☤ 同伊(トンイ) 第25話 ☤
『捕まるなよ 殺されてしまうぞ!』
『はい この恩は忘れません』
一刻も早く義州(ウィジュ)から離れようと走る同伊(トンイ)
すると 通りの向こうから行列が進んでくる 輿を見て驚く同伊(トンイ)
チャン・ヒジェだ!!!
なぜチャン・ヒジェが?と思っているうちに 行首(ヘンス)に見つかってしまった
荷物を持った同伊(トンイ)を 逃げるのかと疑う行首(ヘンス)!
※行首(ヘンス):集団のまとめ役 番頭・支配人のような地位
そこへシム・ウンテクが 助け舟を出す
ウンテクは 自分が下着を頼んだのだと さっさと荷物を持って行ってしまった
別れを告げて発ったはずの同伊(トンイ)が戻り 驚く使用人!
同伊(トンイ)は すぐにウンテクのもとへ…
『チャン・ヒジェのせいで逃げ損なっただろ 偶然見てしまった
お前は あの者に会って 死神に会ったように震えていた』
チャン・ヒジェの名を知っているウンテクを 警戒する同伊(トンイ)
『ただの奴婢じゃない チャンを知ってて あの者から身を隠す事情もある』
『身を隠すだなんて それは誤解ですよ』
『誤解なら残念だな それで助けたのに
素性は知らないが チャンから身を隠す人は 私が助けねばならぬ人だ』
部屋に戻り 自分のことを話し出すウンテク
チャン・ヒジェと王妃に 怒りを感じているのだという
同伊(トンイ)がウンテクを信じ 事情を話し始める頃
ソ・ヨンギとチャ・チョンスが 義州(ウィジュ)に向かってひた走っていた
そこへ 粛宗(スクチョン)から呼び出しがあり
義州(ウィジュ)を目前にし 2人は都城に戻るのであった
宮中では…
交泰殿(キョテジョン)を オ・テソクとオ・ユンが訪ねていた
世子の誥命(コミョン)についてのことなら 心配ないと答える王妃チャン氏
しかし 訪ねたのはそのことではないと…
※交泰殿(キョテジョン):王妃の寝殿
※誥命(コミョン):清国皇帝からの冊封
『王様が 問題の「謝氏南征記」を読まれて 後悔の言葉をこぼされたとか
廃妃を追い出した件を 後悔されているとか…』
『後悔とは… どういうことですか?』
『……』
『いいえ あり得ません!
それが本当のお気持ちなら まず私が気づくはずです』
従事官を辞したソ・ヨンギは 秘密裏に粛宗(スクチョン)に会う
同時に チャ・チョンスは家に戻り ファン・ジュシクとユンダルを安心させる
一方 同伊(トンイ)は すべての事情をウンテクに話し
ウンテクの手に チョンスへ宛てた書状を託す
ヒジェが去るまで身を隠すように言うウンテクだが 同伊(トンイ)は聞かない
『私がここにいるとは チャンも思っていないはずです』
『お前は 宮廷で問題児だったのだろう 私は女人の協力も断らんぞ
よし 私とお前でひと暴れしてやろう!』
2人は チャン・ヒジェが義州(ウィジュ)に来た理由を調べることにする
ウンテクは 役人に取り入る軽薄な流罪人そのままに 聞き込みをし
同伊(トンイ)は ヒジェに取り入るピョン行首(ヘンス)を監視し
隙を見て帳簿を調べ 手掛かりを探る
ピョン行首(ヘンス)の案内で 妓房(キバン)へ下見に来たヒジェは
あまりにも小さ過ぎると怒りだす
するとそこへ 妓房(キバン)の女行首(ヘンス) ソリが…
『“短小精捍”です
“小さいものほど力強い” ご覧いただけず残念です』
ヒジェは このソリの気風を気に入り 交渉を進めることにする
ピョン行首(ヘンス)が 貸し切れるほどの大金を妓房(キバン)に支払い
役所には譯官が呼ばれていたことが分かった
ヒジェが 妓房(キバン)を貸し切り 外国人をもてなすとすれば…
※譯官:通訳など 譯学に関する仕事をした官吏
『チャンが義州(ウィジュ)に来たのは 清国の者に会うためだ
最近都城では 世子の清国誥命(コミョン)が遅れ
南人(ナミン)が按じている その件で来たのだろう』
『裏で交渉して 目的を果たそうと?!』
ウンテクは 行首(ヘンス)ソリに会いに行き 協力を頼むが…
『シム様と知り合って もう3年になります
一見 放蕩者のようですが 信念のあるお方です
ですから シム様を 誰よりも大切な友だと思っております
ですがお断りします
お話のとおり あの方たちは 国や朝廷には大罪人かもしれません
ですが 聞く耳も話す口も持たぬのが 妓生(キーセン)です
学者にも道理があるように 酒と笑いを売る妓女ですが
私たちにも 守るべき道理があるのです』
ソリに断られ 2人は 別の方法を考えなくてはならなかった
その頃オ・ユンは 部下からの報告に驚いていた
罷免されたソ・ヨンギが 王命により 全国を渡り歩き人を捜していると…!
