Bさんの奇妙な体験(その3) --尋問--
夕食は腹が減っているのにろくすっぽ喉を通らない
夜具は絹布団である。豪勢なものだ。翌朝、なるようにしかならない、と腹をくくったら少し落ち着いた。
朝食はしっかりとることができた。午後になって頭目が帰還した。暫くして、頭目に呼び出された。
案内された部屋が凄い。流石(さすが)「馬賊の頭目」だ。床は絨毯、毛皮の敷物。壁は書画、家具類も豪華だ。戸棚には、洋酒、日本酒、支那酒‥‥
頭目は椅子から立ち上り「遅れてしまって すまん聞きたいことがある」と、いよいよ訊問の開始である。
型通り、国籍、姓名、年齢、勤務先、職種、勤務先の出張所や(支店のある)省都の治安状況など‥‥であった。日本軍の動向などについては、彼らのほうが詳しいらしく、尋ねられたりはしなかった。
緊張していたせいか、何となく雑談形式みたいな雰囲気の中で訊問(?)は終わった。
頭目曰く「すまなかった、今日の終列車に間に合わぬ、明日解放する。又一晩ゆっくりしてくれ」‥‥
つづく