ポルチャンカ
炭坑作業には専らパンプス状のゴム靴を履いた。ヒ-ルはない。左右もない。ガボガボのしろものである。
〈馬鹿の大足 間抜けの小足 中途半端のろくでなし〉
どんな文数でも入ってしまう、というしろものだ
靴下は白無地のネル(風呂敷状)2枚だ。これで足を包み込む。布(ネル)の端を中に折り込むのだがすぐにほぐれてしまうので始末が悪い。ゴム靴が脱げぬよう布がほぐれぬよう、発破(石炭層爆破)に使った銅線を巻つけ固定する。しかし毎日の繰り返しで訓練されたのか、コツがわかったと言うか、布はほぐれぬようになったが、ゴム靴は相変わらず銅線のお世話になったのである。如何せん靴が大きすぎた。
ネル靴下をポルチャンカと言った。
(2008.4.29 記)
【パンプス】婦人靴の一種。甲部が浅く紐(ひも)留金。ベルトなどを使わずにはく靴。
【フランネル】【ネル】起毛した柔らかい布。