部屋に戻ったタエコさんと私。
私、実はこの日に向けて、縮毛矯正に行こうかなとも思っていたのですが、逆にかけるとまったく癖がつかなくなることもあり、不向きだとそのまんまでずっと来たのですが・・・かなり限界モード・・・のびきった蕎麦のようだったんですが時はやってきましたタエコさんのアドバイスを受けながら髪型を決めて必死にアイロンをかけました放っておけばRYOさんみたいなことになりかねない髪の毛がみるみるまともに“あたし、やろうと思えば出来んじゃん~”なんて自画自賛しながら会社員時代、かなり頑張っていろいろ磨きをかけていた時代が甦ってきました
「馬子にも衣装」なお洋服達もスタンバイ大親友、美人なみほちゃんに何度もアドバイスを受けながら決めた洋服達。本当にみほちゃんには大感謝です。ファッションに疎すぎる私に付け焼き刃の知識をつけてくれた・・・本当に感謝。っていうか普段から関心持てってかんじですがね取材に差し支えなくそれでいて失礼の無い動きやすい格好を考えてくれたみほちゃん。本当に有り難うと何度も心の中で叫んでいました。
DONNA KARAN NEW YORKのニットビーズのタンクトップ。そしてANTEPRIMAのスカート。靴はMAX MARAで。いろいろ迷いましたが、こんな感じに落ち着きました。そして凄く迷いましたがネックレスを付けることに・・・。これまたインターナショナルセレブな友人Hさんデザインのもの。是非彼女にもこの雰囲気を届けたいと付けることにしました。
そして何と言っても、この日のために六本木にて調達して来たワイヤーバッグ。いつも職場のデスクやら女性プロデューサーたちは持っていても、絶対現場にいる私なんぞ、持ってはいけないんだと長年信じていたもの・・・。それを今日、このミラノコレクションにあわせて私のラッキーカラー、ゴールドのものを購入してきていたのです。いろいろこの先の自分のあり方に悩む私、そしてタエコさんにとってのANTEPRIMA(デビュー前)にこれ以上相応しいものを探すことなんて出来ません。そして、このチャームは、RYOの幼なじみクンの美人お母さん・・・今では本当に心の底から尊敬し慕っている友人にプレゼントしていただいたもの・・・。是非彼女にも間接的に見てもらおうと握りしめて行きました。
そうして、タエコさん、私それぞれどんどん完成形に。タエコさん、本当に綺麗だった~でもってついでに私のメイクまでしてくださって昔から、なにかここ一番なことがあると大親友みほちゃんやプロのメイクの方にしてもらっていたので、自分ではほんといじらずさわらず・・・。ほんと、反省です。タエコさんに綺麗にしていただいているうちに・・・“ちょっと私、まだまだいけるじゃん!しか~し!痩せれば”とかかなり錯覚に陥りましたがそのときは夢心地。無理はありません。そうそう行くことの出来ないミラノコレクションへ行くのですから。
そうして21時スタートのショーにあわせ、ホテルのロビーにANTEPRIMAのスタッフのお迎えの車がっていうか、後で知ったんですけど来ていただいた凄く紳士で腰の低いスタッフの方を私ったら・・内心「よくスタッフを教育なさっている会社だな~そういうトップは凄い!グッジョブ社長!」なんて思っておりましたけど実はその方ご自身こそがANTEPRIMAのお社長・・・代表取締役のM下さん私ったら、一度、ファミリーセールのときにご挨拶したにもかかわらず、舞い上がっており、そのことに気づいたのは帰国日・・・ほんと、大変失礼しました。。。しかも最終日の夜、言いたい放題でしたし。。。ああああ・・・アーメンだってまさか社長自らいらしていただけるなんて思っていませんでしたし・・・
でも、ほんと、こんな私のようなところまで、企業のトップがお迎えに来てくださるなんて、やはりなかなか出来ないことだと思うんですよね、ホント。今までそういう社長とかお目にかかったことないですね・・・。
で、そんなこと知らない私。タエコさんの一足一挙動、そして心の動きを見逃すものかとかなり真剣モードにお仕事モードスイッチオンです
この日はミラノコレクション2日目。市内のあちこちでいろいろなブランドがショーを繰り広げられていたのだそうですが、初日より、この2日目に主なブランドの数々がショーを行うともあって事実上の初日のような感じなんだそうです。確かに、翌日ミラノ市街のあちらこちらのモニターや現地のテレビで前日のミラノコレクションの映像ばかりが流れていました。この日に、ショーを行うことの凄さを後ほど思い知ったのでした。
