カメラと兵隊 (2) | SAPPERの兵隊・抑留記

カメラと兵隊 (2)



 

 河南作戦(洛陽攻略)1944.5~ 俺の携行したカメラはドイツ製、ベスト半裁、沈胴式レンズ装着、ずんぐりしており重量感のある代物。名称は失念していたところ弟よりドイツ製でベスト半裁だったら(フォスデルビー)じゃないかと知らせてきた。カメラ博物館などで実物を見れば分かるかも知れない。
 
 レンズの明るさF・6、シャッターはフォーカルプレーン。シャッター音はカシャッと明快な感じだったと記憶する。ベストフイルム3本をようやく手に入れて戦地に赴いたのである。(ベスト判1本で8枚 半裁だから16枚 大きさ41ミリメ-トル×6・5/2ミリメ-トル)
 
最前線でウロチョロしていたため 撮影したフイルム(3本)現像焼付は出来ずフイルムの補充もできない。
 
 同年11月新しく入隊する(初年兵)の教育班長を命ぜられ、初年兵受領のため内地帰還した際、カメラとフイルムを自宅に託し戦地に赴いたのである。
 
したがって、この写真に出会ったのは、1948年の秋であった
 
東京空襲は3月10日が有名だが、その外にも何回もありその度に、防空壕に入ったり出たりしたようだ。
  
 湿気の多い環境に放置されたこともあっただろう。俺が見た時はフイルム表面は銀でギラギラしており、再現不能。印画紙はお互い張り付きダンゴ状態だった。
 
 水に浸し丹念に剥がしたが、はがれないものもあり苦労して救われたのがこの写真である。

 
従軍001  

 

 
ところが失敗がある、カメラの距離表示はフィートであった。俺はメートルと感違いして写したので 近距離の画像はすべてピンボケ。救われたのは∞(無限大)のみ。
 
 どうにか見られるのは3本中1本位か。

 

                                    2008.1.5 記

 

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参考: フォスデルビーのスペルは「Foth Derby」