あたしの 幼い頃 プロレスが流行っていた



毎週 金曜日はカレーの日・・・・・じゃなくて プロレスの日



兄に技をかけられる日々・・・ 



「さお ズボンはいておいで」   わかってます 新技試したいんですね ガーン  



最後には 泣いて終わり



あの頃は よく イジメられたなぁ



そんな 日々の中 夏休み 親子で海水浴に出かけた



お山を作っていた あたしの側に兄が来て



「遊んだるから あっち行こ」 と笑顔で誘ってきた



疑うことの知らないあたしは 喜んで ついて行ったさ



ウキワをして海の中へ・・・・



「さおまだ 足 地面につく



「うんつくよ」   



「ここは」     



「届かなくなった・・・ケド冷たくて気持ちいい



「そっか・・・じゃ・・・ここから岸まで泳いで戻っておいで」 

   


兄はそう言って一人で戻って行ったの・・・



はぁ   



なんですとぉ



小心者のあたしは まわりに 助けを求めるなんて 出来ず 必死でもがいたさ



ケド どんどん流されていく・・・周りに人も居なくなってきた・・・



それでも あたしは 人目を気にしながら もがいてた だからもう居ないってあせる



 あんな所に 大きな 船



さすがに 限界を感じ 「助けて」 叫んだね



そこへ 男の人が すごい泳ぎで向ってきたの   (北島レベルで)



ウキワを片手に 足のつく所まで 引っ張っていってくれた



「お母さんの居るとこ わかる?」



それだけ 言って 去って行った・・・・  今なら絶対 名前 住所は聞くね 



やましい気持ちはないよ 純粋に お礼がしたくてね 紳士だなぁ



母を見つけて 駆け寄ると 横には兄が・・・・・「おかえり」って・・・・



それも あなた 呑気に し・お・ひ・が・り ですかぁ



殺意を感じ あの笑顔には 騙されないぞ と 悟った 6歳の夏でした


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