さて。ここからは、撮影に集中していてあまり写真はないのですがご了承くださいませ
そうして向かった先はANTEPRIMAのミラノコレクション、ショー会場となる「ALAZZO DELLE STELLINE」。あのレオナルド・ダヴィンチが、このホテルの中庭を散策したことでも有名な場所でありミラノでも名門のホテル。
到着した頃にはすでに凄い人が入り口に。。。優雅に写真なんて撮れる訳もなく、どうにか頑張って撮った一枚がこちら私はほんと、この時ほど自分の身長を恨んだことはありません。。。だって周りはとってもビッグでしかもオッ洒落~な方達が。。。
会場の中へ入ると、そこは別世界
ビンクに照らされたランウェイ、そしてダヴィンチも歩いていたところに緑色にライトアップされた大きな木。夜空に、突き抜けるかと思うくらいの大きな木を囲みランウェイがあり、その周りを招待客&マスコミが囲むのです。これだけで、招待客はテンションあがっておりました。
いただいた資料によりますと、今回のANTEPRIMA2009年春夏コレクションのテーマは「パーティ・パーティー・パーティー!」。“女性たちを讃え、パーティーのように人生を自由に享受する魅惑のコレクション”とのこと。そして、“リラックスしたラグジュアリー感が溢れるガーデンパーティー・・・(途中略)・・・あなた自身を解き放つために”
・・・そういうことか。。。だからかガーデンパーティのように屋外でしかも、堅苦しいショーではなくてなんか温かな感じ、そしてわくわくはじけられそうな気分になったのは。会場に入って、納得でした
タエコさんももちろん感嘆感激の嵐彼女ももちろんイベントプロデューサーですから、イベントの極みでもあるようなミラノコレクションに心から感激しているようでした。
私は・・・屋内のような格好で来てしまいはて、どうしようかとウロウロ。本当は肌を出すつもりでしたが少々肌寒かったので結局ショールをすることに
そうしてしばらくしたところ、ショーを直前に控えたバッグステージへ行くことに。凄い活気です直前までミシンかけてたり、人が走り回っている・・・。なんだか生放送直前のスタジオというか・・・。私は、こういう瞬間が大好きです。でも、まさか自分がここにこれるとはな・・・。しかも、なんと、ファッション誌『M』の取材を受けてしまったりして取材行ってるのに取材を受ける・・・なんともいえない・・・ほんとは恥ずかしさでいっぱいなところですが、もう、そこはショー直前の活気で、気分だけはミラコレモデルです
タエコさんはもう息をのみながら、シャッターを押し続けていました。タエコさんもイベントプロデューサー・・・。きっと出国前、これからの自分のあり方に少し行き詰まりを感じていたタエコさん、なにかを感じ取ろうと必死なのがミラノへ来て一番鋭くなった目で判りました。そして、背の高いモデルの中で、なんとか目標とするあの方・・・クリエイティブディレクター・荻野いづみさんを探そうと必死でしたね・・・。私も、撮りのがしは行けないんで相当必死でした
そして再びショー会場へ。タエコさん、ランウェイでモデル立ちです
そうしてショーがスタート。それまでざわついていた招待客、そしてマスコミのすべてが固唾をのんで・・・目をかっとひらいて見つめます。
私は、撮影合間合間で写真撮ってたので、あまりよく撮れていませんが・・・本当に素晴らしいものでした正直、ファッションに疎い私は、あまり専門的なことはわかりません。が全体的に拝見して「これだったらちょっとこれ着て街へでかけたいな~・・・しか~し、自分の体の肉がとれたらね~」なあなんて思わせてくれるようなものばかり。コレクションで発表されるものって現実離れしてるイメージがあったんですけど、それがまったくなく。ほんと、びっくりしました
私がお気に入りだったのはこちらの水色のお洋服と、写真では撮れていないんですが、上半身タイトのベージュ、下はスカートの裾の波打ち方が最高に綺麗だったお洋服着たいな~でも着れない
実際のショーの模様はこちらのサイトの方を是非どうぞこちらはアンテプリマの映像です。
そして、その後関係者の晩餐会が私にってはこんな由緒あるところで、しかもミラノコレクションの晩餐会で・・・きっとダヴィンチではないですが『(人生)最後の晩餐』になるかもしれない・・・そう思うとおちおち飲んでもいられない・・・とも思いましたがそこは図太いワタクシやはり美味しくお酒も食事もいただきましたショーの会場ともなったホテル内のレストラン「レオナルドの菜園」。なんでも、野菜料理が本当にウマウマ
こちらのズッキーニのお料理は・・・