ユンは 直ちに王妃チャン氏に報告する
捜している者が女性ということは それは同伊(トンイ)に違いない
『王妃様 これは王様に他意がある証拠かも
もしやその女を捜して 廃妃の件の再調査かとも!』
王妃チャン氏は 王に謁見を求めるが 講義中のため待つことに
ふと見ると 見慣れない包みが 大事そうに置かれている
開けてみると それは女性ものの靴であった
明らかに 王妃の自分にではないその靴は
同伊(トンイ)へのものだと 直感的に思うチャン氏
(そんなお心で私を見てたのですか?
ずっと同伊(トンイ)を思い 必死で行方を捜しながら
私には 偽りの笑顔を見せていたとは…)
王妃チャン氏は 謁見することなく交泰殿(キョテジョン)に帰って行った
一方 監察部(カンチャルブ)では 王妃チャン氏に従う者と
廃妃ミン氏を今でも慕う者の 2つの派閥が出来始めていた
※監察府(カンチャルブ):内命婦(ネミョンブ)を監督・調査する部署
チョン尚宮とチョンウムが 同伊(トンイ)の生存の可能性を伝えるため
廃妃ミン氏の住まいを訪問する
そこで 西人(ソイン)派チョン・イングクと鉢合わせる2人
その様子を監視している 監察宮女ウングムとシビ
2人は すっかりユ尚宮の言いなりであり 腰ぎんちゃくそのものだ
また ユ尚宮は王妃チャン氏の側につき チョン尚宮と対立しているのだ
ユ尚宮の報告を受け 王妃チャン氏は…
『急げ 時間がない あの者たちが過去の証拠を出しても
廃妃が死んでしまえば役に立たない』
チャン・ヒジェが宴を催す当日 ウンテクは譯官に成りすます
秘密裏に行われる会談に潜入するには この方法しかなかったのだ
耳学問で片言しか話せないウンテクは 同伊(トンイ)に勝る無謀さである
客室の縁の下に隠れ 見守る同伊(トンイ)は
“譯官が出て来たら殺せ” という見張りの囁きを聞く!
秘密裏の会談の漏えいを防ぐため ヒジェが口封じを命じたのだ
何とかして中のウンテクに伝えようとして
同伊(トンイ)は見張りに捕まってしまった
騒ぎを聞きつけ 行首(ヘンス)ソリが出てくる
ピョン商団の同伊(トンイ)で 怪しい者ではないと叫ぶその声に
みるみる ソリの表情が変わっていく
『本当に…同伊(トンイ)なの? 死んだドンジュの妹 同伊(トンイ)なの?!
掌楽院(チャンアゴン)の楽工 ドンジュの妹なのね!?』
※掌楽院(チャンアゴン):音楽と舞踊を担当する官庁
ソリは チェ・ドンジュの恋人だった
11歳の同伊(トンイ)を 宮中に送ってくれた恩人である
外がそんな騒ぎなっている頃 あまりにも言葉がぎこちないことで
腹を立てたヒジェが ウンテクを追い出してしまった
妓房(キバン)を出た途端 刺客に襲われるウンテク!
それを救ったのは ソリが手配した妓房(キバン)の私兵だった
無事に命は助かったものの 肝心の部分を聞くことが出来なかった
誥命(コミョン)の見返りに ヒジェが何を渡すのかが聞けなかったのだ
命を懸けながら目的を果たせなかったと うなだれる2人にソリが…
『「謄録類抄」をご存じですか? 清国の者との話を聞きました
清国の言葉で 定かではありませんが 何度もそれを言っていましたし
チャン捕盗大将様は 困った様子でした』
ウンテクを心配したソリが 追い出された後の部屋に入って行き
2人の会話を聞いたのであった
『「謄録類抄」は 国境地帯の守備日誌だ
軍事的な文書だから 他国には公開出来ぬ それを差し出すつもりだ!』
チャン・ヒジェは 間を取り持った義州(ウィジュ)の府尹に
「謄録類抄」を手配するように命じるが 府尹は とても出来ないと断る
※府尹:地方の長官
『私の頼みを断ったら あなたはどうなるかな?
私の頼みは 王妃様の頼みなのだから!』
王への経過報告を終えたソ・ヨンギは ふたたび義州(ウィジュ)に向かう
しかし 途中 馬を乗り継ごうとして まったく馬がないことに驚く
義州(ウィジュ)にいるチャン・ヒジェが すべて買い占めたと聞き
同伊(トンイ)に危機が迫っていることを察知する2人だが
馬がないことには すぐに動けないのであった
義州(ウィジュ)では…
役人から出た“シム・ウンテク”の名に聞き覚えがあった
ようやく思いだし 慌ててウンテクが都城に出したという書状を確認する
ウンテクは 王妃チャン氏が禧嬪(ヒビン)だった頃
禧嬪(ヒビン)を陥れる上奏を書いた人物だと記憶していたのだ
いくつかある書状に混じり 同伊(トンイ)がチョンスに宛てた書状が…!
同伊(トンイ)の生存を確認したヒジェは 直ちに刺客を差し向ける!!!
一刻も早く ヒジェのしようとしていることを伝えようと
同伊(トンイ)は 旅立とうとして ピョン行首(ヘンス)と鉢合わせしてしまう
国に災いを与えようとしているチャン・ヒジェを告発しなければと
必死に説得する同伊(トンイ)だったが ピョン行首(ヘンス)は納得しない
そこへ とうとうチャン・ヒジェが!!!
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