こんにちは松田さおりです
これから初めて販売にチャレンジする方や、今よりもっとスムーズに営業したいという方に向けて、
『それって、今買えますか?』と言われて売れるハッピーセールスをお伝えしていくために、まずは自分史ブログ書いてます
前回のブログはこちら
父の反対を突破するため、『やるしかない!』と決めた私。
まず、目指すは「チーフ」へのランクアップ
そのため、とにかくカウンセリングと技術の練習に励んでいました
毎朝9時から2時間、朝練で先輩にチェック&アドバイスをしてもらい、営業中はまつ毛パーマやリネンの洗濯時間を見つけて同期のメンバー同士で練習。
時には、1日中(8時間)同じ相手とひたすらカウンセリングロープレ、ということもあり…
(はっきり言って、飽きます)
毎回お客様の性格や状況などの設定を変えてみたり、同じ説明でも言い回しを変えてみたりと、創意工夫をしながらロープレを重ねました。
ちなみに、同期と言っても、50代のRさんは何十年も美容業界で働いてきた人。
同い年のMさんは前職もエステで、チーフまで経験しており、基本的な仕事がすでにできる状態でした。
全くの初心者は、私と30歳のSさんだけ…
ましてや私は要領が良いほうではなく、何かを修得するには人様より時間がかかるタイプ…。
(なにせ、正の数負の数を理解するのに1年以上かかった私なので…詳しくは14話をご参照ください
)
だから、みんなに迷惑を掛けずに同じスピードで育っていこうと思ったら、人一倍の努力が必要
でも…、この仕事に導いてくれたKさんを、ガッカリさせたくはない…
一日でも早く父に認めてもらいたい
よっしゃ~人の3倍努力するぞ~
ということで、3倍かどうかは分かりませんが、帰宅後も猛練習の日々
鏡の前で、自分の笑顔を確認しながら話してみたり、お風呂にも、カウンセリングトークを書いた紙をクリアファイルに入れて持ち込み、湯船に浸かりながら声に出して覚えました。
また、休みの日には、先輩からもらったアドバイスをもとにトークを練り直し、それをまた休み明けに聞いてもらう、ということを何度も何度も繰り返し、シンプルで分かりやすいトークに仕上げていきました
技術練習は、基本的にエステベッドがないと難しいのですが、畳の上に正座をし、あおむけに寝てもらったモデル(母や姉)の顔を膝の上に乗せるという荒業で、なんとかフェイシャルの練習をしていました
そんな努力の甲斐あってか、入社4か月目、なんとかデビューすることができました
ただ、もう一つ”お客様づくり”という課題が…
カウンセリングやお手入れができるようになっても、目の前にお客様が来なければ売上にもつながらず、チーフにはなれません
しかも、勤めていたサロンでは広告集客は一切なし新規のお客様は紹介のみ
まだまだ信頼もキャリアも浅い新米のスタッフにとって、お客様からご紹介をいただくことは至難の業…
ただ、いつもスロースターターな私としては、入社したばかりで目標が達成できなかったとて、
『まあ、最初からできるわけもないし、こんなもんでしょ~』
という感じで、さほど気にもせず…。
デビュー1年以内にランクアップ出来れば万々歳と、呑気に構えていました
一方、同期のMさんは経験者のプライドに懸けて、同期で一番のランクアップを目指し、猛烈に頑張っていました
もともと、双子で比べられまくって育った私は、勝ち負けなどには不感症になっていたため、なんとも思っていなかったのですが…。
月末、店長に呼び出されました
店長 『松田さん、毎月目標達成出来なくて…落ち込んでない』
私 『はい、全然大丈夫です』
店長 『そう、なら良かった。ただ、ちょっと気掛かりなんだけど…。もしかして、自分はまだ入社したてだし…とか、Mさんはキャリアがあるからできて当たり前…とか、思ってない』
私 『…思ってます。でも、自分は自分のペースでぼちぼち頑張っていこうかなって。』
店長 『そうだと思ったわ。でもね…、私はそんな風に思ってないよなぜなら松田さんはお客様からスタッフになった人だから
Mさんは求人から来た人。Kさん(担当の先輩)ももちろん、みんな松田さんに一番にランクアップしてほしいって思ってるよ
組織から来た以上、そうすることが今のあなたの役割だよ
』
私 『…そうなんですねでも私、いつもスタートには時間がかかる方ですし…まさか1番にランクアップなんて考えてもなかったです
Mさんは前職でもチーフでしたし、成果の出し方もわかってるので…。』
店長 『そう…。そうやね、Mさんはたしかに一番目指して頑張ってるよ。”松田さんには絶対負けません!”って言うてね』
私 『…え』
店長 『あなたは負けて当たり前って思ってるかもしれないけど、Mさんはキャリアもない同い年のあなたをライバルと認めて、”松田さんだけには負けたくない”って言うて頑張ってるんよ
』
…これには驚きました
Mさんから見れば、私なんて箸にも棒にも掛からない存在だと思ってました。
ものすごく勝ち気で、いつも自信たっぷりな彼女。
