東京都文京区にある「千駄木」は文京区の北東に位置し、本駒込、根津弥生と接する。谷根千の「千」にあたる。谷根千とは台東区の谷中、文京区の根津と千駄木付近の下町情緒あふれる地域の愛称のこと。

一日に千駄もの薪を伐り出した

かつてこの地は雑木林で、一日に千駄もの薪を伐り出したことに由来する説がある。1駄は馬1頭に背負わせられる荷物の量で、千駄には大量という意味もある。また、江戸城を築いたことでも有名な太田道灌おおたどうかんが植えた栴檀せんだんの林があったという説もある。

夏目漱石はこの地に住み、『坊っちゃん』『草枕』などを書いた。他にも川端康成、北原白秋、高村光太郎、森鴎外など多くの文人が居を構えた町として知られている。