リリーッス!あなたのポケットモンスター・サオリリスです。
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クラッカーとチーズ(大好物)を買って、映画観ながら食べたよ。飲み物はワインじゃなくてお茶だけどね。
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■「告発」/マークロッコ
米・アルカトラズ連邦刑務所での看守による囚人虐待を告発し閉鎖に追いやった、"ヘンリーヤング裁判"を元にした映画。
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全く、ケヴィンベーコンよ。
気の病んだ囚人という役所、演技うまいよ、たまらんよベーコン。塩コショウ振って、毎日食いたいくらいだよ。

そんなケヴィンベーコンが演じるのは、幼き頃に両親を無くし、妹を養うために5ドルを盗んだことから、アルカトラズ連邦刑務所に入れられ、
その後仲間と脱獄を試みるも失敗し、真っ暗闇の独房に閉じ込められて虐待を受け、精神を犯されちゃったために、一人の囚人を殺害しちゃった哀しき囚人・ヘンリーヤング。

そんな彼を弁護するのは新米弁護士のジェームズスタンフィル。
独房の扉のようにかたく閉ざされたヘンリーの心を開くことは困難な上、アルカトラズ連邦刑務所による、お決まりのような政治的圧力を受けるスタンフィル。

スタンフィル「ヘンリーを殺人鬼にしたんは、アルカトラズ連邦刑務所や!」
アルカトラズ連邦刑務所「なんちゅーこと言うねん!この新米弁護士が!」
ヘンリー「なぁなぁ、今、野球、どうなん?阪神、勝ってる?赤星の打率は?」
スタンフィル「今それどころちゃうねん!!」

このまま死刑か・・・それとも・・・?

裁判も映画もいよいよ佳境。

ジェームズは、嫌がるヘンリーを証人台に立たせ尋ねた。「どうしたい?」
そして、ヘンリーは体を震わせ、涙ながらに答えた。「怖がる事から逃れたい。」

この「怖がる事から逃れたい。」という言葉。全てが要約されていて、単に裁判に勝つ、政府組織に勝つというだけの話ではなくて、
自分的に何かを克服したり乗り越えたり打ち勝つという意味が、ずっしりと含まれているような気がする。

完璧なるハッピーエンドでは無いものの、ヘンリーの中では間違いなく誇らしい勝利であったと思うし、ジェームズにとって、ヘンリーとの友情は宝物なんだと思う。


あ・・・あれ・・・?
な、なんか・・・
塩コショウが目にしみて・・・涙が・・・


これは素晴らしい映画。


ちなみに、アルカトラズ連邦刑務所跡地は観光地となっていて入ることができるみたい。
現在、地下には入れないとの噂もあるが、サンフランシスコの友人・コリーが10年前に行った際には入れたんだって。

行ってみたい\(^o^)/

■「ハートロッカー」/キャスリンビグロー
戦争ものにしては、無駄な撃ち合いや爆発も少ないし、泣き所もなけりゃ、笑う所もないし、問題提起というわけでもないけれど、軍人の理解し難い熱さはたっぷり。
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"war is a drag"
戦争とは、やめられないとまらないドラッグのようなものだという言葉が添えられたこの映画の舞台はイラク・バグダッド。
米・爆弾処理兵のジェームズ一等軍曹は、家には妻子との幸せな生活が待っているものの、この危険な仕事をやめられない。

そんなジェームズの趣味は、処理した爆弾の部品集め。"人を殺そうとしたものを集めるのが好き"なんだとか。

ジェームズが家に帰り、まだ小さなわが子に、「大好きだったものもいつか特別じゃなくなる。パパの歳になると、一つか二つだ。」と難しい話をしている。
そんな話、通じるはずもないのに、さらに「パパは一つだ。」と付け加える。

ソレが何か、ハッキリとは画かれてるわけでは無いのだけど、何だろう?そして、戦場へ戻っていくジェームズ、まさか、ソレって、そういうこと?