こんな私を、ライバルだと思ってくれている…
何がそう思わせたのかは分からないけど、それが本当であれば、私にもランクアップできる素養があると思ってくれている、いうこと…
同期とは言え、レベルが違うと思っていた人から多少なりとも認められるということは、自己評価の低い私にとって、非常に有難いことであり、背中を押ししてくれる力にもなりました。
店長 『結果はどうあれ、できなくて当たり前っていう前提はやめて、本気でランクアップ目指してみようよもしここで松田さんが先にランクアップしたら、お店全体の空気も変わるから…
』
当時、1年以上チーフを目指して頑張っている、2人の先輩がいました。
その先輩も、きっとMさんが早くランクアップすると思ってるだろうし、追い越されるのは嫌だと思いつつも、まあMさんなら仕方がないかな、と思ってのんびりしているのかも…。
そこでノーマークの私が一番にランクアップすれば、先輩の意識も、お店の空気も変わる…
そしたら私を推薦してくれたKさんも、喜んでくれるかな
それまで、絶対に人の先頭に立つことは避けてきた私。
委員長とか、リーダーとか、班長とか…。責任を負わされそうなものはことごとく避けてきました
出来るだけ目立たない、中の下くらいに紛れてるのが常に心地よく…。
そんな私が、一番を目指す決断をすることは、とてもとても勇気を要することでした
が…。
『Mさんがそう言ってくれるなら…みんなのためになるなら…私、気持ちを入れ替えて一番にランクアップ目指します』
と、言ってしまったのでした~
でも、現実にはお客様が来ないわけだし、一番目指すって言ったって…いったい明日からどうすれば…
そう思っていた矢先、信じられないことが起こりました
なぜだかこの決断の日を境に、今まで全く紹介してくれなかったお客様がお友達を紹介してくださるようになったのです
空白だったカウンセリングの予約が1件…また1件と、埋まり始めました
すると、今まで鬼のように練習したカウンセリングがようやく陽の目を見、ご紹介いただいたお客様が一人、また一人とご入会…
そしてご入会いただいたお客様が喜んで、またお友達のご紹介をくださる…
ものすごいプラスの連鎖が始まりました
次から次へと、私の周りに、明るく素直で前向きなお客様ばかり集まるようになってきたのです
この時、
『自分が変われば世界が変わる』
ということを、身をもって経験したのでした
店長から言われたことに抵抗せず、”明るく素直、前向き”に『やります』と決断をした私。
決断をしたことで、おそらく自ら発するオーラや言葉が変わり、”明るく素直、前向き”な人に響くようになった。
多くの方から応援を頂けるようになり、たくさんの素敵なお客様が来て下さるようになった
すると、今まで頑張っても出なかった売上が、自然と出るように…
本当にこれは鳥肌モノの経験で、信じられない奇跡の連続でした
音を立てて人生が変わるという表現がありますが、まさに、そういう瞬間だったように思います
そんな中でも、あと一歩というところで力及ばず、一度はランクアップを逃してしまいました
ただ、そんな状況にあっても、落ち込むとか、腐るとか、もうダメだとか、そう言った感情には一切なりませんでした
『良くなるしかない』
もう一度チャレンジして、実力を高めるチャンスと理解し、とにかく今日やるべきことを今日やる、ということを心掛け、一日一日、前に進み続けました。
そうして迎えた4か月後…。
晴れて、チーフにランクアップできたのでした
気がつけば、同期で一番というだけでなく、会社の創業以来、最短記録のランクアップということでした
オーナーはじめ、店長、Kさん、そしてみんなが喜んでくれました。
任命状を授与されたとき、チャレンジして良かったと、心の底から思いました
そして何よりも、転職で心配をかけている家族に、いち早く報告したいと思いました
帰宅して、最初に父に言おうと思ったのですが、なんだか言い出しにくくて、先に母や姉に伝えました。
母と姉は、『へ~!もうランクアップなん?よかったな~!』と、少しは安心してくれたようでした
なんだか照れくさくてはにかんでいると、その後ろから父があらわれました。
任命状を見た父は、ひとこと、
『ふん。同じやるんやったら、せめて店長になるまではやれ』
とだけ言って去りました。
半年間、無視され続けた父から掛けられた言葉。
『店長になるまではやれ』ということは、この仕事で頑張ることを認めてくれたってことやんね…
よっしゃ~頑張ってよかった~
『家族からの反対』という壁をクリアできた自分への労いと、こんな私に発破をかけてくれた上司や同期、そして何よりも思いに応えてくれたお客様に、感謝でいっぱいになりました
『まずはやってみる』
そしてやるからには、『できると思ってやる』
そのことの大切さを身に沁みて感じた半年間でした。
とは言え、まだまだプロへの道のりはこれから
人生の歯車も、大きく動き始めます
続く。