私が生まれた時にはすでに、

祖父は二人とも他界していたので会ったことはなく、

 

祖母は二人とも元気だったけれど、

 

戦時中の話を祖母から聞いたことはなく、

 

だから自分の中に戦争への嫌悪感があるのは、

 

『火垂るの墓』だったり、『はだしのゲン』だったり

『二十四の瞳』だったりの、映画や漫画のおかげだなと思います。

 

戦争というものが、いかに一般市民からありとあらゆるものを奪っていくか。

 

映画や漫画で見た強烈な映像やストーリーは、

恐怖心と共に反戦の気持ちを植え付けてくれました。

 

 

 

先日『ライフ・イズ・ビューティフル』を観返しました。

 

第二次世界大戦下のユダヤ人迫害を、

ユダヤ系イタリア人親子の視点から描いた作品です。

 

(ネタバレになるので観てない方は読まないでください)

 

 

主人公のグイドは、陽気でユーモア溢れる男性。

ひと目惚れしたドーラを、ユーモアで口説き落として結婚。

 

そして可愛いジョズエという息子が生まれます。

 

シャワーが嫌いで、戦車のおもちゃが大好きなジョズエ。

 

グイドたちが幸せな家庭生活を送る一方で、戦時色は濃くなっていき、

三人は強制収容所に送られます。

 

ドーラと引き離されて悲しむジョズエにグイドは嘘をつきます。

 

「これはゲームなんだ。泣いたり、ママに会いたがったりしたら減点。

いい子にしていれば点数がもらえて、1000点たまったら勝ち。

勝ったら、本物の戦車に乗っておうちに帰れるんだ」

 

つらい収容所生活も、グイドの言葉で、

ジョズエにとっては楽しいゲームになりました。

 

 

子どもができて観返して、やっぱり号泣したんですけれども、

グイドは親として、とんでもなく偉大でした。

 

子どもの心を守るための嘘をつき、

辛く苦しい収容所生活の中、命を賭けて、

息子に成功体験をさせてるんです。

 

父から子への贈り物の深さに胸が締めつけられました。

 

 

 

 

 

私も父にいろんなものを贈ってもらいました。

 

多くのことを教えてもらいましたが、

一番印象に残っているのは、

「人は泣かせるより笑わせる方が難しいんだ」という言葉です。

 

 

「笑いに大切なのは"間"だ。吉本新喜劇を見て"間”を学びなさい」

と教えてくれた、お笑い芸人でも何でもない一般人の父。

 

 

吉本新喜劇は面白かった。

 

 

だから私にとって「よしもと」は、事務所の名前ではなくて、

「面白いもの」の概念のような存在でした。

 

 

ここ何年かの間、「お笑い」が「不謹慎」に敗北していくのを、

どこか悲しい気持ちで見ていました。

 

 

3.11の時、多くのお笑い芸人が落ち込み葛藤したそうです。

感染症とも戦うことはできなかった。寄り添うことしかできなかった。

 

 

でも、戦争とは戦えるんです。

お笑いに映画。エンターテイメントはきっと、戦争と戦うことができる。

 

チャップリンのように。

 

 

 

チャップリンの戦い方が好きでした。

私は父とグイドとチャップリンを尊敬しています。

 

 

 

 

 

ブログを書き始めた頃、

 

詳しく書くことはできませんが、

我が家は一大事に見舞われておりまして、

 

日常生活で何かと戦うことってあまりないと思うのですが、

何かと戦う事態になりまして、

 

私は眠れないし胃が痛いし、夫は血便を出すしで、

でも負けるものかと思いました。

 

負けない。でも暴力で戦いたくはない。

 

怒りや悔しさがストレスとなって身体を蝕んでくる最低最悪なコンディションでも、

それを感じさせずになるべく楽しいものを書き続けることを、

自分の戦い方にしようと思ったんです。


 

 

……ちょっと何言ってるかわからない感じになってきてすみません。

 

 

これからも時に不謹慎な内容の記事を書くこともあるかもしれませんが、

あ、戦ってるんだろうなと思って見逃していただけますと幸いです。

 

 

 

 

今夜も明日の夜も明後日の夜も、

子ども達が、大人達に守られて、

どうか怖い夢を見ずに眠れますように。