敗戦前後 その2 | SAPPERの兵隊・抑留記

敗戦前後 その2

 
 さて、「新京」に移駐したものの『土地勘』は皆無だ。大雑把に①周辺偵察、②弾薬確保、③食料確保として関東軍司令部跡は新市街の一画にあった。新市街は広大な平野に碁盤の目状、幅広い道で整然と区画されている。旧市街方面は立ち入ってないので分からない。
 
 少なくとも新市街付近には河川、湖沼、堀、丘、土塁等の障害物は皆無と見た。無防備都市である。
 
 ②の弾薬確保について、
工兵は三八式歩兵銃と弾丸(90発)を常備しているが、ソ連軍侵攻に直面して、(90発)だけでは何としても心細い。弾丸の補充は必至だ。
 
 兵站(へいたん)に向かう。しかし、兵站に(三八式歩兵銃)の弾丸はないと分かった。〔在庫は(九九式歩兵銃)用〕という。
 
 銃の口径がちがう。(九九)>(三八)。
 
 これにはしばし茫然、兎に角(90発)で戦わねばならない。事態は深刻である。
 
 ③の食料補給は確保した。
 
 かくして、時は刻々と刻まれていく‥‥。
 14日夕刻の情報は“ソ聯重戦車群〔白城子(新京北北西約100Km)〕に出没”とある
 
 
 
  (つづく) 2008.8.16記
 
 用語解説
 【兵站】(ヘイタン)戦場の後方にあって、作戦に必要な物資の補給や整備・連絡にあたる機関。