ロープウェイは基本的には見晴らしの良い山間や渓谷などに設置されているものです。しかし、大都会東京、その中心街の渋谷に以前ロープウェイが存在していたことをご存じでしょうか。

渋谷に存在した幻のロープウェイは「ひばり号」という名前でした。ひばり号が渋谷にかかっていたのは1951年から1953年の2年間という非常に短い期間でした。現在の東急百貨店東横店東館(当時は東横百貨店)の屋上と西館(当時は玉電ビル)の屋上を折り返し運転の形式で運行していたひばり号は、子供くらいしか乗ることができない非常にちいさなロープウェイだったそうです。

しかし運行を開始してすぐに、当時の玉電ビルの増築工事の影響によって廃止されてしまったのです。戦後のほんのひと時しか運行されなかったひばり号は、メディア上にもほとんど写真が残っていないそうで、まさに幻のロープウェイと言えるものでした。なんだかロマンのある話ですね。