楽しかったツアーを夕方に解散

夜からはトゥクトゥクで”町めぐりツアー”を予定していた。

 

トゥクトゥク………

 

日中の余韻を残し次のツアーが始まるまで3時間ほど余裕があった。

近くにデパートがあったので中を見て回ってもすぐ終わり時間を持て余した。

外へ出るとアユタヤツアーのメンバーに遭遇しそこで小一時間程話し込む。

まだ早いがとりあえずトゥクトゥクのツアーの集合場所付近まで移動することにしバイタクを呼ぶ。

 

移動したのち指定場所近くの目印のコーヒーショップを探すが見当たらず。

『場所間違えた???』

現在地とツアー会社指定のよくわからない住所とをしばらく見比べながら間違えたことに気付きもう一度Grabからバイタクを呼ぶもなかなか来ず。

 

『こんなこともあるよね。次は大丈夫。』

時間にもまだ1時間の余裕があった。

 

車道に向かって待っているとき、自分の呼んだバイタクとは違う人が来て

自転車「乗るか?!」

にっこり『アプリで呼んでいるからそれを待ちます』

一旦引き下がる。

自転車「乗ればいい!!乗るんだ!!」

驚き『え。待つからいらない』

自転車「キャンセルすればいい!乗れ乗れ!」

 

しつこいなと思いながらも呼んだバイタクも渋滞にハマっているのかアプリ上で進んでいない状況を確認し、その強引なバイタクに乗ってしまったのだ。

残り時間40分

 

これまでのどのバイタクよりも運転が荒い。

蛇行運転、割り込み、クラクション鳴らしすぎ。怖い。こちらはノーヘル。

更には場所を把握していないのか同じ景色を2周。

信号待ちで、もう一度マップで場所を確認させるが見ているのか見ていないのか適当にうなずくこの男。

降りると伝えるも降ろしてくれず。乗るんじゃなかったとこの時に後悔する。

時間が迫る。

残り20分

 

先程通った橋の手前に来た。3周目…

もう逃げよう、このまま乗っているといくらボラれるかわからないしいつ事故に合うかもわからない、こいつと死ぬのは嫌だ!!

信号待ちを見計らい20バーツ手渡しバイクを飛び降り猛ダッシュ。

少し離れた物陰でその男が離れて行くのを待った。

残り10分

 

次のバイタクを呼んですぐにツアー会社に電話して説明するも他にもお客さんもいるため待って15分とのこと。

やっとのことで集合場所に到着したときには15分待ってもらった時間から既に5分程経過しており、トゥクトゥクの待つ場所にそれはなかった。

 

 

後5分早ければ。あんなバイクに乗らなければ。あの時きっぱり断り呼んだバイクを待っていれば。

 

タラレバが止まらなくなり涙が流れて止まらなくなった。

仕舞いには嗚咽まで垂れる始末。

『なんでこんなところにひとりでなにしに…』

 

昼間までとても楽しかったのに、タイの繁華街、人通りの多い道の隅で悔しさと怒りと虚しさでとめどなく涙が出てしまう。

 

近くにいたバイタクの集団に話しかけられる。

自転車「どうしたの?」(アプリなしなので多分)

 

むかつき『あなた達の仲間に騙され時間に間に合わなかった!』

 

あたっても仕方がないとわかりながらも感情がむき出しになり止められなかった。

そんな私を近くのベンチに座らせ、ひたすら背中をさすり落ち着くまでそばにいてくれ、時には私の真似をし「えーん、えーん」と茶化し笑わせてきたり。

 

落ち着きを取り戻すと何があったかを説明するように促され、経緯を説明した。

彼らによると中にはそういう悪質なバイタクもいるので絶対に乗ってはいけない事、私が逃げた行為は勇気があるねと、注意と励ましを受けた。

 

彼らにお別れをしトゥクトゥクには乗れなかったが繁華街の真ん中だったのでマーケットを見て回り、少し頭を冷やそうと歩けるところまで歩くことにした。

タイもクリスマス仕様

なにかのフェスで浮かれる人々

結局この旅行でトゥクトゥクには乗れていない。この先トゥクトゥクを乗ることがあれば、きっとこの記憶を思い出すだろう。そして涙と鼻水でぐちゃぐちゃな顔の私に寄り添ってくれた優しいバイタクの彼らのことも。恥ずかしい。。。