あれから 数時間 母と旦那はテレビを見て 笑ってる


「うおぉ きた きたきたぁ


陣痛の波とともに そう叫ぶと 母が


「○○くん なんか 来たみたいやで 怖いなぁ


・・・・・・・・なんだと 



ちょっとまて・・・この痛みがひいたら・・・・


「こら テレビ消せ 今すぐ出てけ


うそです・・イヤです・・ここに居て下さい・・ごめんなさい


旦那は 陣痛を測る機械を見て


「痛がったら 針が あがるんやぁ~」


な・・・なんて呑気な・・・・あたしの態度で分からんかい  空気をよめ


彼は 痛みに強い タイプ


あたしは 痛みに弱いタイプ 一人で いつも 大騒ぎしてるの


包丁で 指先 切って 貧血で倒れること 数回


そんな あたしが 出産


「さお  晩御飯 きたで」


「う~ん・・・いらない・・・


 



二人は声をそろえて 驚いた


旦那が一言  「ほんまに 痛いんや・・・


演技と 思っとったんかい 



これが演技なら ハリウッドスターじゃ


そう・・・あたしは いつもオオゲサなので オオカミ少年 扱いの日々


母が一言    「大丈夫って この子 あー言うてるけど 根性あるし」


な・・ない ない その根拠は どこからくるのさ  



おだてたって あたしは叫ぶよ・・・


って


いつ 解放されるんだろう・・・・


戻れない道に 足を踏み込んでしまった現実に 夢であってほしいと願う さおちゃんでした



そう  まだまだ 続くよ


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