「わたしたちは別れたのよ。」
「別れた女が死んでいようが、
生きていようが関係ないじゃない。」と、
俺以上に、
強い口調で言ってきた。そうだ・・
俺たちは別れたのだ。
俺から別れを告げて。だから・・
真希《まき》が生きていようが、
死んでいようが、
俺に関係ないと強く言われても、
しかたがなく。
反論などしようがない。だけど・・
だったら何故?
娘の真希を俺に預けにきた。
それを言っていこうとしたが、
娘の真希を預けられたことに、
異論はない。
あの子がいたから、
ガンのほうも四年間。
再発せず。しても・・
四年前ほど悪くはなかったのだし。
そう思っていると真希が、
「真希ちゃんを、
押しつけておきながら。」
「関係ないなんて言って、
ごめんね。」と言ってきたので、
「べつに気にしてないからいいよ。」と、
返していった。そして・・
しばらく沈黙が続き。
「あの子は俺の子か。」
「別れてから妊娠に気づいたのか。」と、
娘の真希が俺の子か。
どうか訊いていこうとしたら、
真希のほうが先に口を開き。
「でも驚いたわ。」
「三年前に預けた子に、
わたしの名前をつけて。」
「自分の子として育てていたなんて。」
「自分と同じ名前の真希ちゃんと、
同じ年の息子がいるのも知らずに。」と、
驚くよなことを言ってきた・・