中にカッテージチーズのようなものが入っていたのですが・・・これがもう本当に、本当においしかった!ズッキーニ自体の味が本当に甘くて美味しいんです
そして、ちょっと浮かれ気味に見える私の横では・・・遠く、関係者の中でも特にファッション界の中心と思われる方達が集まる奥のテーブルに目をやるタエコさんが。正直、こんなに無口で、何かを思い詰めたようなタエコさんを拝見するのは初めてでした。どんなときでも、明るい笑顔を絶やさないタエコさんが・・・。よくよく私もその遠いテーブルを見ると、先ほど、最後にランウェイに少しだけ現れ挨拶された小柄な女性が・・・。そう、その方こそ、タエコさんが今回、是非直接お目にかかりたいと出国前からずっとおっしゃっていた、ANTEPRIMAを立ち上げ、クリエイティブディレクターの荻野いづみさんでした。各テーブル、ショーのお礼に回られていたのですが、私も一応の取材予備知識があったとはいえ、実際お目にかかると遠くにいるのに彼女の凄さにひざまずきたくなりました。そのくらいオーラがあるんです
そうして私達のテーブルへもいらっしゃいました。実際近くで拝見すると、とてもとても・・・30代半ばでこのブランドを立ち上げ世界に打ってだたかたとは思えないくらい(すみません・・・もちろんいい意味でですよ)“なんて華奢で、小柄な方なのに周りの空気が輝くようなオーラを出されている方なんだろう。それに50代とは思えない(ほんと、絶対思えない)お肌の美しさ!そして・・・なんて笑顔が素敵っていう言葉じゃ表せないくらい・・・ステキなんだろう“
正直、とてもとても世界をまたにかけて、これだけのブランドを立ちあげ、そしてミラノコレクションへ乗り込んだかたとは思えなくらい、控えめで可憐で。彼女のこの小さな体に秘められたそのパワーを知ることができたら、タエコさんの答えが、そしてタエコさんがこれからイベントを通して伝えたいことが出てくるのではないかと思いました。そして私自身も・・・。
そのときは、ご挨拶と簡単な会話で終わりました。それでも、タエコさんはかなり放心状態荻野さんととりあえず、記念撮影
実は出国前PRESSの方に、ミラノコレクション当日の荻野さんへのインタビューを申し入れたのですが、やはり当日はバタバタとしてますから・・・とまたの機会にとなってなっていました。が、とりあえずご本人に御会い出来たことでなにか次へ繋がるような気が私はしていました。
そうして私も撮影一段落かと思い、食事&飲みに専念しようかとしたところ、タエコさん、やはり、あまりしゃべらない。。。いつもはとっても饒舌なのに。そこで私は同じテーブルのNHKチームと雑談をしていました。やはり同じテレビ業界ともあって、お互いいろいろな情報交換やらなにやら・・・とても気さくなチームだったので、本当に有り難かった~正直、ファッション業界とは違ってどこか引いた目で見ることが出来る第三者の立場。私も限りなく第三者目線なのでいろいろと参考になることも多く一緒の席でと良かった~と。特に、隣のパリ在住のカメラマンさんとはいろいろな中継話や世界の戦地話で大盛り上がりやっと、私、生きた心地しましたもん、この日。
そして、こちらの事情などをいろいろ話したところ、「このテンション上がってる今がチャンスだよ、どさくさまぎれに。俺だったらインタビューいくな」と。正直私も同感でした。が。今回、私としては、タエコさんの心の動きを絶対おさめたかったので、私が動くのは出来るだけ避けたかったのです。もちろん、内容によっては、それとなく自分が差し向けることも多々あります(ヤラセではなくて演出の一部ですからね)。でも、今回の場合はそれをやっては絶対いけないと判断したのです。あくまでも、タエコサンが答えを出すべきだと。果たして自分から動くのか、私の勝負でもあり、賭けでした。
そして、私はとりあえず、隣のNHKチームをタエコサンに紹介。そして、そのカメラマンの方がもう一度、タエコさんに言ったのです。「俺だったら今いくな。」そして私も「どうします?」
その後のタエコさんの表情はなんともいえず、多分これまでで一番真剣な表情をしていたように見受けられました。・・・今しかない。チャンスは今だ。
彼女はもう一度同じ席にいたPRESSの川口さんにお願いをしました。そして川口さんは、タエコさんの本気に動かされたのかお忙しい中、遠くのテーブルにいらっしゃる荻野さんの方へ。そしてなんと、荻野さんご自身からOKをいただいたのです
しかも荻野さん自ら、私達のテーブルにまで足を運んでくださったのですあまりにもの迅速なフットワークで私もびっくりやはり世界を股にかけて活躍なさってる方は違います。
