中央アメリカの、

ホンジュラスとコスタリカとカリブ海と太平洋に挟まれたところに、

ニカラグアという国があります。

 

自然が豊かで綺麗な国ですが、

独裁政権や内戦が続いた影響で、貧困が大きな課題に。

治安はとても悪く、

強盗は昼夜を問わず発生しているとのこと。

そんなニカラグアで作られた長編映画は過去にたった数本。

 

「映画のない国は、記憶のない国だ」

というニカラグアの映画監督の言葉が刺さります。

 

 

WTPメンバーにもなってくださっている素敵な女性が、

そんなニカラグアの映画を配給されたというので、

これは貴重な機会だわと、

『マリア 怒りの娘』というニカラグアの映画を

渋谷のユーロスペースに観に行ってきました。

 

 

 

 

広大なゴミ捨て場の近くで、母親と二人で暮らしている11才のマリア。

 

国の情勢で、ただでさえ苦しかったマリア母娘の生活はさらに困窮することに。

 

母親はマリアを知人の施設へ預け、いなくなります。

「すぐに戻る」という母の言葉を信じて待つマリアでしたが……。

 

 

というお話なのですが、

 

 

子どもが生まれてから、子どもが悲しい想いをする映画には、

より一層胸がつぶされそうになる私がいます。

 

 

 

弟夫婦(アキラとミナちゃん)に、

3才のメイちゃんという可愛い女の子がいるのですが、

 

ミナちゃんの仕事が忙しくなってしまった土曜日のお昼、

弟とメイちゃんがうちに来た時があったんです。

 

弟もバタバタしていた時で出かけねばならず、

2、3時間くらいうちでメイちゃんだけ預かることに。

 

バタバタしていた弟は、

メイちゃんに自分がいなくなることを説明できぬまま

家を出て行きました。

 

残されたメイちゃんと、

弟が買ってきたバーガーキングを食べて、

さあ、じゃあたいちゃんと一緒にお昼寝しようかとなりました。

 

夫と一緒にメイちゃんとたいちゃんを寝かしつけ始めたのですが、

布団の上で横になっていたメイちゃんが突如泣きだしたのです。

 

「パパとママ、パパとママ」

 

と涙をボロボロ流しながら、

ずっと「パパとママ、パパとママ」と言っています。

 

大人びていて頭が良くてしっかり者のメイちゃんが、

こんなに子どもみたいに泣くなんてびっくり。


まあ子どもなんですけども。

 

 

「パパもママも夕方には来るからね。

メイちゃんがお昼寝して起きたら来るからね」

と説明するのですが、

「パパとママ、パパとママ」

と泣くのが止まりません。

 

そうだよね。

パパから事情も説明されずに、

突然違う家族とのお昼寝が始まったら、いくらなんでも不安よな。

 

 

メイちゃんの止まらない「パパとママ」を見ながら、

当たり前ですが、

メイちゃんにとって弟夫婦の存在がどんなに大きいか、

パパとママの不在がどんなに悲しいかが改めてわかったのでした。

 

 

まあ、トーマスのYouTube見せたら
一瞬で泣きやみましたけど。

 

 

 

たいちゃんも、夜中に目が覚めた時に私が隣にいないと

「お母さん、お母さん」と泣くのです。

 

 

母も幼い日に、夜目覚めたら母親がいなくて、

不安でたまらなくて妹の手を引いて

外に母親を探しに行ったことがある。

子どもは絶対親を探すから、だからそばにいなきゃダメ。

 

とよく言っていました。

 

 

 

少しの時間いなくなるだけでも

子どもは寂しくて不安なのに、

『マリア 怒りの娘』の、

母親が消えた後のマリアの不安な気持ちや悲しみの大きさたるや。

 

 

そしてラストシーンのマリアの表情が圧巻な、そんな映画でした。