育児をちっとも楽しんでこなかったなと思います。

 

 

たいちゃん(息子)が寝てる時は、

乳幼児突然死症候群になってないか常に不安でいっぱいだっだし、

 

 

いつ寝返りできるのか、

いつお座りしてくれるのか、

歯はちゃんと生えてくるのかとか、

 

定期健診で何か指摘されないかとか、

 

生後〇ケ月で赤ちゃんは〇〇しますという世間一般の目安に

ちゃんと追いついているのかとか、

 

常にいろいろ不安だったなと思います。

 

 

定期健診で他の子を見て、

「えっ。もう歩いてる」とか、

「えっ、おしゃべりしてる」とか、

周りと比べては、

焦ったり落ち込んだりしていたなと思います。

 

可愛いのに、あんなに可愛いのに、

素直に可愛いと思えた瞬間は、

もしかしたらそれほど多くないのかもしれません。

 

 

たいちゃんが笑っても、

「はいはい、新生児微笑ね」

とか、

 

拳を上に突き上げてる可愛い姿も、

「はいでた、ハンドリーガード」とか、

 

可愛らしく大人の手を引っぱる時も、

クレーン現象…?大丈夫かな…」

 

と、育児知識があるが故に、

たいちゃんの新しい仕草に、さして感動もしてきませんでした。

 

 

 

もしもタイムリープできるなら、

たいちゃんの生まれた頃に戻って、

何の知識もなく、

もちろん知識がないことは危険ではあるのだけれど、

 

でもただただ、

たいちゃんの可愛さだけに向き合う子育てをしたいなと思いました。

 

 

「あ、笑った」とか、

「何このポーズ可愛い」とか、

「手を引いてくれるの愛おしいな」とか、

 

何の不安もなく、

たいちゃんだけを見て、その成長を喜びたかった。

 

 

誰とも何とも比べずに、

たいちゃんだけを見て可愛さを噛みしめたかったなと思います。

 

 

 

ということを考えていてふと、

 

 

タイムリープしたらやりたいたいちゃんとの向き合い方を、

 

すでにやっているのが夫だなと気づきました。

 

 

 

夫は仕事が忙しく、

育児に関することを調べたりとか考えたりとかはしてくれないタイプで、

 

 

私はたびたび、

「この育児書のここ読んでくれた?」とか、

「どうして一緒に考えてくれないの」とか、

 

 

文句を言ったり不安をぶつけたりしていました。

 

 

 

先日、母から公立の療育よりも

私立の療育の方がいいらしいという話を聞いて、

 

 

やっぱり私立の療育に入れるべきなのかな、

保育園でお友達は「たいちゃん、おはよう」って言ってくれるけど

たいちゃん答えられないし、やっぱりいろいろ遅れているし、

もっと効果の出る療育の方が……

 

ああ、私がバカな母親だからダメなのかなとか、

 

いろいろぶつぶつ言っていたら、

 

夫が一言、

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっとずつでも進化してるからいいんじゃない?」と。

 

 

 

 

 

 

あぁ、と思いました。

 

 

 

 

私は他の子に追いつかせなきゃという気持ちでいっぱいだったけど、

 

夫はたいちゃんだけを見てくれているんだと思いました。

 

 

たいちゃんだけを見ていたら、

たいちゃんは少しずつでもちゃんと進んでいるんだ、

ちゃんと進化してることを感じられるんだ、

 

 

そうだよなと思いました。

 

 

 

たぶん夫は何気なく言った言葉だったけれど、

 

なんだかフッと肩の力が抜けたような感じがしました。

 

 

 

夫は育児に関してほとんど何の知識もないけれど、

 

だからこそたいちゃんとだけ向き合えているのかもしれません。

 

 

朝たいちゃんを見ては「かわええのぅ」と言い、

たいちゃんに「カカ(たいちゃん語でパパの意)、やだ!」

と嫌がられても抱きつきにいき、

 

ご飯を食べる姿を見ては

「あー、可愛いなー」としみじみ言い、

 

夜たいちゃんの寝顔を見ては、

「かわええのぅ」「なんでこんなに可愛いんじゃ」と言っています。

 


「こんなことできるなんて天才なんじゃないのか」「賢いなぁ」と、

とにかくたいちゃんの全てを全肯定してくれています。





 

 

あんなに夫に文句を言っていたのに、

 

 

 

私いま、そんな夫に結構救われているなと思うのでした。