退職記念祝賀会が今週土曜日に実施される。

出席者名簿も届いて,最初で最後の退職記念祝賀会。

新しい大学に移り,前の大学の退職会を実施してくれることに感謝である。

何よりこれまでの同僚の先生方に感謝である。

出席者名簿を見ると,遠くからゼミ生も駆けつけてくれる。

ほんとにありがたいことである。

中には愛媛時代や広島時代の教え子もいる。

みんな就職をして忙しく働いている中で,今の時期に本当に申し訳ない。

何かと理由をつけて欠席もできるのに,心より感謝である。

 

今日,退職記念書籍も出版社から届いたとK先生から連絡がある。

風間書房から,なかなかいい書籍が完成したようだ。

400頁近いボリュームである。

テーマの学校教育のイメージに合った表紙も気に入っている。

土曜日にお目にかかれることが楽しみである。

 

科研費刊行助成金を得て書籍を出版することができたのが15年前である。

自分の中で,これまでの研究の集大成とも言える書籍である。

それまで風間書房から箱入りの書籍を刊行することが夢であった。

名だたる社会科研究者がこれまで風間書房から箱入り書籍を刊行されている。

最近,箱入りの書籍は少ないが,研究者としての証になるとずっと思っていた。

学位を取得して,書籍を刊行できない人もいる。

でも,学位取得した後,大学に出ることができたため,科研費助成を受けるチャンスを得たことが幸運であった。

なかなか採択されず,約3年を要した。

どこの出版社でもいいわけではなかった。

どうしても風間書房から出版したい思いが強かった。

そして,2009年に風間書房から箱入りの書籍を刊行することができた。

これは,研究者になってほしいと言っていた親父との約束。

研究者にはなかなかなれなかったけれど,学位取得とその証となる書籍の刊行。

 

あれから,もう15年も経過したことになる。

あっという間に走り続けたきた感覚である。

そして,欲が出て,退職する際に,風間書房から最後の書籍を刊行したかった。

でも,目新しいテーマではない。

基礎的研究のようなテーマで科研費助成がつくことは無理である。

結局,退職前に,2年ほど続けてチャレンジしたが,実現できず。

 

これまで先輩の先生方の退職記念や学会編の書籍を風間書房で出版してきた。

最後に科研費助成がついて,風間書房にも恩返ししたいと思っていた。

結局実現できずに情けない限りであった。

 

でも,退職記念出版事業をしてくれることになり,単著ではないが,編著という形で実現することができた。

ただ,なかなか資金が集まらない。

主催をしてくれた前職のコースの先生方には多大なご負担をお願いしたようだ。

ほんとに申し訳ない気持ちである。

自分にもう少し人望や人徳があれば,資金集めも容易だったのに,ほんとに申し訳ない。

 

ただ少ないながらも協力してくれた方も多い。

ほんとに心から感謝である。

 

退職記念講演会では,60分であるが,最後のメッセージを心から送るつもりである。

60分しかないので,どこに焦点を当てて話すのか,まだ思案中である。

普段話し慣れている90分の時間と比べて,なかなか時間が足りない。

でも,自分の人となりが出るように,務めるつもりである。

これまで関わっていただいた人にすべて感謝しながら。

この退職記念祝賀会が終わったら,すべて終了という感じである。

そのような大きな節目の機会を得たことにも感謝である。