教師の力を見せる一番の場面は、やはり授業だと思います。

 

児童生徒にどのように教え、学びを与えるか。

 

目の前にいる児童生徒をよく観察し、進めていく必要があります。

 

まさしく教師の腕の見せ所なわけです。

 

その授業を考えていく中で様々な準備を行っています。

 

今回は自分が取り組んできた特別支援学校での話を中心に進めます。

 

 

 

まず児童生徒の実態を知り、1年間でどんなことを取り組んでいくかを考えます。

 

それが、年間指導計画です。

 

4月から5月までは実態把握もかねて制作を行ってみたり、

 

軽い運動やレクリエーションを設定して体の動きを知ったりします。

 

そのように一年間の学習内容を大雑把に設定します。

 

ただ、あくまで計画なので、途中に変更することもあります。

 

ティームティーチングなので、大雑把でも指導の方向性を関わる教師に伝えるための計画です。

 

 

 

さて、次に取り組むのが単元指導計画です。

 

これは先ほど年間指導計画で分けたものを、より細かく設定するものです。

 

4月からの先ほどの計画。何日に何をして、それぞれの目標を確認し、

 

最終的に児童生徒につけてほしい力は何か、

 

全体目標と個別目標を設定します。

 

これ、今赴任している学校では作っていません。正直びっくりしました。

 

どういう風に日々の授業を作っていっているのか・・・

 

これを作っておくことで、先ほど同様、一緒に授業を行う教師との内容の共有ができます。

 

特別支援学校では複数クラスでの授業がよくあります。

 

そのため、各担任と目標や内容を精査する必要があります。

 

単元指導計画はとても重要なものです。

 

 

 

そして、指導略案の登場です。

 

もうわかると思いますが、単元指導計画で設定した何日に何をするかを

 

さらに詳細に計画するものが指導略案です。

 

書かれていることはどこの学校も近いものだと思いますが、

 

単元指導計画で書いた全体目標、個別の目標、時間の流れ、取り組む内容、

 

児童生徒が行う活動、教師がする支援や言葉がけ、使う道具、注意点などの備考、

 

そして、机の並びや人の位置、物の置き場所がわかる配置図といったところでしょうか。

 

これを作成しておくことで、急なお休みの教師がいても、略案を見て活動内容を理解することができます。

 

 

 

 

正直ここまで書いたことを毎年しっかり考えて作っている教師は少ないかもしれません。

 

特に指導略案については出し忘れる人は多いです。毎週作らなければなりませんから。

 

私はわりと作るのが早い方だったので、そこまで苦も無く作成することができました。

 

最終的な目標の達成のために、早めに苦労しておくと後々楽できることを知っていたからです。

 

児童生徒の実態把握をしっかりできていれば、計画した通りに学んでいくことができますし、

 

教師があーだこーだ言う前に自分たちで行動してくれるようになり、教師は時間を有効に使うことができます。

 

その時間を使って教材をより工夫したり、児童生徒の喜びそうなことを取り組んでみたりすると、

 

児童生徒の食いつきも良いものになり、良い循環ができるようになります。

 

結果的に良いこと尽くしです。

 

 

 

 

それぞれの計画の大切さを伝えることができたと思いますが、

 

最後に決定的なポイントがあります。それは評価です。

 

毎日の授業の中でできたこと、難しかったこと、予想を超えて実態が高かったことなど、

 

略案を作って入ればそこに記入して次回に生かすことができます。

 

単元指導計画もそれらの略案の評価を受けて、個別の目標の達成度を示すことができます。

 

これが通知表の評価につながっていくのです。

 

そして、集まった評価を年間指導計画に落とし込みます。

 

年間で取り組んだことがどのような成果を得たか、難しい内容や不要な内容がなかったか、

 

児童生徒の評価だけでなく、自分の見通しが良かったかどうかの判断基準にもなり、

 

次年度の引継ぎにも役立てることができます。

 

同じような内容の授業を毎年取り組むこともなくなるはずです。

 

正直時間の無駄になってしまいますから。

 

 

 

いっぱい書きましたが、ここまで計画をしていてもうまくいかないときはあります。

 

児童生徒は日々成長し、何かを学び、生活に取り入れていきます。

 

教師の気づかない間に常に変化していくのです。

 

それにどれだけ気づき、保護者や本人と共有できるか、

 

良い授業を行うためには、常に考え行動に移せる、変化を受け入れる度量が必要です。