もう私達のテーブルは大パニックするとNHKチームがカメラを回してくださったり機材かしてくださったり助っ人してくださるとのこともう、垣根を超えた大取材ですその瞬間に・・・最終面接で落とされた過去なんて・・・吹っ飛びましたよ、私タエコさんの熱意に、皆が一致団結した瞬間です。私自身、マスコミ人として・・・制作者としてモノを創る心を取り戻したような気がしました。
そして私はこの時あることに気がつきました。その時タエコさんがバッグから取り出した手帳。それには荻野さんに対する質問事項が書かれていました。まあ、いわゆる取材メモです。実はコレクションへ行く直前ホテルの部屋で、タエコさんがずっと何か書いていて気になっていたものでした。ほぼ、コレクション当日インタビュー出来ないのが判っていながら万が一、あわよくば、チャンスあればと準備していたのです。ほんと、この時になって驚きました。
「チャンスは準備された人のところへ来る」。いつもタエコさん自身が言っていたことをそのまま有言実行してみせたのです。そのことにまず驚きました。
そして荻野さんへのインタビュー。とても今度54歳になるとは思えないキュートな方正直、以前、ドキュメンタリーで荻野さんが出演されていたのを拝見したことがありますが、ほんと、私に言わせればお粗末そのもの。見て3分以内で男性ディレクターが作ったものだとすぐ判りました。なんでそこまでシーンを撮れるんだったら女の本音とか・・・もっと核心をつけないんだろう。30代半ばでなにかを行動起こすってこと・・・その心の動きがなにも判らず正直心打たれませんでした。もしかしたら荻野さんが意外にも熱くない方なのかと思ったら、今回のインタビューでそれは全くの間違いと判りました。単にそのドキュメンタリーを撮ったディレクターの力量がなかったんですね。あまりにも言いたいことが伝わらない番組でしたよ。(スミマせん、毒は吐かせていただきましたでも、だってプロとして見れば本当のことなんだもん)
あまりにもいい内容が撮れたので、詳細は、あまり出したくないのですが、私が感銘を受けたことをいくつか言いますと・・・。
これからなにかしたいと思ってるんだったら、誰がなんといおうが、年齢がなんであろうが、やりたければ何でもやればいい。遊びたかったら遊べばいいし、一人で飲みに行ってもいいだろう。怖がることを排除すれば何歳からでもデビュー出来る。
また荻野さんが尊敬する女性でブルジョアというかたを挙げられました。私も存じ上げなかったのですが90代にしてあの六本木ヒルズのクモの彫刻を作られた方だそうで、人は目指す方向で50代からでも変れるんだと痛感されたそうです。で、私はびっくり!六本木ヒルズといえばタエコさんがサクセスウーマン講座を行っているところ!しかもタエコさんと先日ヒルズで待ち合わせした場所でもあるんですもう、なにかが結びついた感じがしましたよ
本当に素晴らしいインタビューでした。その後、人目はばからず、泣きじゃくったタエコさん。今度は私がタエコさんへインタビューです。私、姑息な手段で取材対象者を泣かせたいときにカメラ横で泣いたふりすることもあるんですが・・・今回ばかりはもう、こっちも感動してなきそうで。でも、そこは第三者として、ディレクターとして冷静に見なければいけない・・・友人として、でも、仕事の取材対象者として・・・。ほんと、本能に負けそうになりました。タエコさんは化粧崩れも気にすることなく・・・最後まで泣いていました。彼女の中で伝えたい何かが決まった瞬間でもあったように見受けられました。
そして最後は堂々と全身写真を撮ったタエコでん。スカートをはかなかったタエコさん・・・。もうスカートを怖がることなく、自分を強くもって自分自身を楽しめるようになっていました。もう、恐れることはない。。。きっと一人御飯が出来なかったタエコさん、もう大丈夫でしょう。
そしてPRESSの川口さん。彼女の頑張りと機転の良さがなかったら、実現しなかったでしょう。ほんと、華奢で笑顔が可愛くキュートな川口さん。タエコさんと記念撮影です。
私は一仕事終え、NHKチームと酒盛りデザートもしこたま食べました
そして。ちょいとタエコさんより写真拝借ええい!もういいや!私ものせちゃえ!っていっても顔は隠します。なんだかシンデレラな夜でした
正直、この章・・・この記事は苦戦しました・・・おちゃらけられないので・・・あまりにも現場が素晴らしかったので・・・。は~、山は越えました!あとはすんなりいつもモードに入ります~!
