おととい行われたドラフト会議、巨人の1本釣りが有力視されていた菅野くんの1位指名で、日本ハムが指名を被せて抽選の結果交渉権を得たのは、日本ハムファンじゃなくても何か痛快な気持ちになれました。

もちろん、交渉がまとまり、菅野くんを獲得できれば日本ハムにとって大きなリターンとなることでしょう。
しかし、これに付属するリスクが大きすぎます。

1,入団に至らなければ大切な指名枠を結果的に削ってしまったことになる
2,詳しくはわからないが、業界の横の繋がり的に巨人との関係が気まずくなる気がする
3,結果的には、この件に関して日本ハムを賞賛する世論が約7割となっている(Yahoo!調べ) が、世論から批判される可能性もあったはず


他の業界のことはよくわかりませんが、それぞれの業界においてタブーっていうのが存在すると思います。また、得てしてタブーっていうのは正義じゃないことが多いような気がします。

我々の業界で言うなら、
『他社が専任媒介している売り情報を囲い込まれても、売主に接触していわゆる抜くこと』
とかが代表的だと思います。

売主が専任媒介を締結している業者としか取引できないのはルール上正当だと思いますが、買主までもがその物件を購入するのに、事実上買い側としてのエージェントを選べないのは正当とは言えないと思います。
ましてや、おそらく売主の専任媒介業者は、その行為により売主に損失を与えている事がほとんどですから、むしろルール違反でしょう。
でも、これを知りながらも、他の業者も何もアクションは起こしません。(もしかしたらやってる会社はあるかもしれませんが)
何故なら、結局その業者との関係を壊すリスクが大きすぎるので、例え目の前にリターンが見えたとしても、それが正義だとしても天秤にかけた結果、何もしないという選択をすることが多いはずです。私も同じです。


菅野くんの祖父が、事実上門前払いしているのに「挨拶に来ないで指名するのはおかしい」と言うのは、「商談中です」と他社の買付申込を拒絶してるのに、買い業者が売り業者を飛び越えて売主に接触したことをルール違反だと唱えるのと同じだと思います。

もしも、今回のドラフト会議の一件が、これに似たような構造の問題であるならば、「日本ハム球団」は本当に凄いことをやってくれたと思います。


また、一般人は入社する会社を選べるのに、プロ野球選手は選ぶことができないというのはおかしいというのは、そもそもプロ野球選手と一般企業の社員とを比べるのはナンセンスであって、プロ野球選手はあくまでも『日本野球機構』に入るかどうかを選択できるのであって、12球団は一般会社で言うなら部署(チーム)に過ぎないと思います。
実際にプロ野球選手が労使交渉行も各球団とは行いませんよね。