全道代表者が決定している中で、アップが遅くなり大変申し訳ありません。
11月6日に行われました、朝日アマ将棋名人戦札幌予選の模様です。

予選第一局の様子①
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予選第一局の模様②
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この日の朝は11月初旬にもかかわらず、かなりの積雪があったためか参加人数も今一つ。雪による到着遅れを考慮し、開始時間を10分遅らせましたが参加者数23人と3大大会予選としてはかなり少なかったです。

札幌予選の各大会、1勝通過2敗失格の予選後、本選トーナメントを行っておりますが、今回は参加人数がすくなく予選勝ちのあと、本選一回戦が代表決定戦になってしまう、異例(?)の事態。代表者が午前中に決定してしまう山も・・・

代表決定戦より田中 聡一朗さん対雄谷隆さんの将棋を紹介。
田中 聡一朗さんは今年度より札幌支部の新会員。お仕事の転勤で千歳市に引っ越しされてきて、札幌支部へ入会。前任の地でも強豪として活躍されていますが、札幌での出場でも活躍され、今年の全道選手権でも小樽の武田浩司さんに競り勝ちベスト4に進出されたのは記憶に新しいところです。
これからも転勤はあるそうですが、北海道にはまだしばらく在住の見込みとのこと。
まだ20代前半、これから全道代表争いにしのぎを削っていくと思われます。
雄谷さんは恵庭市在住。今年全道選手権に札幌代表に初出場され、気合が入って指されています。


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田中さんは振り飛車党。私も田中さんの将棋は何局かしか拝見しておりませんが、角交換をいとわない、力戦振り飛車を得意としているようです。
第1図は開始早々お互い端歩を突きあって、互いの相振り飛車を警戒したところ。筆者は居飛車党なので相振り飛車にさせない、という駆け引きはよくわからないのですが、相手の得意を封じ力を出しにくくする、というのも大会に勝つひとつの心得かと思います。第1図の▲9七角で田中さん、してやったりの局面だそう。
次に▲7四歩ですから、後手がどうしても相振り飛車にしたいなら△5二飛ですが相振り飛車に中飛車は損、というわけで△6二銀とし雄谷さんが居飛車を持つことになりました。

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第2図。後手の雄谷さんは左美濃に囲った後、△9三桂~△8五桂と対石田流常用

の筋で桂交換を図ります。ここから▲同桂△同歩▲79角と進み第3図。

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ここで後手の正解は?実戦は△8六歩▲同歩・・と果敢に攻めましたが後手が息切れし、攻めきれませんでした。

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正解は端を一本△9五歩でした。以下▲同歩△8六歩▲同歩△8七桂(!)▲8八角△9九桂成▲同角となったときに、△9五歩の効果で△9五香と走れます。実戦でもこのタイミング以降、△9五歩のチャンスもあったのですがこれを逃したことで、雄谷さんの攻めがやや単調になってしまったようで、田中さんが決定戦を制しました。

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湯上ー横藤戦が本日最終戦。湯上さんが決定戦を制しました。

(雑感)
・本日は参加者が23名と少なく、最短2局で代表とやや味気なく、逆に3局指さなければならないトーナメント山の方は待ち時間が多いという課題が残りました。参加者の方から20名程度の場合スイス式トナーメントを実施するなど、臨機応変の対応をすべきではないか?とのご意見をいただきましたので、札幌支部運営の際は連合会とも相談したいと考えております。

・本大会は全道大会の代表者を決めるのが目的の大会であり、代表に向けて実力を発揮していただくと同時に、対局を多く指して楽しんでいただく側面も大事ではないかとも思います。貴重なご意見ありがとうございました。

・札幌支部で長年の課題となっていたITの活用で試験的に始めたブログですが、見ていただいている方が、意外とおられるようで筆者としては励みになります。これからもお邪魔かと思いますが取材にご協力お願いいたします。

選手の皆様・運営の皆様お疲れ様でした。

記・会計 五十嵐 創