兵隊・抑留記(106) ソ連領海通過
復員(ナホトカ → 舞鶴) - その2
甲板は清掃され磨きあげられていた。
整列した乗組員の敬礼。温かい出迎えである。
案内された船倉は大きい。ペンキのはがれかかった鉄板や肋骨がむき出しだ。ここに2段に仕切られた大きな板の間、そこが我々の寝座(ねぐら)である。
ソ連領海通過を知る。
甲板に立った俺は、大きく深呼吸、解放感を満喫した。甲板の舷側に鉄製半月型の大きな樋が長々とある、樋の両側に板を敷く、樋を跨いで厠(トイレ)だ。前後に腰の高さの仕切りがある。ずらりと並んだ仕切りは、なかなかの壮観である。樋内は溜り次第、上手よりの放水で押し流され日本海へサヨナラする。
樋の内面はピカピカ光っていた。
日本海の塩風を受けての厠は爽快でであった。
つづく