つづき。

 

子宮頸管が短くなる原因は、

動き過ぎてお腹が張ってるとか、

感染症にかかっているとか

いろいろあるみたいなのですが、

 

私の場合全然動いていないしお腹も張っていないし、

検査の結果感染症にもかかっていなかったので、

 

たぶん「子宮頸管無力症」なんじゃないかなと

検索魔の私は思っていたのですが、

 

入院から数日経って、

先生もたぶん子宮頸管無力症であろうと結論づけてくださって、

子宮頸管縫縮術というのを受けられることになりました。

 

 

(…たぶんですけどこの記事、子宮頸管の短さに悩んでたり、子宮頸管無力症の人じゃないと全然面白くもなんともなくて、そして子宮頸管無力症の人って全妊娠の0.06~1%だそうなので、なのでほとんどの人に面白くないんですけれども、でも流産や早産の原因の20%占めてる怖い病気なので、悩んでいる人や思い当たる人に届けこの体験記…!)

 


 

この手術が成功したら、

退院して家で安静にしても良くなるかもとのことで、

 

お腹の子も助かるかもしれないし、

家(実家)にも帰れるかもということで、

希望の光が見えてきました。

 

 

私、妊活中に手術2回してるんですけれども、

 

一回目が子宮外妊娠で、

二回目が下血が止まらず何度トイレに行っても便器が血まみれになる

世界でも40件くらいしか症例がない虫垂出血という病気だったんですけれども、

 

 

なので若干の手術受けプロを自負しておりまして、

 

父親が手術を受ける時とか、

「全身麻酔から目が覚める時怖いよぉ」的に、

 

 

手術マウンティングしてしまうんですよね。

 

保険金もらう手続きとかももはやプロ化していて、

保険の担当の方に「すごい!元取れてますね!」って褒められました。

 

 

以下は手術受けプロの私が手術の翌々日に書いていた体験レポートです。

 

 

☆手術前☆

手術前日、食べて良いのは22時まで。

 

ここで手術受け素人の方であれば、

夕飯を食べたあとから寝るまで何も食べないと思われますが、

手術を受ける玄人である私は、

22時ギリギリ前にお腹に何か入れます。

 

こうすることで術後の空腹にも耐えられる時間が伸びるのです。

 

夜中にもそもそバナナなどを食べる私。

 

水を飲んでいいのは朝6時半まで。

これもギリギリまで飲みます。

 

点滴は朝6時に装着されました。

 

手術受け素人さんであれば、

点滴をつけて歩くことを嫌だなぁと思われるかもしれませんが、

手術受け玄人の私からしたら、

点滴なんて『母をたずねて三千里』のマルコ少年でいうアメデオ🐒くらいの感覚です。

 

点滴からは、ウテメリン(子宮の収縮を抑える薬。おなかの張りや下腹部の痛みをとり子宮の状態を正常に保って流産や早産の進行を抑える)が流れてきます。

 

ウテメリンの副作用として、動機息切れや手の震えなどがあるそうです。

心臓がお腹の方までバクバクしてることや、手がプルプルすることを楽しむ私。

 

手術時間が来て、

下はパンツ一丁になった状態(手術をすぐ始められるようにパジャマや毛糸のパンツは脱いでおくそう)で車椅子に乗り、

アメデオ(点滴)を連れて手術室に出発進行。

 

☆手術☆

手術室の入り口で、麻酔科の皆さんが迎えてくださいました。

アクセサリーなどついてないか確認され、手術用の帽子を装着。

皆さん丁寧で優しい。

 

部屋の中央には無機質な手術台が。

天井には手術室独特のライトがドーンと。

 

手術受け素人さんだと、この時点で怖くなったり、

「ドラマみたい」と思ったりするのでしょうが、

私のような玄人になると、

なんかもう「ただいま」みたいな感覚になります。

画像3を拡大表示

 

手術室にはクラシックが流れていました。

事前に「手術中、患者さんにリラックスしていただくために音楽を流しているのですが、お好みのジャンルはありますか?」と聞かれて、

 

J-POPやジャズなどが並ぶ中からクラシックを選んでいたのですが、

J-POPを選んだら何が流れていたのか気になりました。

SMAPとか安室ちゃんかな。

J-POP聴きながら先生たち手術に集中できるかな。

 

などなど考えながら手術台の上へ。

 

麻酔科の先生が下半身麻酔を打つので横向きになって、

膝を抱えて胎児のような姿勢になるよう指示してくれます。

 

手術は怖くないけれど、下半身麻酔は怖かった。

なぜなら以前別の手術で受けた時、それはそれは痛かったからです。

 

「はい、ではこれから麻酔を入れるための痛み止めを打ちますよ。

静かに息をしててくださいね」

 

麻酔科の先生の優しい声が聞こえてきます。

 

「少し痛いかもしれません。

はい、じんわりした痛みが腰や足の方に広がっていってるかと思います」

 

……痛くない。前より全然痛くない。

この先生、注射うまい…!

