兵隊・抑留記(96) アクチブと洗脳教育
抑留後期~帰還まで - その1 (1947秋頃~48秋)
この期間は精神的重圧期であった。
前にも一寸触れたが、ソヴィエト聯邦の“スターリン”の率いる“狂人集団”はシベリア地区・チタに“日本人洗脳学校”を開設し、卒業生を「アクチブ」と称して各収容所に送り込んできたのである。
これら日本人の顔をした「アクチブ」(労働貴族)は指導者づらをして収容所の実権を握り、“労働歌を歌い、ソ同盟を謳歌し、軍国主義反対、天皇制打倒、反動分子は日本に帰すな”‥‥。
あげく、“祖国・ソ同盟万歳”とくる。いわゆる洗脳教育のつもりであろう。しかし、『なんで祖国がソ同盟なんだ』。
薄っぺらな、底の知れている思想を強制してくる。俺としても何とか手を打ちたいが、相手が“狂人”ではこれといった打つ手が思いつかず、ただ火の粉を被らぬよう気を使う毎日であった。ところが…
つづく