私、実はこの日に向けて、縮毛矯正に行こうかなとも思っていたのですが、逆にかけるとまったく癖がつかなくなることもあり、不向きだとそのまんまでずっと来たのですが・・・かなり限界モード・・・のびきった蕎麦のようだったんですが時はやってきましたタエコさんのアドバイスを受けながら髪型を決めて必死にアイロンをかけました放っておけばRYOさんみたいなことになりかねない髪の毛がみるみるまともに“あたし、やろうと思えば出来んじゃん~”なんて自画自賛しながら会社員時代、かなり頑張っていろいろ磨きをかけていた時代が甦ってきました
「馬子にも衣装」なお洋服達もスタンバイ大親友、美人なみほちゃんに何度もアドバイスを受けながら決めた洋服達。本当にみほちゃんには大感謝です。ファッションに疎すぎる私に付け焼き刃の知識をつけてくれた・・・本当に感謝。っていうか普段から関心持てってかんじですがね取材に差し支えなくそれでいて失礼の無い動きやすい格好を考えてくれたみほちゃん。本当に有り難うと何度も心の中で叫んでいました。
DONNA KARAN NEW YORKのニットビーズのタンクトップ。そしてANTEPRIMAのスカート。靴はMAX MARAで。いろいろ迷いましたが、こんな感じに落ち着きました。そして凄く迷いましたがネックレスを付けることに・・・。これまたインターナショナルセレブな友人Hさんデザインのもの。是非彼女にもこの雰囲気を届けたいと付けることにしました。
そして何と言っても、この日のために六本木にて調達して来たワイヤーバッグ。いつも職場のデスクやら女性プロデューサーたちは持っていても、絶対現場にいる私なんぞ、持ってはいけないんだと長年信じていたもの・・・。それを今日、このミラノコレクションにあわせて私のラッキーカラー、ゴールドのものを購入してきていたのです。いろいろこの先の自分のあり方に悩む私、そしてタエコさんにとってのANTEPRIMA(デビュー前)にこれ以上相応しいものを探すことなんて出来ません。そして、このチャームは、RYOの幼なじみクンの美人お母さん・・・今では本当に心の底から尊敬し慕っている友人にプレゼントしていただいたもの・・・。是非彼女にも間接的に見てもらおうと握りしめて行きました。
そうして、タエコさん、私それぞれどんどん完成形に。タエコさん、本当に綺麗だった~でもってついでに私のメイクまでしてくださって昔から、なにかここ一番なことがあると大親友みほちゃんやプロのメイクの方にしてもらっていたので、自分ではほんといじらずさわらず・・・。ほんと、反省です。タエコさんに綺麗にしていただいているうちに・・・“ちょっと私、まだまだいけるじゃん!しか~し!痩せれば”とかかなり錯覚に陥りましたがそのときは夢心地。無理はありません。そうそう行くことの出来ないミラノコレクションへ行くのですから。
そうして21時スタートのショーにあわせ、ホテルのロビーにANTEPRIMAのスタッフのお迎えの車がっていうか、後で知ったんですけど来ていただいた凄く紳士で腰の低いスタッフの方を私ったら・・内心「よくスタッフを教育なさっている会社だな~そういうトップは凄い!グッジョブ社長!」なんて思っておりましたけど実はその方ご自身こそがANTEPRIMAのお社長・・・代表取締役のM下さん私ったら、一度、ファミリーセールのときにご挨拶したにもかかわらず、舞い上がっており、そのことに気づいたのは帰国日・・・ほんと、大変失礼しました。。。しかも最終日の夜、言いたい放題でしたし。。。ああああ・・・アーメンだってまさか社長自らいらしていただけるなんて思っていませんでしたし・・・
でも、ほんと、こんな私のようなところまで、企業のトップがお迎えに来てくださるなんて、やはりなかなか出来ないことだと思うんですよね、ホント。今までそういう社長とかお目にかかったことないですね・・・。
で、そんなこと知らない私。タエコさんの一足一挙動、そして心の動きを見逃すものかとかなり真剣モードにお仕事モードスイッチオンです
この日はミラノコレクション2日目。市内のあちこちでいろいろなブランドがショーを繰り広げられていたのだそうですが、初日より、この2日目に主なブランドの数々がショーを行うともあって事実上の初日のような感じなんだそうです。確かに、翌日ミラノ市街のあちらこちらのモニターや現地のテレビで前日のミラノコレクションの映像ばかりが流れていました。この日に、ショーを行うことの凄さを後ほど思い知ったのでした。
さて。ここからは、撮影に集中していてあまり写真はないのですがご了承くださいませ
