Bさんの奇妙な体験(その2) --包囲--
どの位かかるか分からないが、まだ陽も高い。日没までにはなんとかなるだろう。二人線路に沿って歩きだした。仕事も順調に済ませたし気分は爽快。ゆったりした気持ちで会話を交わしながら歩いていた。
どのくらい歩いたろう。1時間か2時間くらいか。
ふと前方の馬影に気づき、右にも左にも見えるではないか。皆我々と同じ方向に向かっているようだ。
ハハ-ン、部落が近い。駅ももうひと踏んばりだ位に考えて歩を進めていたら、何となく馬が大きくはっきり見えるようになり、2人共「ヤバイッ」と感じた時すでに遅く、アッと思う間もなく包囲。抵抗もできぬまま 彼ら馬賊の虜になってしまったのである。
両腕を縛られ、頭から袋を被せられた状態で馬に乗せられての連行である。
方向が分からぬように進路を変えて進むので、方向は全く掴めない。ようやく土塀で囲まれた家に連れ込まれた。『馬賊』の捕虜だ。
隊長らしき男が縛を解きながら言う。
「反抗したり逃げようとしなければ、この土塀内は自由にしてよい。首領が明日来る。今日はゆっくりしてくれ」と……。冗談じゃない。ゆっくりもなにも、生きた心地がしない。それでも二人一緒の部屋に軟禁状態だ。
つづく