味噌造り
収容所はさまざまな職種のひとが居り、俺には目新しく、感心させられる人たちだらけである。
この地シベリアで、味噌麹に似た菌を発見し、味噌造りに成功した人がいる。
毎日の朝食などに提供されるようになり、抑留者全員が大いに喜んだものである。
最初、味噌を仕込むにあたり、ソ連側は「大豆を腐らせ駄目にするのか」と、反対され、説得し許可を得るのに手間どり、ひと苦労されたと聞く。
ところでこの味噌、評判よく、他の収容所にも配給され、製造指導にも携わったと聞いた。
抑留者にとって、食の三種の神器は、“銀シャリ”“味噌汁”“たくあん”に決まってる。
その一つでも獲得でき、一碗の汁に郷愁を覚えたのは俺だけではないだろう。
2008.11.22記