そうして向かった先はANTEPRIMAのミラノコレクション、ショー会場となる「ALAZZO DELLE STELLINE」。あのレオナルド・ダヴィンチが、このホテルの中庭を散策したことでも有名な場所でありミラノでも名門のホテル。
到着した頃にはすでに凄い人が入り口に。。。優雅に写真なんて撮れる訳もなく、どうにか頑張って撮った一枚がこちら私はほんと、この時ほど自分の身長を恨んだことはありません。。。だって周りはとってもビッグでしかもオッ洒落~な方達が。。。
会場の中へ入ると、そこは別世界
ビンクに照らされたランウェイ、そしてダヴィンチも歩いていたところに緑色にライトアップされた大きな木。夜空に、突き抜けるかと思うくらいの大きな木を囲みランウェイがあり、その周りを招待客&マスコミが囲むのです。これだけで、招待客はテンションあがっておりました。
いただいた資料によりますと、今回のANTEPRIMA2009年春夏コレクションのテーマは「パーティ・パーティー・パーティー!」。“女性たちを讃え、パーティーのように人生を自由に享受する魅惑のコレクション”とのこと。そして、“リラックスしたラグジュアリー感が溢れるガーデンパーティー・・・(途中略)・・・あなた自身を解き放つために”
・・・そういうことか。。。だからかガーデンパーティのように屋外でしかも、堅苦しいショーではなくてなんか温かな感じ、そしてわくわくはじけられそうな気分になったのは。会場に入って、納得でした
タエコさんももちろん感嘆感激の嵐彼女ももちろんイベントプロデューサーですから、イベントの極みでもあるようなミラノコレクションに心から感激しているようでした。
私は・・・屋内のような格好で来てしまいはて、どうしようかとウロウロ。本当は肌を出すつもりでしたが少々肌寒かったので結局ショールをすることに
そうしてしばらくしたところ、ショーを直前に控えたバッグステージへ行くことに。凄い活気です直前までミシンかけてたり、人が走り回っている・・・。なんだか生放送直前のスタジオというか・・・。私は、こういう瞬間が大好きです。でも、まさか自分がここにこれるとはな・・・。しかも、なんと、ファッション誌『M』の取材を受けてしまったりして取材行ってるのに取材を受ける・・・なんともいえない・・・ほんとは恥ずかしさでいっぱいなところですが、もう、そこはショー直前の活気で、気分だけはミラコレモデルです
タエコさんはもう息をのみながら、シャッターを押し続けていました。タエコさんもイベントプロデューサー・・・。きっと出国前、これからの自分のあり方に少し行き詰まりを感じていたタエコさん、なにかを感じ取ろうと必死なのがミラノへ来て一番鋭くなった目で判りました。そして、背の高いモデルの中で、なんとか目標とするあの方・・・クリエイティブディレクター・荻野いづみさんを探そうと必死でしたね・・・。私も、撮りのがしは行けないんで相当必死でした
そして再びショー会場へ。タエコさん、ランウェイでモデル立ちです
そうしてショーがスタート。それまでざわついていた招待客、そしてマスコミのすべてが固唾をのんで・・・目をかっとひらいて見つめます。
私は、撮影合間合間で写真撮ってたので、あまりよく撮れていませんが・・・本当に素晴らしいものでした正直、ファッションに疎い私は、あまり専門的なことはわかりません。が全体的に拝見して「これだったらちょっとこれ着て街へでかけたいな~・・・しか~し、自分の体の肉がとれたらね~」なあなんて思わせてくれるようなものばかり。コレクションで発表されるものって現実離れしてるイメージがあったんですけど、それがまったくなく。ほんと、びっくりしました
私がお気に入りだったのはこちらの水色のお洋服と、写真では撮れていないんですが、上半身タイトのベージュ、下はスカートの裾の波打ち方が最高に綺麗だったお洋服着たいな~でも着れない
実際のショーの模様はこちらのサイトの方を是非どうぞこちらはアンテプリマの映像です。
そして、その後関係者の晩餐会が私にってはこんな由緒あるところで、しかもミラノコレクションの晩餐会で・・・きっとダヴィンチではないですが『(人生)最後の晩餐』になるかもしれない・・・そう思うとおちおち飲んでもいられない・・・とも思いましたがそこは図太いワタクシやはり美味しくお酒も食事もいただきましたショーの会場ともなったホテル内のレストラン「レオナルドの菜園」。なんでも、野菜料理が本当にウマウマ
こちらのズッキーニのお料理は・・・
