趣味クワガタ。中でも一番はクワガタの生息地を調べることです。

山の中にはもちろんクワガタいますね。奥山はあまり居るイメージないですが。

市街地の中に取り残された緑地や河川敷でクワガタを探すこと、私の言うものはこれです。

 

クワガタがいるとは思えない小さい林や河川敷での採集です。当然ライバルはいませんし、人が入った形跡すらありません。秘密基地のような場所ばかりです。

選定の基準は河川や湖沼が近くにあること。

 

今年も新規開拓に行って参りました。

目的はもちろん、クワガタが生息しているかどうか調べることです。ひとつ厄介なのが、この時期しか採集することができない点です。

暖かくなると同時に下草が背丈以上にまで伸び、とても入ることができません。

水場が近く、人が来ない場所とはそういうものです。

どうしても材割りでの採集となります。夏はとても近寄れないですから。(材割りにはあまり良い印象はありませんが)

 

一昨年、昨年と開拓を進めている豊平川下流域、旧流域。まだまだ知らない場所が多くあります。

舞台は画像中央上、旧豊平川との記載がある辺りです。豊平川流域の他のポイント同様、開発が進んでおり生息地消滅の危機にあります。
♀25.5mm ♂40.8mm(2023.3.29)
コクワガタのペアを採集しました。他にはアカアシと思しき頭がありました。
 
同じく旧豊平川での採集個体 48.8mm (2023.3.29)
上で紹介したペアとは近いながらも決して移動はない場所での採集個体です。こちらのポイントは一昨年開拓になります。

 

1がはじめに紹介したペアを採集したポイント、2が48.8mmの♂の採集場所
直線距離にして2キロほどです。河川敷に広がる林は寸断され道路が走り、開発も進んでいます。
 
元は個体の往来もあっただろう2地点ですが、現在クワガタはそれぞれの場所に孤立しています。遺伝的多様性が失われることは勿論、外的要因での全滅も容易に起こり得てしまいます。
洪水、極度の高低温などで生息地を追われることもあるかもしれません。しかし彼らは逃れることができません。生息域を分断されてしまったからです。
(アマゾンのジャングルでも似たような話が上がることがありますね。)
現状どこにも逃げ場はありません。それはクワガタに限った話ではありません。
この状況に危機感を覚えながらも、何もアクションを起こせないのです。
せめて人の手できちんと管理、保存することが将来に繋がるかもしれません。
生息場所を調べることにはきっと大きな意義があるはずだ。
という思いで新規開拓を続けています。
単純に楽しくて材割りをしているわけではないのです。
 
熱の入った文章ですが、飼育記1と書いてあるとおり、新規開拓にて採集したコクワガタを累代します。どんな個体が産まれてくるか楽しみです。
細めで顎がスラッと伸びた個体が産まれてくるような気がします。採集時に出会う個体が毎度そうだからです。
この産地の特徴と言えると思います。
 
 
追記
2023.4.4 
48.8mmの♂を採集したポイントにて♀を追加しました。今季のブリードは48.8mmの♂を使用、新規開拓にて得た個体は友人に譲渡することに決定しました。
今年はアカアシクワガタの♂が採集できなかった為、アカアシのブリードはお休みです。