(トダン)に参加できる最高位層

虫めがね倭寇とは
13世紀から16世紀に活動した日本の海賊であり 日本人と一部高麗人からなる前期と

一部日本人を含む中国人からなる後期に分けられる
もともと倭寇とは 5世紀高句麗(コグリョ)時代の広開土王時代
「侵入してきた倭国(日本)」の意味で使われていたが
13世紀以降は「倭人を主とする海賊集団」の意で蔑称として使われている
また16世紀に起きた豊臣秀吉による文禄・慶長の役の軍隊も
そして日中戦争における日本軍も すべて「倭寇」と称されている虫めがね

その後 洪仁訪(ホン・インバン)のもとには贈り物が絶えなくなる
なすり合いをしていた宰枢(チェヂュ)たちが一斉に名乗りを上げたことで
逆に誰を指名するか選び切れぬほどに…

洪仁訪(ホン・インバン)は 仁謙(インギョム)の威光を借り民の土地を奪おうと
まだ倭寇が侵攻していない民の土地にも杭を立ててしまう
タンセの故郷の村も例外ではなく 村人との間で小競り合いが始まった
反撃する村人がいるという報告に激怒した吉太味(キル・テミ)は
軽い気持ちで『懲らしめてやりなさい!』と…

七夕祭りで賑わうタンセの村
ヨニの願い通り 牽牛役に選ばれたタンセが衣装を着て笑顔を見せている
そこへ 太味(テミ)に命じられた手下たちが一斉に襲いかかる

タンセは ヨニが手下に襲われるのを離れた場所で見ているしかなかった
ヨニを守ろうとした父親が殺され 恐怖で動けなかったのだ
男に辱められ散々乱暴されたヨニは ボロボロになった衣装のまま立ち尽くす

その夜
プニは あまりに情けない兄の頬を打ち いっそ死ねばよかったと罵った
あんなに一途に思ってくれていたヨニを守ろうともせず
のこのこ舞い戻った兄を 泣き叫びながら責め続けるのだった

そんな自分があまりに情けなく 夜中に飛び出すタンセ
ヨニの敵を討とうと 手下の家に押し入り鎌で斬りかかろうとするが…
恐怖で命乞いをする相手と 悲鳴を上げる家族に躊躇し逃げ帰ってしまう

結局自分は… 大事な人を守ることも 戦うことも 敵を討つことも出来ない
絶望して自ら命を絶とうとしたその時 後ろから呼ぶ声がする

『やっと見つけだぞ小僧! まさか… 死のうと?』
『俺なんか… 俺なんか何も出来ないダメな奴なんだ!死ぬしかない!』
『そうか何も出来ぬか なら死ぬのも無理だな』

崖から飛び降りかけたタンセを救ったのは張三奉(チャン・サムボン)
吉善味(キル・ソンミ)が タンセを託した老師だった

※張三奉(チャン・サムボン):武当派の教主 太極拳と太極剣法の創始者
※武当派:武当山を本拠地とする名門の一派


6年後


青年の李芳遠(イ・バンウォン)が 宵闇の屋根の上で酒を煽っている
強許(ホ・ガン)らは既に去り 成均館(ソンギュングァン)は悪の巣窟
吉儒(キル・ユ)の横行を 白允(ペク・ユン)らは黙認し通り過ぎる
芳遠(バンウォン)は すべてに絶望し無気力となっていた

(咸州(ハムジュ)に帰ろうか…)

……とその時!
黒い影がうごめき 白允(ペク・ユン)に襲いかかる!!
吉太味(キル・テミ)に並ぶ程の護衛が一瞬のうちに斬り捨てられた!!!

タンセだ

大事な友を守ることも出来ず 自ら死ぬことも出来なかった少年は
驚くべき剣術を会得し 別人のような殺気を帯びた青年となって現れた

悲鳴を上げ逃げ惑う白允(ペク・ユン)だったが 逃げられる筈も無い
屋根の上からすべてを目撃した李芳遠(イ・バンウォン)は 音も無く道端に下り
何食わぬ顔で立ち去る黒い影と 無言ですれ違う
その黒い影がタンセであることなど 知る由も無い芳遠(バンウォン)だった

黒い影の後を追いついて行くと 山奥の洞窟に辿り着く
草木に覆われた戸口に貼り紙をし 黒い影は去った

芳遠(バンウォン)は好奇心に駆られ 洞窟の中に入ってみる
暗闇に目を凝らし中を調べてみると 沢山の書物が積み上げられている
そして この洞窟にはそぐわない木彫りの人形が転がっている

洞窟の奥にまた扉があり 開けてみると一気に視界が広がった
断崖絶壁のその先に 開京(ケギョン)の街がくっきりと見える
洞窟内に光が差し込み 壁に大きな地図が貼ってあることに気づく

開京(ケギョン)の文字を頼りに四方を見てみると…
遼東… 女真… そして“新朝鮮”という文字がある

(これは… これは高麗(コリョ)の地図…ではない…!)

黒い影… タンセは 何かを変えたかった
あの時… 鄭道傳(チョン・ドジョン)が「まずは白允(ペク・ユン)を殺す」と
白允(ペク・ユン)を殺し この腐った高麗(コリョ)を終わらせると…!

(三峰(サムボン)… どこにいる? 次は… 誰を殺せばいい?)


☝よろしければクリックお願いします