そして先生の言う通り、

ペンチで軽くつねられたくらいのじんわりした痛みが広がってく…!

 

その後の麻酔の方は打たれたかどうかもわからない感じで、

徐々に痺れが下半身全体に広がっていきました。

 

正座した時に足がじんじんしびれるやつの強い版が、

腰から下全体に広がってる感じです。

 

「はい、では麻酔が効いているか確認していきます」と、

アイスノンをまず肩に当てる先生。

 

「これ冷たいですか?」

「はい」

 

次に太ももに当てる先生。

「これは冷たいですか?」

すごい。冷たさ何も感じない。

 

いろんな場所にアイスノンを当てて、

麻酔が効いてることをテキパキ確認していく先生。

なんだかかっこいい。

 

麻酔は効いてきたけど、

薬のせいかちょっと吐き気みたいなのがでてきました。

 

「ちょっと気持ち悪いんですけど…」というと、

「大丈夫ですよ。今から気持ち悪さがなくなる薬を点滴で流していきますからね。

すぐに楽になりますよ」と頼り甲斐のある先生。

 

実際すぐに気持ち悪さがなくなり、

先生への信頼感と依存心が高まりました。

 

「不安かもしれませんけど、

僕たちが血液の酸素とか、

血圧の数値ずっと見てるので大丈夫ですよ。安心してくださいね」

 

 

好き。もはや好き。

 

 

麻酔が下半身に効いたので、手術開始です。

手術着を着た担当医の先生(クールビューティー)がかっこいいです。

 

目の前にバスタオルで仕切りを作られて、

手術の様子を見ることはできませんでした。

 

何されてるか、自分が今パンツをはいているのか否か、

どんな足のポーズをしているかもまったくわかりません。

 

下半身が消えてしまったような不思議な感覚。
 

面白いなぁと、手術受け玄人の私は微笑んでいました。

 

クラシック音楽がうるさくて、

先生たちが何を話しているかも聴こえません。

 

そして私が子宮頸管無力症なばかりに、

こんなたくさんの方のお手数をおかけし申し訳ないという気持ちと感謝の気持ち。

 

手術開始から14分(←時計見てた)。

 

クラシック音楽の合間から、

 

男性医師がクールビューティー先生を

「すげーじゃん。いいじゃん。めっちゃいいじゃん」

褒めちぎっているのが聴こえてきました。

 

子宮頸管の縫合のことに違いありません。

 

無事成功に終わったのだなとホッとしました。

 

緊張から解放されてちょっぴりフレンドリーになったクールビューティー先生が、

「終わりました。子宮頸管3センチになりました」と教えてくれました。

 

良かった…。

後で夫がクールビューティー先生から説明を受けたところによると、

子宮頸管1.8センチという状況に加え、

子宮口が指一本分開いていたそうです。

 

子宮口が1センチ開くと、

2週間とか、人によっては2日後とかに破水したりするらしいので、

あのまま手術を受けなければ、

お腹の子が確実に出てしまっていたのだとゾッとしました。

 

☆手術後☆

手術後は、オムツ的なものをつけてもらってベッドに寝たまま病室に戻ります。

未だに自分の足がどんなポーズになっているかわかりません。

 

麻酔が切れるまでは4~5時間。

尿道カテーテルにつながれてベットから起き上がってはいけません。

 

翌朝までこのままです。

腰が死にますが、まああと20時間弱耐えればいいだけです。

 

麻酔のせいで寒くて、電気毛布を入れてもらっても寒い。

熱も高い。心臓は相変わらずバクバクで、手も震えています。

 

5時間くらいかけて麻酔が消えていくふわふわとした身体の感覚を楽しみながら、

ひたすら時が経つのを待ちます。

 

麻酔が切れた後も痛みはなく、

クールビューティー先生の手術がうまかったのだなと感動。

 

朝が来て、膣を消毒してもらい、尿道カテーテルがはずれスッキリ。

 

貧血の数値が出ていたということで、点滴に鉄剤が加わりました。

アメデオパワーアップ。

 

これから先どうなるかまだまだわかりませんが、

まずは子宮頸管を縫縮してもらったことで

赤ちゃんが生き延びられる可能性が増えたことが、とても嬉しいです。

 

あとは信じて、ひたすら安静に過ごそう。

 

 

おしまい

 

 

 

 

 

入院中の暇さがわかる長文体験記…!

 

 

 

……私がんばったな。

 

 

 

つづく