先週、私の父が他界しました。
年末に肺がんのステージⅣを告知され、
たった4ヶ月の闘病で
あっという間に逝ってしまいました。

若い頃から、
肝機能が弱く、
こんなことにならないようにと
念入りに念入りに病院通いをしてきたのに、
まさかの肺がんでした。

去年の今頃は、
父や母と中島公園に桜を見に行ったのに。
「来年もまた来ようね!」
と約束してたのに。

父は家族を愛し、
母を誰よりも愛した人でした。
若い頃は短気で暴力も振るうし、
私にとっては
怖い父でしたが、
晩年の父は本当に穏やかで優しさの塊でした。
特に孫にはメロメロで、
息子は父の若い頃の話をしても
別の人の話を聞いてるみたいだと言います。

父の最期は死の淵を彷徨うような、
見ているのもつらくなるような、
苦しい思いをして旅立ちました。
ただただ家族のために生きた人の最期が、
あんなに苦しいものになってしまうなんて。
かわいそうで、
悲しくて、
申し訳なくて、
そんな涙が毎日溢れました。

父にまだ言葉が話せた時、
最後に私に言った言葉が
「ありがとうな」
でした。
あんなに苦しい中で、
私に感謝の言葉をくれた父に、
私も心からの感謝でいっぱいです。
私に、「父が感謝した娘」という誇りを
最後に持たせてくれたように思います。

父の死に顔は、
それはそれは穏やかで。
神か菩薩か、
この世のものとは思いないほどの
穏やかすぎる表情で逝きました。
あんなに苦しい思いをしていたのが
嘘のような。
この世の最期を闘いきった
尊い父の姿だったんじゃないかと
今でも目をつぶると
父の穏やかな死に顔が目に浮かびます。

父は家族と親しかった友人、
私の家族のような職場の仲間たちに
送ってもらうことができました。

父が最期に残してくれた
この経験を
私は生涯忘れずに過ごすと思います。