リリーッス!サオリリスです。

5日目

6/19(金)☂とっとり花回廊

朝9:30、米子駅からの送迎バス(30分に一本・無料)に乗る。
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地元なのに行ったこと無い、知らないというのはよくあることだし、きっとあなたにもそういう場所があるはず。それが私にとっての花回廊だ。天気は雨。

10:00、手渡されたキャップやカッパに着替えて(こういうのが似合ってしまう)自己紹介し、説明を受ける。

このキャップである。
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午前中は百合班に配属された。名前は百合だが班員は全員おじさんだ。バラはバラ班、樹木は樹木班とそれぞれに班があるらしい。

百合の花壇で、枯れた花や傷んだ花、落ちた花や花びらを摘み取り回収していくのだが、なんと、百合だけでも数万本もあるという。「(マジか!今日の相当しんどいのでは・・・)」

広い敷地内を、軽トラックで移動する。花回廊、日本最大級をうたってるだけあってかなり広い。
こんなに広いんだから確かに百合が数万本あってもおかしくないと思いつつ、にしても多いとも感じつつ、地道な作業にとりかかる。

バケツを持って回収した百合やその欠片をポイポイ入れていき、いっぱいになったら軽トラックの荷台の大きな袋にまとめていく。
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枯れていたり傷ついていたりしていてもやっぱり百合は百合。採ってしまうのが勿体無いくらい美しい。

「(そういえばお母さん、百合が好きって昔言ってたな~)」なんて、小さい頃の何気ない記憶が蘇った。そんなの忘れてたけど、ふと。

百合と言うと純白のカサブランカを想像しがちだが、意外と鮮やかなオレンジや黄色、紫の花もある。私のお気に入りは黄色の百合だ。花言葉は「陽気、飾らぬ美」。私にピッタリである。

時々、葉や茎の部分に蜘蛛の巣が張っていて、そこに雨滴がキラキラとビジューのようにくっついている。のだけど、たまに気づかないで顔から手から、蜘蛛の巣に突っ込んでしまい、思わず「うぇっ!」となる。

そんな私におじさんが教えてくれた。「クモがいらん虫(花にとっての害虫)を捕って守ってくれちょーだがん。」
なるほど。クモも大事な仕事を担っているというわけだ。これからは思いきり顔から突っ込んでいこう。(イヤ!)

あいにくの雨は、夏場に外で作業する身にとって救いの雨だ。おかげでとても涼しく作業も苦ではない。天気が良くて暑い中でのこの作業はきっと地獄だったと思うし助かった。
そんな天気の中、おじさんたちに囲まれての午前の作業が終了。

私が作業風景や花を撮っていたら、おじさんが「撮っちゃるぞ」と気を回してくれた。
おじさんはおじさんではなく、おじいちゃんとおじさんの中間くらいのおじさんなので、正直「え!撮れんの?」と思ったがiPhoneを渡し、私はラベンダー畑に立ってみた。
「(本当にやれんのか?使えんのか?)」

・・・・・・・・。

撮れていた。
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(おじさんありがとう!!)


昼食は、せっかくなので花回廊内にあるレストランで食事をとることにした。お昼どきともあってにぎわっていたが、みごとな年齢層。「全員(綾小路)きみまろ世代だ・・・」脳内で、スッときみまろが扇子を広げた。
平日の昼間だし、そりゃそうかと眺めながら、私はカレー(800円)を頬張る。おお!結構うまい。
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午後からは百合班ではなく、ハーブを担当する女性の班に配属された。ハーブガーデンでは90種類ものハーブを見ることが出来る。季節ごとにハーブの香りが漂うと、花回廊のサイトに書いてある。

その中のレースフラワーという花がそろそろ散りそうなんで、その世話をやくのが午後の作業。花が散り種が落ち、どんどん増殖してしまうのを防ぐため、あらかじめハサミで切り取ったりする。レースフラワーの白い花はとてもかわいらしいのだが、ここにももちろん虫はいる。見たこともない色のカメムシにはギョッとした。クモもハチもいる。
だんだん慣れてくると、多少の虫には動じずに作業できるようになるのだが、ブーーーンと耳元を通られるとやはりヒッ!!とビビってしまう。人って弱い生き物だ。

ハーブ班の方が、「せっかくだし」と花回廊内を案内してくれた。園内は、フラワートレインというメルヘンな列車が走り20分かけて一周してくれるのだけど、私たちは軽トラック。これはこれでいい。
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花回廊の真ん中にあるフラワードームにはヤシの木が天井をつきやぶりそうな勢いで伸びている。熱帯・亜熱帯の植物、蘭のトンネル。ガラスで出来たドーム型の温室は、バカンスの雰囲気がある。

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再び外。ヨーロピアンガーデンではまだバラを見ることが出来た。その裏の道にはあじさい。ぽってりと鮮やかに咲いた花が、雨に濡れてとても綺麗。
「鳴神の 少し響みてさし曇り 雨も降らぬか 君し留めむ」
「鳴神の 少し響みて降らずとも 我は留まらむ 妹し留めば」
この時期の花回廊は『言の葉の庭』だ。
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晴れていれば向こうの方に大山が見えたり、青空とのコントラストだったり、もっと良さがあるんだろうなとは思うけど、雨なら雨でしとしととした良さがあるし、日によって違う表情を見ることができるので、いつ行ってもいいね!花回廊。

少しだけだけど仕事させてもらって、園中に広がる花の絨毯を、沢山の人が作り、守っていることを知った。
いつかあなたが花回廊を訪れることがあれば、そのことを少し思い出してもらいたい。

ちなみに花回廊は、コスプレイヤーにも優しい。着替えるところも貸してくれるし、撮影ものんびり自由に出来るので、オススメ。

詳しくは→
http://www.tottorihanakairou.or.jp/

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とっとり花回廊の皆さん、ありがとうございました!