Bさんの奇妙な体験(その1) --最終列車--
Bさんは「共同住宅建設班」(N准尉の配下)にいた我々の仲間である。彼は娑婆の経験も長く、建築関係に明るい。
おそらく俺より10歳以上年上だったと思う。キビキビしていて足場の上を鳶職のように飛び動く気持ちいい人だ。
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以下Bさんの体験談である。
彼は満洲北部の某省都に支店を置く某建設会社の僻地出張所の職員であった。
あるとき、出張所からさらに奥地の村の調査に同僚と二人で向かった。途中まで汽車だ。無人駅で下車。あとは徒歩。10キロメ-トル位か。
その村を足掛かりに数日かかった調査も終え帰路につく。ところが、運悪く無人駅に着いたら最終列車が通過した後だったのである。付近に人家も宿泊施設もない。
思案の末、次の駅(有人駅)まで歩くことにした。
つづく