小学校卒業後、僕は実家から車で1時間ほど離れた県内の私立中学校に進みました。
そこは、中高一貫の全寮制の男子校でした。
 
街中では、思春期の他校の中学生男女が楽しそうに手をつないで「おデート」を楽しんでいます。
その様子を恨めしそうに眺めつつ、「いつか僕たちにも、ああいう甘酸っぱいひとときが訪れるに違いない」と万全を期すべく読んでいたのが『ホットドッグ・プレス』という雑誌でした、
こちらの雑誌、一応はファッション雑誌ではあったものの「完全デートマニュアル」「彼女を落とすにはコレだ!」といった、いわゆるチェリーボーイの心をくすぐる記事が満載の素晴らしい青少年のバイブルでした(えのきどいちろうやナンシー関のコラムなど、サブカル面も充実していました)。
 
なかでも、僕たちの心を鷲掴みにしたのが、北方謙三大先生による『青春相談 試みの地平線』というコーナーでした。
 
こちらは、恋愛関係・友人関係・将来の進路などについて悩める青少年が北方先生に相談をする場だったのですが、その回答のほとんど(僕の記憶の肌感覚では95%以上)が「こぞうども(相談者)、ソープへ行け!」」「今すぐ、童貞という汚れたシャツを脱ぎ捨てろ!」といったものでした。
特に、後期はもはやネタ化して、相談者も北方先生も「お約束」として楽しんでいた節さえうかがえましたが、実に素晴らしいコーナーでした。
 
今のこの時代、なかなか声を大にしては言えないのですが、「若い男の悩みなんて、一発ヌイてすっきりすればたいてい片付く。深く悩んで間違っても『最悪の選択』などしないように(当時は、青少年の『最悪の選択』が社会的な問題にもなっていたので)」という、北方先生流のストッパーかつエールだったのかな、とも思います。
 
その後、僕も「汚れたシャツ」は脱ぎ捨てたものの、以来23年間ほどまたそのシャツを身に纏っていました。
ですが!つい最近、多美ちゃんと出逢って、再びそれを完全に脱ぎ捨てることができました。
 
多美ちゃんと心と身体を重ねるたびに、あの無骨な北方先生の男気あふれる優しさを思い出します。
 
ーーー
 
ちなみに、時が過ぎ、僕が出版関係の会社に勤めたときに、サイン会で北方先生にお会いする機会がありあました。
その際、「先生、高校時代に『試みの地平線』読んでました」とお伝えしたところ、ニヤリと笑って僕の肩をポンポンと叩いてくれました。
 
惚れてまうやろー!(多美ちゃんの次に)
 
 
 

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