中にカッテージチーズのようなものが入っていたのですが・・・これがもう本当に、本当においしかった!ズッキーニ自体の味が本当に甘くて美味しいんです
そして、ちょっと浮かれ気味に見える私の横では・・・遠く、関係者の中でも特にファッション界の中心と思われる方達が集まる奥のテーブルに目をやるタエコさんが。正直、こんなに無口で、何かを思い詰めたようなタエコさんを拝見するのは初めてでした。どんなときでも、明るい笑顔を絶やさないタエコさんが・・・。よくよく私もその遠いテーブルを見ると、先ほど、最後にランウェイに少しだけ現れ挨拶された小柄な女性が・・・。そう、その方こそ、タエコさんが今回、是非直接お目にかかりたいと出国前からずっとおっしゃっていた、ANTEPRIMAを立ち上げ、クリエイティブディレクターの荻野いづみさんでした。各テーブル、ショーのお礼に回られていたのですが、私も一応の取材予備知識があったとはいえ、実際お目にかかると遠くにいるのに彼女の凄さにひざまずきたくなりました。そのくらいオーラがあるんです
そうして私達のテーブルへもいらっしゃいました。実際近くで拝見すると、とてもとても・・・30代半ばでこのブランドを立ち上げ世界に打ってだたかたとは思えないくらい(すみません・・・もちろんいい意味でですよ)“なんて華奢で、小柄な方なのに周りの空気が輝くようなオーラを出されている方なんだろう。それに50代とは思えない(ほんと、絶対思えない)お肌の美しさ!そして・・・なんて笑顔が素敵っていう言葉じゃ表せないくらい・・・ステキなんだろう“
正直、とてもとても世界をまたにかけて、これだけのブランドを立ちあげ、そしてミラノコレクションへ乗り込んだかたとは思えなくらい、控えめで可憐で。彼女のこの小さな体に秘められたそのパワーを知ることができたら、タエコさんの答えが、そしてタエコさんがこれからイベントを通して伝えたいことが出てくるのではないかと思いました。そして私自身も・・・。
そのときは、ご挨拶と簡単な会話で終わりました。それでも、タエコさんはかなり放心状態荻野さんととりあえず、記念撮影
実は出国前PRESSの方に、ミラノコレクション当日の荻野さんへのインタビューを申し入れたのですが、やはり当日はバタバタとしてますから・・・とまたの機会にとなってなっていました。が、とりあえずご本人に御会い出来たことでなにか次へ繋がるような気が私はしていました。
そうして私も撮影一段落かと思い、食事&飲みに専念しようかとしたところ、タエコさん、やはり、あまりしゃべらない。。。いつもはとっても饒舌なのに。そこで私は同じテーブルのNHKチームと雑談をしていました。やはり同じテレビ業界ともあって、お互いいろいろな情報交換やらなにやら・・・とても気さくなチームだったので、本当に有り難かった~正直、ファッション業界とは違ってどこか引いた目で見ることが出来る第三者の立場。私も限りなく第三者目線なのでいろいろと参考になることも多く一緒の席でと良かった~と。特に、隣のパリ在住のカメラマンさんとはいろいろな中継話や世界の戦地話で大盛り上がりやっと、私、生きた心地しましたもん、この日。
そして、こちらの事情などをいろいろ話したところ、「このテンション上がってる今がチャンスだよ、どさくさまぎれに。俺だったらインタビューいくな」と。正直私も同感でした。が。今回、私としては、タエコさんの心の動きを絶対おさめたかったので、私が動くのは出来るだけ避けたかったのです。もちろん、内容によっては、それとなく自分が差し向けることも多々あります(ヤラセではなくて演出の一部ですからね)。でも、今回の場合はそれをやっては絶対いけないと判断したのです。あくまでも、タエコサンが答えを出すべきだと。果たして自分から動くのか、私の勝負でもあり、賭けでした。
そして、私はとりあえず、隣のNHKチームをタエコサンに紹介。そして、そのカメラマンの方がもう一度、タエコさんに言ったのです。「俺だったら今いくな。」そして私も「どうします?」
その後のタエコさんの表情はなんともいえず、多分これまでで一番真剣な表情をしていたように見受けられました。・・・今しかない。チャンスは今だ。
彼女はもう一度同じ席にいたPRESSの川口さんにお願いをしました。そして川口さんは、タエコさんの本気に動かされたのかお忙しい中、遠くのテーブルにいらっしゃる荻野さんの方へ。そしてなんと、荻野さんご自身からOKをいただいたのです
しかも荻野さん自ら、私達のテーブルにまで足を運んでくださったのですあまりにもの迅速なフットワークで私もびっくりやはり世界を股にかけて活躍なさってる方は違います。
