兵隊・抑留記(68) 第一収容所でストライキ発生
抑留初期 - その2
☆ ソ聯側は、われわれが炭坑労務に馴れるにに従い標準作業量《ノルマ》なるものを設定し、労働の強化を図ったのである
しかも、強化の方策として、《ノルマ達成者》と《ノルマ不達成者》にわけて、食料に差をつけるよう指示してきたのである。
この命令に対して、当収容所のM大隊長は、《ただでさえ少ない食料に差をつけたら大変なことになる》と、これに強く反対し、“食料配分”は平等に行なったと聞く。
ところが、第一収容所《一炭》では、ソ聯側の指示通り食事に差をつけたため、日頃の不満が、一部作業者のストライキとなって暴発したのである。
この事件で一番泡を食ったのは、《一炭》の炭坑管理者だった。とにかく炭坑は一旦採炭が始まった坑区は石炭がなくなるまで休むわけにはいかない。
時々刻々と採炭後の《裏山》は(支柱を立てようが立てまいが、お構いなく)大地の圧力で潰れていくからだ。
つづく