アートセラピーで出店するつもりだったイベントに、ぽろっと口にした「名前入りの詩」で出店することになったものの、果たしてイベントで書けるのか?!という不安が…
どこかで習ったとかではなく、メッセージカードがわりに書いてみたら、スラスラっと言葉がでてきて、なんかわかんないけどできた
って感じだったので、正直あまり自信がなく、詩が出てこなかった時のために、国語辞典持参でイベントに出店したのでした。
ママ向けのイベントだったので「子どもの名前で書いてほしい」という方が多く
同じ出店者仲間の方々が最初に注文してくださり、そのあと周りのお友だちやお客さんにも宣伝してくださって
結局、行列ができるほどたくさんの方が来てくれました。
心配していた詩の方も、名前の文字を見たら不思議に言葉が勝手にだーーっと出てくる感じで、国語辞典の出番なしで書き続けることができました。
できあがったアートをみて、その場でポロポロ泣かれる方も少なくなく、内心、私が一番びっくりしていました。
「そんなに喜んでもらえることだったんだ…」
喜んでもらえたことに嬉しさはあったものの、私はそれでも絵本とアートセラピーにこだわっていました。(頑固!笑)
そして更に、機材を購入し自宅でよもぎ蒸しのサロンもスタートさせていました。
次男のアトピーが良くなれば、というのと、絵本とアートセラピーではなかなか収入も思うように入らず、経済的に早く自立したいと思っての決断でした。
(当時の名刺は本当にひどいもので、脈絡のない肩書きがやたらと並び
「で、一体なにをやってる人?」って思った人は沢山いたはず…( ̄▽ ̄;))
タウン情報紙に広告をのせ、チラシを配り、お客さんも少しずつ来てくれるようになりましたが
お客さんが来てくれるほどに、心の中に違和感が生まれていました。
機材は本当に良いものだと思うし、お客さんも喜んでくれていたのですが
そもそも健康機器やエステにまったく興味のない私が、無理やり興味のあるふりをしてオーナー顔をして接客している…
そして不器用な私には、サロンの運営と創作活動の並行は無理だというのも実感していました。
ついにサロンオープンから1年経ったころ、まったく自分らしく生きれていない自分に耐えきれなくなり、サロンを辞めることに。
お客さんや、サポートしてくれた人たち、関係者の方たちにとても迷惑をかけてしまいました。
辞めると決めたものの、機材はローンで購入していたので、毎月何万円もの返済が必要でしたが家計から出せる金額ではなく
お金のストレスから解放されたかった私は、とにかくもう一度介護の仕事に戻ろうか…と思っていたのですが、そのことを夫にいうと
「ほんとにそれでいいん?好きなことを仕事にしたいと頑張ってきたんじゃないの?また振り出しに戻るんか?」
その一言にはっとして
「そうだ…私の夢はなんだった?
ちょっと頑張って上手くいかなかっただけで、120%やれる限りやってだめだったんじゃない。
やれることを精一杯やってみて、それでも駄目なら、その時にあきらめよう。」
と、腹をくくることができたのでした。
「じゃあ、今の私にできることって何?
お金を頂くというのは、喜んでもらうということ。
今の私ができる、一番喜んでもらえることって何?」
そう考えた時によみがえったのが、チャリティイベントでなまえアートに行列して、涙を流してくれたお客さんの顔でした。
「他のことは一旦横に置いて、なまえアートに絞ってやってみよう」
これが、「なまえアーティスト」としてスタートを切った最初の一歩になったのでした。
さて、借金は無事返済できたのか…( ̄▽ ̄;)
続く…