撮る幸せも 見る幸せも。
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PhotoWin 福田沙織です。
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今年の目標のひとつに、小説を50冊読む、というのがありまして。
去年は50冊いけるかなと思ったのに、そして時間がめちゃめちゃあったのに
小説は34冊。おっかしいなぁ。
何かの調べものとか勉強のためのナナメ読みのものは別にしても、もうちょっといけると思ったんだけど。おっかしいなぁ。
と、いうことで。
今年は読んだ本の感想ブログも書いていくことにしました。
感想は、実は「読書メーター」という読書アプリでちょこちょこアップしていて
わりと反響があるから楽しい。
ただ、文字数制限があるので、書ききれないのでね。こっちでちゃんと書こうと思った次第でもあるわけです。
あらすじを紹介する、というものではなく、あくまで私の感想日記。読書記録。
何か小説読んでみようかな、という方の参考になったりしたらうれしいです。
読書日記 1
柚木麻子 「BUTTER」 新潮文庫
読了日 2021/1/13
2007年から2009年にかけて東京で起こった、連続不審死事件の死刑囚 木嶋佳苗をモデルにした小説。
モデルはあるけれど、あくまでノンフィクションです。
主人公は出版社の記者で、連続不審死事件で拘留されている被告人を取材しようと
どうにか面会しようとする。
この被告人「カジマナ=梶井真奈子」のモデルが、木嶋佳苗。
木嶋佳苗事件で話題になったのは、そのグルメっぷり。
本書でも被告のカジマナは「美食家」で、カジマナの好きな料理やレストランを追体験することで、主人公が被告に近づいていく。
前半の登場人物の関係性をじっくり書き込む流れとカジマナの好物
正直ちょっと長くて食傷気味になってしまい、心が折れそう
とにかく食べ物、それもこってりとしたものの描写が多くて、なのに「食べたいー」「お腹すいたー」ってならないのは、その描写がなんともいえない不穏な感触を醸し出すから。
食事の描写がリアルで吐き気がするほどだった。
「ゆるゆる」「どろり」「ねっとり」「じわじわ」
息苦しさを感
ちょっと読むのが辛くなってきそうだな、という寸前で物語が一気に動き出す。
前半でとても丁寧に描かれた主人公の親友や会社の人間関係が、説得力をもち始めて物語をどんどん推し進めていくスピード感。
特に親友の行動がすごくて、なのに「急にどうしたどうした?」と思わせないのは、前半のエピソードがあるからか?
それにしても、
なんでこんな女に?と思うんだけど(そして木嶋佳苗の写真が頭をよぎるし)、不思議と魅力的に思える瞬間があるから怖い。
そして、本当に起きた木嶋事件の被害者たちも、きっとこういう風に絡めとられていったんだろうと思うと、ぞっとする。
後半の展開は前半に比べて、光を感じられてよかった。
事柄の進行ももちろんだけど、
主人公が周りの手を借りて少しづつ自分の幸せや充足感にについて(本書の中では「適量」という言葉が使われる)考え価値観の輪郭をもち始める様子が力強くて、
人のターニングポイントはいつでも遅くないなと思わせてくれる。
読後感は読み出しとは全く違う、生活すること、生きることに対する明るさを感じられた。
柚木麻子の本は昨年読んだ「ナイルパーチの女子会」に続き2冊目で、
ナイルパーチも「ヤバイ女たち」の話だったけど、
「BUTTER」もなかなか。(ナイルパーチはドラマ化されるからそれも楽しみ!)
お時間のある方はぜひ読んでみてね^^
ここまで読んでくれてありがとう!
God bless you!