「我が子が初めて発する言葉ってなんだろう」

と、ずっと楽しみにしてきました。

 

あの可愛い声で「ママ」とか「お母さん」って呼ばれたら、

私感動して泣いちゃうんじゃないかなと思っていました。

 

初めての言葉、「ママ」だといいな。うふふ。

 

あぁ、でも家で一番私が発してる言葉が「アレクサ」だから、

もしかしたらアレクサかな?うふふ。

なんて思っていました。

 

 

ある晩のこと。

寝かしつけ中にたいちゃんが、「だいっきー」と言いました。

 

だいっきー…?

あ…もしかして「大好き」…?

 

私が寝る前にいつも「大好きだよ」って言ってるから…?

 

初めての言葉、もしかして「大好き」

 

なにそれ可愛すぎる…!天使過ぎる…!!

たいちゃん可愛い!

初めての言葉が「大好き」可愛い最高!

 

 

 


 

 

しかし二度と発することはなかった――

 

 

 

 

 

 

 

一般的に話し始めるとされている1歳6カ月になっても話す気配はなく、

1才10カ月になっても話す気配はありません。

 

たいちゃんより約二カ月先輩の姪っ子のメイちゃんは

いろんな単語を話しているし……
 

橋本マナミさんのお子さんも

「1才9カ月で言葉の爆発が起きてておしゃべりが止まらない」

とブログとかに書かれていたし……

 

周りの子ども達と比べてまったく話す気配がない我が子に焦る日々。

 

 

 

そうだ…!友人Sは…!
友人Sのイケメン息子S太くん、たいちゃんより約1カ月先輩。

 

友人Sとはこれまでも共に、

「まだお座りしない」「うちもだ」

「噛みついてくるんだが」「うちもだ。マジで痛い」

と共感と理解を示し合ってきた育児戦友S…!

 

期待を込めて友人Sに

「たいちゃん未だにまったく話さないんだが」

とLINEしてみました。

 

「うちもだ」という答えを待っていました。

 

 

友人Sから返信がきました。

 

 

「この前実家帰った時、ワイの母子手帳が出てきたんだが、

10カ月くらいでしゃべり始めてて、一歳二カ月で父さん母さんと言ったと記載があった。

親は天才だと思ったらしい。

 

で、何が言いたいかというと、それでその後どうなったかというとどうもならんかったし、

天才でもなかったという話。

 

この時期の差って一時的なものでしかないのでは?と思うようになった」

 

 

 

 

 

……S太くん、お話できるようになったんやな(察し)。

 

 

 

 

 

 

自分の子が言葉を発しないことに頭を悩ませる日々。

 

子どもが話さない原因を検索しては眠れなくなる日々。

 

 

人間ってどうやったら話すんだろう……

思えば言葉を話せるってすごいことだよな……

 

 

うーん……

何か……何かきっかけがあれば……

 

 

そう、ヘレン・ケラーがポンプから出てくる水を触り、

これが「ウォーター」だと理解した時のような……

 

 

 

何?何なの?

たいちゃんにとってのウォーターは何?

 

 

 

そんなことを考えながら過ごしていたある日。

 

たいちゃんと入浴中、

 

たいちゃんの体を洗いながらハッとしました。

 

 

母親としての勘とでもいうのでしょうか。

 

たいちゃんにとってのウォーターはこれなんじゃないかとハッとひらめいたのです。

 

 

 

 

 

 

 

「たいちゃん、これね、ち○ち○」

 

 

 

 

 

 

たいちゃんは嬉しそうにち○ち○を触りながら発しました。

 

 

 

 

 

 

「ちんちん」

 

 

 

 

 

 

あぁついに……

ついにたいちゃんの中で言葉と物がつながった――

 

 

「ちんちん、ちんちん」

 

と楽しそうに言うたいちゃんの横で私は感動で泣きそうでした。

 

 

 

そうだよたいちゃん…

すべての物には言葉があるんだよ……

 

 

これでもう大丈夫…

たいちゃんはきっとお話できるようになる――

 

 

 

 

 

 

 

つづく