えーーー・・・マジか・・・

爆弾処理にしても何にしても、男はいつでも夢追い人ってわけね。そこにロマンがあるわけね。
飛べない豚はただの豚。何故また飛ぶのかなんて、愚問ってわけね。


米基地の辺りでDVDを売る少年・ベッカムが殺され、人間爆弾にされているのを発見し、涙ながらに解体するジェームズ。悲しいね。

そして・・・

ジェームズ「ベッカムを人間爆弾にしたのは誰や!許せん!突き止めたる!」
兵A「え~無茶な・・・でも、仕事やしなぁ・・・」
兵B「つーか、ホンマにあの少年なん?」
いかにも敵が潜んでそうな路地裏に突入。
『路地の交差点で落ち合おう!』
暗闇に人影発見。
すかさず発砲。
だけどそれ同胞。
兵B「痛ぇぇぇえええ!すんげぇ痛いんだけど、俺、死ぬ?これ、俺、死ぬ?」
翌日、ヘリにて搬送される兵Bを見送りに行くジェームズ。
その時・・・
「ねぇ、DVDいらない?」
ベッカム、生きてた・・・


リアルタイムにアメリカとイラクの関係を画いていて、"今でもそういうことがある"ということ、
実際の戦場で起こり得るであろうこと、考えられること(ベッカムの件の勘違いを含む)、緊張感が細かく画かれているという点で、

とても良くできた映画。

■「カッコーの巣の上で」/ミロスフォアマン
ジャックニコルソンが初のアカデミー・主演男優賞を受賞した作品。
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すでにハゲ散らかしたジャックニコルソンの役所は、刑務所での刑を逃れるため詐病を使って精神病院へ入院することになったマクマーフィーという男。

同じ病院の患者達について細かな説明は特にないけれど、皆個性豊かで、思わずキャラ萌えしてしまう程愛らしい。
そんな彼らを洗脳し支配する婦長に、誰も逆らうことなく言いなりになっていたけれど、マクマーフィーが入院してきたことで、少しずつ、皆の中の何かが変わっていく。


自由が大好きなマクマーフィー。
「刑務所にいるのが嫌で嘘ついて精神病院に来たけど、野球中継も観れないこんな世の中じゃ・・・ポイズン・・・俺は出ていくぞー!」
脱走→失敗→ロボトミー治療→廃人→マクマーフィーと共に脱走を企てていた患者・チーフがマクマーフィーを窒息死させ、脱走→end

精神病患者の自由や尊厳をテーマにした映画なのだけど、こうまとめると、全く深みも何もなさそうだな。

しっかし、物議を醸し出した、謎の衝撃ラストシーンだよ。やっぱりね。

マクマーフィーは治療により、人間性、マクマーフィーらしさも生気も奪われて、すっからかんの廃人になってしまった。
そんな彼を、チーフは抱きしめ、自らの手で窒息死させてやり、かつて彼が試み、なし得なかった"あの"やり方で脱走する。

チーフはインディアンだから、「死によって魂が肉体から解放される」というインディアン的思想によって、マクマーフィーを自由にしてあげようと思ったのかもしれない。
まあ、本当のところはわからないけれど、どちらにせよ、あのエンディングは、チーフなりの優しさだと捉えてるよ。


ロボトミー手術は、前頭葉にメスを入れ、脳の一部を切りとっちゃうことで、無理やり精神を落ち着かせる(というより、感情を失わせる)という治療法。というか、もはや拷問か何かの刑。
"日本精神神経学会が1975年(昭和50年)に、『精神外科』否定する決議を採択し、ロボトミー手術の廃止を宣言"
ちなみにこの映画も1975年(日本は1976年)公開。
実はまだ行われてるんじゃないかっていう噂もあるけれど、都市伝説であって欲しい。

ロボトミー、ダメ、ゼッタイ。

訴えかける映画。

ふぁっきんロボトミー
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ひとまず3本観たところ。