もう私達のテーブルは大パニックするとNHKチームがカメラを回してくださったり機材かしてくださったり助っ人してくださるとのこともう、垣根を超えた大取材ですその瞬間に・・・最終面接で落とされた過去なんて・・・吹っ飛びましたよ、私タエコさんの熱意に、皆が一致団結した瞬間です。私自身、マスコミ人として・・・制作者としてモノを創る心を取り戻したような気がしました。
そして私はこの時あることに気がつきました。その時タエコさんがバッグから取り出した手帳。それには荻野さんに対する質問事項が書かれていました。まあ、いわゆる取材メモです。実はコレクションへ行く直前ホテルの部屋で、タエコさんがずっと何か書いていて気になっていたものでした。ほぼ、コレクション当日インタビュー出来ないのが判っていながら万が一、あわよくば、チャンスあればと準備していたのです。ほんと、この時になって驚きました。
「チャンスは準備された人のところへ来る」。いつもタエコさん自身が言っていたことをそのまま有言実行してみせたのです。そのことにまず驚きました。
そして荻野さんへのインタビュー。とても今度54歳になるとは思えないキュートな方正直、以前、ドキュメンタリーで荻野さんが出演されていたのを拝見したことがありますが、ほんと、私に言わせればお粗末そのもの。見て3分以内で男性ディレクターが作ったものだとすぐ判りました。なんでそこまでシーンを撮れるんだったら女の本音とか・・・もっと核心をつけないんだろう。30代半ばでなにかを行動起こすってこと・・・その心の動きがなにも判らず正直心打たれませんでした。もしかしたら荻野さんが意外にも熱くない方なのかと思ったら、今回のインタビューでそれは全くの間違いと判りました。単にそのドキュメンタリーを撮ったディレクターの力量がなかったんですね。あまりにも言いたいことが伝わらない番組でしたよ。(スミマせん、毒は吐かせていただきましたでも、だってプロとして見れば本当のことなんだもん)
あまりにもいい内容が撮れたので、詳細は、あまり出したくないのですが、私が感銘を受けたことをいくつか言いますと・・・。
これからなにかしたいと思ってるんだったら、誰がなんといおうが、年齢がなんであろうが、やりたければ何でもやればいい。遊びたかったら遊べばいいし、一人で飲みに行ってもいいだろう。怖がることを排除すれば何歳からでもデビュー出来る。
また荻野さんが尊敬する女性でブルジョアというかたを挙げられました。私も存じ上げなかったのですが90代にしてあの六本木ヒルズのクモの彫刻を作られた方だそうで、人は目指す方向で50代からでも変れるんだと痛感されたそうです。で、私はびっくり!六本木ヒルズといえばタエコさんがサクセスウーマン講座を行っているところ!しかもタエコさんと先日ヒルズで待ち合わせした場所でもあるんですもう、なにかが結びついた感じがしましたよ
本当に素晴らしいインタビューでした。その後、人目はばからず、泣きじゃくったタエコさん。今度は私がタエコさんへインタビューです。私、姑息な手段で取材対象者を泣かせたいときにカメラ横で泣いたふりすることもあるんですが・・・今回ばかりはもう、こっちも感動してなきそうで。でも、そこは第三者として、ディレクターとして冷静に見なければいけない・・・友人として、でも、仕事の取材対象者として・・・。ほんと、本能に負けそうになりました。タエコさんは化粧崩れも気にすることなく・・・最後まで泣いていました。彼女の中で伝えたい何かが決まった瞬間でもあったように見受けられました。
そして最後は堂々と全身写真を撮ったタエコでん。スカートをはかなかったタエコさん・・・。もうスカートを怖がることなく、自分を強くもって自分自身を楽しめるようになっていました。もう、恐れることはない。。。きっと一人御飯が出来なかったタエコさん、もう大丈夫でしょう。
そしてPRESSの川口さん。彼女の頑張りと機転の良さがなかったら、実現しなかったでしょう。ほんと、華奢で笑顔が可愛くキュートな川口さん。タエコさんと記念撮影です。
私は一仕事終え、NHKチームと酒盛りデザートもしこたま食べました
そして。ちょいとタエコさんより写真拝借ええい!もういいや!私ものせちゃえ!っていっても顔は隠します。なんだかシンデレラな夜でした
正直、この章・・・この記事は苦戦しました・・・おちゃらけられないので・・・あまりにも現場が素晴らしかったので・・・。は~、山は越えました!あとはすんなりいつもモードに入ります~!